ハナイグチさんに行って考えた21世紀の日本人のための新しい食堂スタイルのこと

僕がバーテン修行したお店のボスの中村悌二さんがよく「やっぱり和食屋が強い」ってよく言ってたんですね。

確かに「世界中の料理が楽しめる東京」とかって言っても、結局は僕たちはついつい和食のお店に行ってしまいますよね。

例えば「一度、ブラジル料理って食べてみたいなあ」って思ってブラジルレストランに行って、すごく美味しいと感じても、そう5回も6回もはリピートしません。

でも、和食屋の場合は違うんです。「ここ美味しいなあ」って思ったら、毎月1回はあの店って感じで、何度も何度も通ってしまうんです。

僕の友人が「和食のコースのみ飲んで食べて1万円、カウンター10席のみ、毎日メニューが変わる」というお店をやっていたのですが、「毎日必ず来る」というお客さまがいたそうなんです。

もう「夕食はそのお店」って決めているんです。毎日、献立は変わるし、たぶんすぐ近所なんですよね。

これが「イタリアン」とか、あるいは「メキシコ料理」ならそんな日本人のお客さまはまずいないと思います。

やっぱり和食って強いんです。

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ところで最近、「結局はコーヒーを毎日カフェで飲む人口やお酒だけを毎日バーで飲む人口って少ないんだなあ。本当はお昼にランチをやって夜もお食事が出来る、いわゆる『食堂』っていうのが一番生き残るし強いんだなあ」ってことに気がつきまして、そういうお店ばかりチェックしているんですね。

例えばどんな街にでもある、昼は「焼き魚定食」や「アジフライ定食」があって、夜は普通の和食の居酒屋か食堂になるっていうパターンのお店ってありますよね。

別にこれといって珍しい食材を使っているわけでなく、ちゃんとした料理をちゃんと出すだけのお店。そういう「食堂」ってまず潰れないんです。

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そういうお店の「現代版」があれば良いのになあ、ってずっと思っていたら、ありました。

久我山のハナイグチです。 https://www.facebook.com/hanaiguchi3

ここ、人参のラペ、キッシュ、スズキのカルパッチョ、マグロのカツレツ、ホタルイカとマッシュルームのアヒージョ、白和え、ウドと赤蕪のキンピラ、ポテトサラダ、チキンカレー、ストロガノフといったメニューなのですが、「フランス」とか「スペイン」とか「イタリア」とか「インド」とか「ロシア」のことは考えていなくて、もうほぼ「ハナイグチ風の和食」として提供しているんです。

例えば、僕たち21世紀に生きる日本人にとって「西京焼き」とか「昆布ジメ」とかよりも、「ポテトサラダ」や「カレー」の方が「日常的な料理」ですよね。

そういう現代日本人にとっての「新しい今の和食の食堂、あるいは酒場」をハナイグチには感じるんです。

スタッフの方たちも、「僕たち現代日本人がよく日常的に好んで食べている料理」を本当に丁寧に、どのお店よりも出来る限り美味しく、そしてお財布に優しい金額設定で食べてもらおうと思っているというのが、すごく伝わるんです。

カフェブームがあって、バルブームがあって、これから飲食店の流れってどういう風に展開していくのかなあってずっと考えていたのですが、こういうハナイグチさんのような、小さい私鉄の駅に、ご夫婦で経営する「現代日本人のための新しい和食の食堂」というが、「今らしい飲食店」だなあと感じました。

ちなみにワインのセレクトもすごくセンスが良いです。安くて面白くて「おお!」っていうのがたくさんあります。

音楽は小さい音でカルロス・アギーレがかかっていました。もしかして「クワイエット関連のCD」かもしれません。富士見ヶ丘のヨシダベーカリーでもbar buenos airesのCDがかかってたから、「良い飲食店にはクワイエットあり」なのかもです。

焼き物も売ってました。すごく気に入ったカップがあったので買いました。

こういうお店がいろんな街にあれば良いのにと感じました。是非。

#コラム

僕のcakesの連載をまとめた恋愛本でてます。「ワイングラスのむこう側」http://goo.gl/P2k1VA

この記事は投げ銭制です。この後、オマケで僕のちょっとした個人的なことをすごく短く書いています。今回は「ずっと気になっていた焼魚食堂行ってきました」です。

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ハナイグチさんに行って考えた21世紀の日本人のための新しい食堂スタイルのこと

林伸次

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林伸次