自分がお客だったら利用するかどうかを考える
たまに「こういうお店をやりたいんですけど、どう思いますか?」というような相談を受けることがあります。
例えば「昔ながらの洋食ってあるじゃないですか。オムライスとかロールキャベツとかハヤシライスとか。ああいう食事って嫌いな人いないんですよね。レシピさえちゃんとしてたらバイトでも作れるし、サービスの女の子の制服が可愛いと話題になったりしそうだし、そういうお店ってどう思いますか?」という相談。
あるいは「北海道の田舎のほうなんですけど、古民家が格安で借りられることになったんですよ。林さん、『物件は家賃だ』って言ってたじゃないですか。だから普通にカフェとかやってもいけるかなあって思って。どう思いますか?」という相談。
これは僕はどちらも「うーん、どうでしょうか。ちょっとうまくいかない感じがしますけどねえ」って言ってしまいます。
そして相談してきた人に「あなたは一生のうちにそのお店に何回行きそうですか?」と質問すると思います。
そしたらたぶん、その相談してきた人も「そんなには行かないかも」って答えると思うんです。
ちなみに僕は昔ながらの洋食屋さんも、北海道の田舎の古民家カフェもたぶん一生、行かないんです。
自分の生活の中でまず洋食を食べに行くというシーンが想像つかないし、古民家カフェは嫌いじゃないけど、たぶん北海道の田舎の方に行く機会がないんですね(北海道の田舎の方、ごめんなさい)。
で、お店をやりたいっていう方は「そのお店に自分だったらどのくらい通うか」っていうのを考えた方が良いと思うんです。
ちなみにbar bossaは僕だったら1年に1回くらいは利用しそうなんです。
というのは、渋谷って何かと人と会わなきゃいけなかったり、ライブとか映画とかレコード屋とか文化関係があるので、来なきゃいけない街なんですね。
で、渋谷の中心部は結構ごちゃごちゃしてるから、静かなところで心地よい音楽がかかってるお店って確保しておきたいんです。
それで僕はbar bossaは「たまに使う」んです。で、僕くらいの人が何千人かいれば、このくらいの小さいお店って回るんです。
そんな感じで僕は何かを始めるときは「自分が本当にそこのお客さんになるか」ということを考えることにしています。
それは本とかCDとかも同じで、「自分が買うか?」っていうのをいつも基準にします。
自分の話で宣伝みたいで申し訳ないのですが、自著の「バーのマスターはなぜネクタイをしているのか?」 http://goo.gl/rz791t という本は、たぶん僕は買うんです。というのは僕は飲食店をやっているので、とにかく読みたくなっちゃうと思うんです。
で、僕が買うなら、そういう人って他にもそこそこは存在するんじゃないかなって思うわけです。
※
お店を始めたい方、何か新しいモノを作りたい方、「自分はどのくらい通うかな、自分は本当に買うかな」という基準で考えてみるのはいかがでしょうか。
僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA
この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今日は「このnoteの会社の向かいにあるあのお店」です。「つり」みたいですいません…
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