「幸せそうに見える人って?」という質問に答えました。

※水曜日は質問に答えています。

【質問】

幸せそうに見える人ってどんな人ですか?(これもカウンターでいただいた質問です)

【答え】

すごく難しい質問ですね。

まず「幸せそうに見える→本当は幸せじゃないかもしれない」という疑問が出てきますが、その話をしだすとすごくこんがらがってくるので、ここではそのことについては考えません。「幸せそうに見える人→幸せな人」ということで考えてみます。

               ※

「幸せって何だろう?」って最近よく話題になりますよね。

よく言われるのは「マイルドヤンキー」と呼ばれる人たちはすごく幸せを感じているんですよね。

生まれたところでずっと育って、大人になっても同じ町に住んで同じ友達とつるんで、日曜日には国道沿いのショッピングモールに家族で行くというイメージでしょうか。

都会で満員電車にゆられて、神経をすりへらすような仕事をして、海外旅行や高級マンションといった豊かな暮らしだけど、人間関係はすさんでいるというのを「実はあんまり幸せじゃない」というのもよく言われます。

じゃあ、どうして僕はこんな大都市で生活をしているのか?

僕はたまに「もうこういう東京の生活なんてやめて、波の音が聞こえるところでゆっくり暮らそうか」と妻に提案することがあります。

すると妻が必ず「あなたはレコード屋と本屋がないところでは暮らせないでしょ」と言います。確かにそうです。

そしてすごく良いライブ演奏や落語、美術展なんかを見た帰りにちょっと良い飲食店に立ち寄ったりすると、妻は必ず「やっぱり東京は電車に乗って30分でこういう体験が出来るから良いなあ」と言います。

そういう「いろんな好奇心を満足させてくれること」が妻にとっては幸せなようです。

そういう意味では「良いライブ演奏を見たり聞いたり、もちろん演奏したりしている人」は幸せそうに見えますね。

               ※

先日、武田砂鉄さんのドゥマゴ文学賞のお祝いパーティをbar bossaでやりました。

本当はbar bossaは貸し切りはしていないのですが、武田砂鉄さんはcakesのレーベルメイトだし、賞をもらった本の担当編集者が学生時代からbar bossaに通ってくれている綾女くんだったからです。

お祝いのパーティって良いものですね。受賞した武田さんや綾女くん、そして関係者一同がみんな幸せそうでした。

そういう意味では結婚式も幸せそうですし、赤ちゃんが産まれましたっていうお知らせや、赤ちゃんを抱っこしているのも幸せそうです。

そして、デートをしているのも幸せそうに見えますし、夜道でキスしたり抱きしめたりしているのも幸せそうに見えますね。

何かを達成したり、わかりあえたりしている状態って幸せそうに見えますね。

あと僕は飲食業をしているからか、誰かが美味しそうに食べたり飲んだりしているのを見ると「幸せそうだなあ」と思います。

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今、思いつくままに「幸せそうに見える人」を書いてみましたが、共通するのは「生きている喜びを感じとっている人」が幸せそうに見えるのではないでしょうか。

「こんなに好きな人に出会えて、抱きしめてキスできるなんて、生まれてきて良かった」

「こんなに良い音楽があるなんて、本当に心地よいなあ」

「この食べ物、本当に美味しいなあ。またいつか、今度はあの人ともう一度食べたいなあ」

「こんなに素敵な風景があるんだ。世界は美しいなあ」

こういうこと全ては「生きている喜び」のような気がします。

「幸せそうに見える人」は「生きている喜びを実感している人」ということでどうでしょうか。

※質問、お待ちしております。メールでinfo★barbossa.com(★を@に変えてください)に送ってください。

#コラム

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