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連作短編の良さを楽しむ

最近はTV番組にも出演している直木賞作家道尾秀介氏の最新作を読みました。

騙されては、いけない。けれど絶対、あなたも騙される。ラストページの後に再読すると物語に隠された〝本当の真相〟が浮かび上がる超絶技巧。 「ここ分かった!?」と読み終えたら感想戦したくなること必至の、体験型ミステリー小説。(Amazon内容紹介より)

第1章「弓投げの崖を見てはいけない」 自殺の名所付近のトンネルで起きた交通事故が、殺人の連鎖を招く。第2章その話を聞かせてはいけない」 友達のいない少年が目撃した殺人現場は本物か? 偽物か? 第3章「絵の謎に気づいてはいけない」 宗教団体の幹部女性が死体で発見された。先輩刑事は後輩を導き捜査を進めるが。そして終章「街の平和を信じてはいけない」これまでの物語すべてがが絡み合い、さらなる〝真実〟に辿り着く大仕掛けが待ち受ける。

架空の街蝦蟇倉市で起こった、事件3編+エピローグの4章仕立てで構成された連作短編集です。

各章の最後のページに掲載された絵(写真やテレビの画像だったりもします)を見ると、アッと驚き、絶対に読み返してしまいます。

各章独立した短編として読んでも面白いのですが、各章を強引に結び付けるのではなく、絡み合うようにして書き下ろされた最終章の流れは見事で、連作短編小説の面白さがうまく描かれていると感じました。

Amazonでのレビューでも書かれているとおり、著者の「向日葵の咲かない夏」や「ノエル」に回帰した感のある作品ですね。

どんでん返しをあまり期待すると、作品を楽しめなくなると思うので、是非素直に作品を読んでいただく方がいいと思いました。

今日も読んでいただき、ありがとうございます。

数日痛んだ肩、腕もなんとか峠を超えたようです。季節の変わり目ですので、皆さまもどうかお気をつけくださいね。


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