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大事なのは覚悟だ

2019年7月に発表された東野圭吾氏の作品を読みました。

「死んだ人のことなんか知らない。 あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」 ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。 どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。 閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。 捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。 災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。 容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。(Amazon内容紹介より)


加賀恭一郎シリーズが一区切りついたところで、今後は彼の従弟である松宮修平刑事が活躍するようです。

「大事なのは、自分の判断に責任を持つ覚悟があるかどうかだ。」p286

自然災害による我が子の死という夫婦の希望の喪失、不妊治療による体外受精の失敗と成功、医療ミスとふたつの不運が重なった2つの家族の喜びと悲しみの逆転、LGBTを含む夫婦の葛藤解決の難しさ、家族破壊不安が招く殺人と、親子と夫婦の問題の困難さを描いているところ、さすが東野氏らしい作品です。

赤ちゃんにとってお母さんとの対面は人生における最初の巡り会いだp312

加賀恭一郎シリーズもそうでしたが、今回も家族が大きなテーマであり、題名「希望の糸」にも込められています。

「たとえ会えなくても、自分にとって大切な人間と見えない糸で繋がっていると思えたら、それだけで幸せだって。その糸がどんなに長くても希望を持てるって。だから死ぬまで、その糸は離さない」p330

事件と並行して明かされる松宮刑事の実父の真実も、親の子に対する愛情が溢れていて、それだけでも物語として成り立つほどです。

今日も読んでいただき、ありがとうございます。

人気の高い東野圭吾作品を割と早く図書館から借りて読むことができました。

さて次回は誰が活躍するでしょうか?楽しみです。

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