やっぱり渋谷が好きな話

渋谷のスクランブル交差点、一回の青信号で、多いときは3000人通るってご存知でしたか?

これ、以前、渋谷で僕の前を歩いていた女子高生二人組が「あの交差点、一回3000人通るらしいよ。多くね?」「少ないんじゃね?」「多いんじゃね?」と話してたので、気になって家に帰って検索しました。

ちなみに1日では50万人だそうです。

妻はずっと世田谷育ちなのですが、昔は渋谷はお母さんとお買い物に行く小さい地味な街だったそうです。

銀座に行くときはお父さんも弟たちもいて、お母さんは和服で、デパートの一番上で食事をするのが楽しみだったけど、渋谷はそういう華やかなイメージは皆無だったそうです。

1967年の渋谷の風景がYouTubeにあがってるのですが、確かにそんな感じです。

ちなみに妻は「パルコが出来てから渋谷のイメージは変わった。スペイン坂の辺りとかもう少し風俗街っぽい雰囲気だった」と常に言ってまして、検索しましたら、パルコが出来たのは1973年のようです。

ちなみに1973年にはNHKも渋谷の今の場所に移転してきたようです。

よく言われることですが、1960年代に若者が集まるのは新宿だったんですよね。フォークやジャズやアングラ文化がある街でした。

そういう60年代が終わって、若者の興味が「消費」へと向かい始めた頃、ちょうど渋谷のパルコ文化が出てきて、みんながわーっとそちらに流れたのでしょう。

それから渋谷は何度も表情を変化させました。

チーマーやギャル、渋谷系や宇田川町のレコード屋やカフェブーム、サッカーのワールドカップのハイタッチ。今はハロウィンの仮装をする場所でもあります。

               ※

たぶん、これを読んでくれているほとんどの大人が「ちょっと渋谷は苦手」と感じているのではないでしょうか。

原因は歩きづらさだと僕は思います。

銀座や新宿と比べて、道が狭いしクネクネしてるし坂道だらけだし、観光旅行者にとっては道がわかりにくくてついつい立ち止まってしまうし、どうしても人の流れがぶつかるようになっているんです。

みんなあまり話題にしないけど、渋谷の「ゴチャゴチャした感じ」は、かなり「地形や道」が関係していると思います。

僕は20年間渋谷に毎日通っているのですが、いまだに何も見ないで地下や駅も含めた渋谷の完璧な地図は書けない自信があります。本当にあの道の先にあの道が重なっているっていうのが未だにちゃんとわからないんです。

そして、渋谷がやっぱり「若者が集まる街」としていつまでも成立しているのは、ゴチャゴチャしたアジア的な「角を曲がったところに突然現れる面白いものがある」という雰囲気があるからだと思います。

IT系の企業が渋谷によく会社を構えますよね。このnoteの会社も渋谷にありますし。あれって、いつも「正しいなあ」と思います。銀座や神楽坂ではなく、リアルな若い人たちが何に興味を持っているんだろうって毎日、肌で感じることが出来るからだと思います。

やっぱり渋谷を歩いていると、1日に必ず1回は「あれ? 今、こんなことが世の中にはあるんだ」ってことに出会います。

それは若い女性のファッションのこともあるし、外国人観光旅行者の行動のこともあるし、通りでPVを撮影しているミュージシャンでもあったりと本当に様々です。

渋谷、良い街ですよ。「林さん、どうも渋谷って行かないんですよねえ」なんて言わずに、是非、お待ちしております。

#エッセイ

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