知らない人に話しかけること

前にも書いたのですが、妻のお母さんってちょっと芸術家肌の人なんです。見た目は70代後半の普通の専業主婦なのですが、ちょこちょこっと描く絵がすごいクオリティだったり、なんでもない会話に「詩」のような言葉をはさんだりするんです。

で、そのお義母さん、町中とか電車の中とかでその辺の全然知らない人に、よく普通に話しかけるんです。

最初の頃は「知り合いだったのかな」とか思ってたのですが、そうではないとわかってからは、「心が開いている人なんだなあ」と感心しています。

ちなみに「ある一定の年齢以上の人は話しかけるよ」という説もありますが、僕の母に関しては絶対に町中で知らない人に理由もなく話しかけたりはしません。別に「冷たい」というわけではなく、向こうから話しかけてきたら普通に話し返したりはするんです。でも、僕の母親が意味なく知らない人に「桜が綺麗ですね」なんて決して話しかけたりはしません。

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ところでこの「知らない人に話しかける」という習慣って伝染するような気がします。

「そういうのが普通だな」って気持ちになってしまうと言いますか。

というのは最近、妻が知らない人に普通に話しかけるんです。ヨガスタジオのような閉じた場所ではもちろんみんなに話しかけてるし、エレベーターの中で小さい子供がいたら「そのおもちゃ、かっこいいねえ」とか話しかけるんです。

うわー、このままだと妻ももう少ししたら町中で普通にその辺の人に「雪、積もらなかったですね」とか話しかけちゃうのかなあと心配になりはじめています。

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そしてそういう感覚って本当に伝染してしまうなあと思ったのはついに先日、僕が知らない人に話しかけちゃったんです。

セブンイレブンで買い物をしてたら、80歳くらいのすごく品の良い女性が、コピー機の前であきらかに使い方がわからなくて困ってるのを見つけてしまいました。

まあセブンイレブンの店員が気づくだろうなあと思ってみてたのですが、どういうわけだかみんな「あえて気づいていないふり」のような態度なんです。「向こうから言ってきたら教えようかな」「なんか面倒くさそうだな」って感じなんです。

で、なんかそのセブンイレブンの店員の態度を見て、「俺が立ち上がらないでどうする!」とか急に思って、その80歳くらいの方に後ろから「あの、お困りですか?」って話しかけちゃいました。

ちなみに彼女がコピーしたかったのは、昔、友達と行った旅行の写真でした。その写真にはその彼女本人も含め、全員がシスターの服装で、みんながカメラに向かって優しい笑顔を見せて、その旅行を心から楽しんでいるとても素敵な1枚でした。

#コラム

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松井博さんがこんなツイートをしてくれました。ありがとうございます!

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「最近、ベストセラー小説を読んでみよう週間でして」です。

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