インターネット以前と以後の違いを考える

友人の売れっ子デザイナーで、全くSNSをやらない人がいるんです。

たぶん「そんなことやってる時間がない」のだとは思うのですが、これっぽっちの興味も持ってないんです。

で、彼と会って話をしていると、「あれ? それ知らないの?」っていうことが結構あるんです。「ツイッターやFBですごく話題になってたじゃない」ってネタをあたりまえですが知らないんです。

でもその場で僕もすぐに気がつくのですが、SNS上で話題になっていることって、そんな「どうしても必要な情報」でもないんです。

で、彼はどうやって情報を集めているかというと、普通に本屋に行ったり、(僕のような)友人に「最近あれ面白いよ」って聞いたり、仕事でよく海外に行って現場で吸収したりしてるだけなんです。

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インターネット以前から編集の仕事をしている友人がいて、彼は「メールで仕事をするようになって、とにかく時間がすごくかかるようになったのと、ちょっとしたミスが増えた。メール以前に戻りたい」って言うんです。

休日開けの月曜日なんてメールを返しているだけで一日が終わっちゃうそうなんです。

で、メール以前はどういう作業をしていたか、気になりますよね。著者とかデザイナーに直接電話をかけて、「そうですね。じゃあそれでいきましょう。じゃあ〆切は来週の月曜で」って話して決めてたそうなんです。確かに「早そう」ですよね。

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ある飲食店を経営している友人で、「もうとにかくネットはイヤだ。大嫌いだ」って言う人がいるんです。

彼のお店、結構流行ってまして、食べログでも、まあ悪い評価もあるのですが、それは流行っているお店の宿命だし、合計だと結構良い点数だし、まあネットで評判が悪いお店ではないんです。

でも、彼はネット上で心ない人たちが、何にも考えずに「不味い」とか「コスパ悪い」とか書いているのに本気で心をいためてるんです。

すごく誠実な人間なので、「林くん、たぶん『不味い』って書いたからには本気で『美味しくないなあ』って感じたんだと思うんだよ。どうしてなんだろう」とか本気で言うんです。

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ところで、ネット以前とネット以後であなたはどう変わりましたか?

僕は上の3人の気持ちはすごくよくわかります。

そして僕は妻に「お店やらなかったら自分はネットは無縁だったと思う。だいたい携帯電話も持ってないし」とたまに言います。

すると妻はいつもこう答えます。

「いや、あなたはお店やってなくても、すごいネット好きだったと思うよ。お店の人っていうリスクがない分、ツイッターやFBは今以上に使ってたと思うし、ブログとかすごく本気でやってたと思う」

なるほど。

ネットってたぶん、「好きかどうか」な気がします。

僕はネガティブな面も知りつつ、やっぱりすごく好きなんだと思います。

それでどうして僕はネットが好きなんだろうって考えてみると、「海外の人や、全く会ったことのない知らない人、普通に人生をおくってたらまさかコミュニケーションなんてとらなかった人、とやりとりが出来る」ということに「興奮」しているんだと思います。

でも思いませんか? すごく不思議だけど楽しい世界だと。

#コラム

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「好きな食べ物ベスト3」です。

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