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4 オービスが光った話 後編

前回までのあらすじ
仕事で広島へ向かう途中に見た光がオービスだと分かった私は、警察の言われるがままに誘導させられ、車を降りた。

違反者を拷問してそうな施設内で車を停めるように言われ、私は車を降りた。警察(以下K)がアルマゲドンの如く複数名自分の車に近づいてきて話しかけてきた。

K「スピードでてたねー。オービス光ったの分かった?」
私「いやー……すみません分からなかったです。」
この期に及んで、まだ助かろうとしている言い訳選手権堂々の1位【知らなかったフリ】を全力でカマしたがもちろんそのまま連行された。
山陽道は制限速度80キロ区間と100キロ区間が入り混じっている。会社の看板を背負った社用車に乗った私は80キロ区間で120キロを記録していた。

すると取調室みたいなところで違反した瞬間の話や、どこに向かっていたか細かく聞かれる。これがマジの取調室みたいなところで、カツ丼がでてくるんじゃないかと期待したが出てこなかった。
商談に遅刻してしまう…早く終わってくれ!と心の中で乾いた叫びを繰り返しながら話は15分ほどで終了。
K「じゃあこれで確認は終わりねー」
私「ありがとうございました。いま自分はどうすれば良いですか?」
K「普通の青キップと違って、40キロオーバーで赤キップなんだわー。6点で免許停止になるからねー。」
私「わかりましたー。」
K「また別で通知が来るけど10万以下の罰金もあるのでー。」
私「はい…」

ここで、ようやく自分の犯した罪の重さが追いついてくる。え?こんなに罰、重かったっけ?こういうやつが1番スピード違反するのだ。オービス童貞の真価が発揮された。その刹那、自分が本当に教習所を卒業したのか疑った。
え?一発免停?心の中で自分に何度も同じ質問した。
K「通知が来るまでは停止じゃないから運転していいからねー。今後の動きは通知の指示に従ってください」
そんなことはどうでも良い。
オービス童貞の私は3~4点引かれて2万円ほど国に金を納めるだけだと勘違いしていた。あろうことか、警察官は40キロオーバーで6点(一発免停)+10万以下の罰金オプション付きのスペシャルプランを提示してきたのだ。
一瞬、広島の商談とかどうでも良いとさえ思った。
なんで車ってスピードメーター180キロまであるの?とか思いながら放心状態のまま私は広島まで向かった。

ちなみに、取り調べ中、警察官は赤い光見えなかった?と何回も聞いてきたが、記憶ではオレンジだった。一瞬気のせいだと思うくらい小さいオレンジの光だった。私も前までは赤い閃光がビコッと放たれると思っていた。しかし実際のオービスは違った。考えてもみると、本当は赤く光っていたけど「オービスじゃない」と脳が最後の抵抗をしてくれたのではないだろうか。そんなことするくらいなら呑気に120キロもだしているイカれた思考回路をすぐに抹消してほしいものである。



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