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中国発世界に広がるSF小説第一部

劉 慈欣氏の中国でベストセラーのSF小説を読み終えました。

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?(「BOOK」データベースより)


本書に始まる“三体”三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録し、翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作だそうです。

アメリカで知れ渡るようになったのは、ご存知のように元アメリカ大統領のオバマ氏が愛読しているというインタビュー、Facebook創業者のマーク・ザッカーバーグをはじめとする全世界の知識人が愛読という前評判に心躍らせながら読み進めました。

翻訳、特に小説は人名を覚えるのに時間がかかりますが、相関図が頭に入るとあっという間に読むことができます。

天体力学問題『三体問題』を借りた形での設定で「もし三重太陽を持つ惑星に文明が生まれたら?」という異星文明との接触を、壮大なスケールで描くSF三部作の第一部は、読み終えると続きが気になって仕方ない作品です。

訳者の一人である、大森望氏が書かれたあとがきでも、まさにこの作品を日本に紹介できたことに興奮しているのが伝わってきて面白いです。

第二部は2020年に刊行が決まっているとのこと。この物語の魅力を語るのは、三部作全体を読んでからでも遅くないだろうと思います。

日本語訳の出版を記念し、出版社ハヤカワが著者を招き訳者大森望氏との講演会を予定しています。

興味のある方は、応募されるといいでしょう。


今日も読んでいただき、ありがとうございました。有意義な1日をお過ごしください。


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