最近、日本人が、けんか腰じゃなく、冷静に反対意見を言えるようになってきた気がする

これ聞いた話なので本当かどうかわからないのですが、フランス人って例えば「カラスは黒いっていう派」と「カラスは白いっていう派」に分かれて、どっちが正しいか討論するらしいんですね。

まあ本当にどっちが正しいとか間違っているかっていうのは関係ないらしいんです(だってカラスは黒いですよね)。どれだけ言葉を使って討論できるかっていうのが目的らしいんですね。

これ、他のヨーロッパ人もそうなのかもしれないのですが、僕の周りにはたまたまフランス人が多くて、フランス人限定で話を進めるのですが、ほんと、こういう会話を彼らは僕に対してもするんですね。

で、僕は日本人なのでどうしても「和をもって尊しとなす精神」があって、あんまり「対立」はしたくないのですが、彼らはその意見の対立みたいなのをもう無意識的に挑んでくるんです。

で、仕方なく言い返すと、これがフランスの人たちって喜んでくれるんです。

これをフランス人と長く接している人に言うと、「ああ、それは林くんが言い返してくれたら、『こいつは話が出来る』って思って、仲良くなりたいなあ、嬉しいなあって思ってるんだよ」とのことなんです。

そして彼らの言い分としては「日本人って話が対立するとすぐに喧嘩みたいになってしまう。意見が違うことって別に悪い事じゃない」なのだそうなんですね。

なるほどですよね。

先に言っておきますと、僕は「何でも欧米の方が正しい」という意見には真っ向から反対でして。

「アメリカではね」とか「フランスではね」とやたら言う人が「出羽の守」と呼ばれるように、まあそういう感覚ってすごくイヤなんですね。

でも「意見が対立すること」を別にネガティブにはとるべきではないというのは「正しいなあ」と思ってまして。

人には、色んな価値観や人生観、生まれも育ちもそれぞれ色々とあるわけだから、そう考え方が全く同じになるわけないですよね。

でも、日本人としてはとにかく「場」とか「空気」が大事だから、「ちょっと違うなあ」と思っていても、雰囲気で「そうだよね」って感じで話をあわせちゃいます。

で、その会合からの帰り道に「なんかあの人たち、違うよね。俺、もうあの会合には参加しない」とか言って、少しづつ離れていったりするわけです。

「そう感じてたんならその場で言えよ」とも思いますよね。でも、日本人の多くが「その場の空気」を重んじて、一番声が大きい人にあわせて「なるほどなるほど」とか言って、その場はあわせます。

そして話をあわせたくせして、「ちょっと違うよね」って後で思ったりして、少し離れたりするわけです。

 ※

でも、最近よく感じるのは、日本人もその場で「いや、それは違うんじゃないかな」って別に喧嘩言葉になるわけでもなく、普通に言えるような人が増えたし、そういう空気も増えたような気がするんです。

「あなたの意見は尊重しますよ。でも僕はちょっとだけ違うかなあ」みたいな婉曲な言い方ではありますが、やっぱりみんな対立意見を言う気がするんです。

そして、日本人独特の「まあまあ、そんな言い争いは誰も得しないから、ここは○○さんの顔を立てて、ほらまあ〇〇さんの意見で行きましょうよ」みたいなあの「ああどんどん流されていく~」って感じの会話が少なくなってきたような気がします。

そしてそれってやっぱり「良いこと」なんじゃないかなって思います。

決して欧米化とかそういうのではなく、「空気で押しつぶす」というのに対する抵抗が出来るようになった、スマートにそれを切り抜けるようになった、そんな印象があります。

全く持って「街の印象」だけなのですが、そんな気がしたので2017年の初夏に書き記しておきます。

#コラム

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この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています(大したこと書いてません)。今日は「完全に夏風邪突入」です。

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