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音楽史上トップクラスの美しい曲を書く、少し不器用なヘンリー・マンシーニ

※日曜日は読む人が激減するので音楽のことを。

ヘンリー・マンシーニってご存じですか?

ムーン・リヴァーとか

ひまわりとかを作曲した人です。

まあとにかく美しい曲を書くんです。世界の音楽史で、美しいメロディを書く作曲家トップ10に入るのは間違いないと思います。一時、この人にはまってしまって、マンシーニのレコードを一生懸命、集めたことがあったんですね。

そしたらですね、たまに「駄作」があるんです。マンシーニ・ファンの方が読んでいたらイヤな気持ちになると思うので、具体的に「これ」とは書かないのですが、「ちょっと冒険したとき、新しいスタイルにトライしたとき」に、どうも失敗してしまうようなんです。

 ※

僕が好きな作曲家にアントニオ・カルロス・ジョビンと

バート・バカラックという人がいるんですね。

この二人、実は「駄作」がないんです。

これ、理由は、おそらくジョビンもバカラックも、「今流行っている新しいスタイルにあまりトライしなかったから」だと思います。

ジョビンが電子ピアノやエレクトリック・ベースを使いたがらなかったのは有名な話ですし(途中から使い始めます)、バカラックってとにかくずっと同じあのバカラック・スタイルを崩しません。

二人とも、「今、こういうの流行ってるから、ちょっと自分もやってみようかな」っていう音作りをいっさいしないんです。

 ※

でも、マンシーニはするんです。結構、流行っている音楽スタイルを自分なりに消化してやっちゃうんです。

その消化の仕方がうまくいったときは、すごくはまるんですね。

でも、はまらないときは、駄作になっちゃうんです。

そしてここからはいつものように、僕の勝手な想像なのですが、マンシーニ本人は、「ああ、この試み、うまくいかなかったなあ。もっと客観的に自己プロデュースっていうのを考えていかないとな」とかって感じてなかったと思います。

というのは、本人の残された映像をみる限り、そんなに器用そうな人に見えないんです。

真面目に音楽が好きで、あまり計算をしないで、「こんなサウンド作ろうかなあ」とか「これ、最近面白いなあ」って感じで、好奇心いっぱいで音楽を作っていたんじゃないかなって想像します。

たぶん、すごくロマンティストで、ちょっと不器用で、でも、生きている間にいろんなことを試してみたい、っていう風に考える人だったんだろうなって思います。

そういう人って、たまに駄作もあるのですが、いい作品を作るともうほんと世界一っていうくらい美しい作品をこの世界に生み出すんです。

そういう人、いますよね。200点くらいのすごくいい仕事をするのに、たまに冒険して20点くらいの仕事をする人。80~90点くらいでまとめられないんです。 不器用なんですよねえ。

でも、「駄作のある人生」って悪くないですよね。

そんなマンシーニの不器用さが好きで、こんな話を以前、書きました。

#コラム #音楽

僕が選曲したCD、出てます。マンシーニ本人の音源がユニヴァーサルにはなくて、クインシー・ジョーンズ・ヴァージョンを収録しました。[Happiness Played In The Bar -バーで聴く幸せ- compiled by bar bossa] https://goo.gl/UYh4A5

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。 

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