「結婚相手として、後押ししてくれる女性と、ライバルとして刺激しあえる女性とどちらが?」の質問に答えました。

※水曜日は質問に答えています。

【質問】

結婚を前提としてお付き合いするとして、

僕の仕事をすごく理解してくれていて、

僕のことを好きになってくれて、僕の仕事なんかを後押ししてくれるであろう人と、

お互い好意を持ちつつ、お互いの仕事ややりたいことを刺激しながら

時にはライバルになったりもして、そして並んで歩いていけるかもしれない人、

林さんはどっちがいいと思いますか。

林さんと奥さんはどういう関係だと思っていますか?

【答え】

まず前者のパターンですが、例えば優秀な男性アーティストがいて、その人はマネージメント関係や自分をどうやって見せるかっていうのがどうも苦手なんだけど、それを全部奥様が引き受けて、「あなたは作品だけ作っていれば良いから。他のことは全部私にまかせて」っていうのがありますよね。

それで成功しているアーティスト、たくさんいますよね。いろんな具体的な名前を思いつくのではないでしょうか。

後者のパターンですが、これもよく耳にしますよね。お互いが刺激しあって、どちらも有名であれば、しょっちゅう雑誌なんかで「有名なアーティスト夫婦」って感じで取り上げられます。

ちなみにこの後者のパターンも僕はすごくたくさん知っているのですが、「二人とも違うジャンル」の方が良いようです。

例えば、二人とも作家だったとします。そういうパターンの場合、例えば奥様の方が売れてしまうと、どうもギクシャクするようです(もちろんそうではないパターンもあると思います)。

あと、貴方の質問にはなかったのですが、「奥様の方が仕事で活躍して、旦那様の方は後ろで支える」というパターンもありますよね。

最近やってた朝ドラ「あさが来た」は奥様が事業を拡大して、旦那様はそれを後ろから見ながら時々手助けをするという素敵なパターンでしたね。

このパターンも僕は結構知っているのですが、これは本当に男性側に「何かゆったりとした大きな自信やバックボーン」のようなものがないと、結構、破綻してしまうようです。

               ※

さて、「林さんと奥さんはどういう関係?」です。

ええと、僕が言うのもなにですが、妻は事務的な作業もすごく優秀にこなせるし、美術方面や飲食方面でもセンスはすごくあると思います。

で、一度、ある雑誌から、うちの妻のことを取材して大きく取り上げたいという依頼があったんですね。でも、妻はそういうのって全く興味がなくて「え、イヤ」みたいな感じで断ったんです。

あと、妻はワインの資格を持っていまして、「妻を囲むワイン・サロン会」みたいなことを某社から依頼が来たんですね。それも「え、そういうのイヤ」って言って断ってました。

また、一度、妻があるイベントでコーディネイトみたいなお手伝いをしたら、すごく評判が良くて、「もっとやろうよ」みたいな話をしたら、「そういうの面倒くさい」みたいなことになりました。

うちの妻はそういう自分が前に出るのって一切興味ないみたいなんです。

さて、妻が僕の仕事を理解して支えてくれているかですね。

まず、僕のバーの仕事は「本当にあなたは飲食業に向いてないねえ」と常々言ってます。具体的にはちょっと言えないのですが、僕もそう思います。

あと、僕が書く仕事については、正直、そんなに評価はしていません。

妻は池澤夏樹とか片岡義男とかの文章が好きなんですね。僕、すごく違いますよね。

だから例えば、以前僕がカーサブルータスに書いた「ボサノヴァ記事」なんかは、僕が意識的にそういう端正な文体で書いているので、「良いじゃない」って評価してくれます。

でも僕が普段書いているコラムなんかはたぶん本気で「つまんないなあ」と思っているはずです。

たぶん、僕がすごく良い小説を書くのを待ってくれていると思います。

うーん、でも支えてくれているなあとは思います。そうですね。支えてもらってますね。

                ※

さて、「その二人のどちらが良いか?」ですよね。 

まず、貴方の質問の冒頭の「結婚を前提としてお付き合いするとして」という箇所が一番のポイントだと思います。

「一緒にいて楽な女性の方」を選ぶべきだと思います。

相手の女性と何時間も会っていますよね。その瞬間やその後で「疲れた」とか「疲れる」とか思う相手とはやめておいた方が良いと思います。

実は「ご夫婦でお互いの仕事を刺激しあって」みたいな関係の人で、「すごく疲れてしまって」、別れたり、浮気をしたりする場合ってよく見かけます。

あるいは「奥様が全部面倒を見てくれるマネージャー的存在」の場合でも、「もううちの奥さんの束縛がイヤ」と言って、別れたり、浮気をしたりする場合もよく見かけます。

ですので「相性が良い方」って言ってしまえば、それまでなのですが、やっぱり「恋愛」ではなくて「結婚」ですので、「結婚は何十年も一緒に毎日顔をあわせて生活する」ので「ああ、この人といると安心して自然体になれるなあ」って人の方を選ぶのが良いかと思います。

こんなお答えで良かったでしょうか。

※質問、募集しております。このシリーズ、書籍化のお話をいただいています。「人生相談的な本」にしたいとのことなので「人生相談的な質問」だと助かります。makijobim★yahoo.co.jp(★を@に変えてください)にメール下さい。

※以前、お店で「子供さえできれば結婚する必要ないのでは?」という質問をくれた方、ちょっと考えてみたのですが、もう少し「具体的な質問」にしていただけると考えるのに助かります。メールをいただけますでしょうか。

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

#コラム

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