「『他愛ない』から好きなんだ」【アニメと漫画と暮らしの日記】

12月24日:日曜日

 開店直後のガストに行き、豚汁の朝定食を食い、9時頃までウダウダして、アパートに戻った。テレビをつけて、BSグリーンチャンネルにチャンネルを合わせて、机に競馬エイトを広げて、馬券を買いながら無料放送のレース中継を観る。中山2Rだけ的中して午前を終え、地場資本の某スーパーマーケットに行き、巻寿司と焼肉用の豚肉を買い、アパートに帰ってフライパンで豚肉を焼き、そこに焼肉のタレをぶっかけ、巻寿司とともに食す。ベッドに仰向けになり、スマートフォンでアニメソングを聴きまくる。音楽とツイッターの黄金コンボで昼のひと時を過ごし、新馬戦の時間帯が終わる頃に起き上がり、今度はBSイレブンの中継を流しながら馬券購入を再開する。しかし1レースたりとも当たらず、失意の内にベッドに舞い戻り天井を見る。またスマートフォンのアプリを開き、洋楽のプレイリストを聴き始める。ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』の楽曲とスティーリー・ダンの楽曲が交互に流れてくる。それ以外の曲は流れてこない。
 機は熟して有馬記念の発走直前となり、ここぞとばかりに賑わうツイッターのタイムラインを横目に、競馬エイトに有馬記念の自分の予想印を書き込む。単勝、アイアンバローズ。ワイド、スルーセブンシーズとスターズオンアースの8枠2騎。スタート直後にタイトルホルダーがすごい勢いでハナを切る。アイアンバローズはガシガシと押すけれどもなんと好位すら取れない。この時点でアイアンバローズの単勝は終わる。スターズオンアースが鬼門の16番枠から2番手を奪取し、『うわあー、ルメールマジックだ』と思いながら馬群を追っていると、ワイドの片割れのスルーセブンシーズが好位の外につけていて、期待が高まる。直線の入り口で大逃げタイトルホルダーの差が詰まり、スターズオンアースが並びかけていくものの、スルーセブンシーズがどこにも「いない」。スターズオンアースとの壮絶な競り合いを武豊のドウデュースが制する。
 ドラマだった。しかし、スルーセブンシーズは「いなかった」。
 数百円の損失で済んだので痛みはあまりなかったが、好物のミートソースパスタに縋(すが)りたくてイオンに行き、スパゲッティ600グラムと2種のミートソースを購入する。帰って、キッチンでスパゲッティを4等分して、約150グラムを茹でて、ミートソースをぶっかけて、食う。それからは競輪とかなんとかで時間を浪費し、住之江ボートの「グランプリシリーズ」優勝戦がとんでもない結果になったのを知った時はもう夜の8時を過ぎていた。「グランプリシリーズ」の優勝戦とは打って変わって「グランプリ」の優勝戦は平穏で、平本真之が転覆した以外にこれといった出来事もなく、地元大阪支部の石野貴之が頂点に輝いたのだった。

× × ×

 今年観たアニメの話。
 今年観たテレビアニメから3作品ピックアップしてみる。

・『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』
・『久保さんは僕(モブ)を許さない』
・『政宗くんのリベンジR』

 いずれもラブコメディ作品の範疇に収まる。他愛ないラブコメと言ったらそれまでだ。しかし私はこういった他愛ないかもしれないラブコメが、「いい」のだ。高校生の男女が出会って、いろいろな駆け引きみたいなものがあって、結ばれなかったり、結ばれたりする。負けヒロインもあれば勝ちヒロインもあるわけで、特に『政宗くんのリベンジR』はその勝ち負けが顕著だった。
 秋に旅行する機会があったのだが、行き帰りは高速バスだった。タブレットにダウンロードしておいた『政宗くんのリベンジR』を行き帰りで観た。辛口の人なら、「『政宗くんのリベンジ』なんてよくあるラブコメに過ぎないじゃないか」なんて言うのかもしれない。たしかに、男女が出会って駆け引きがあって勝ち負けがあって結ばれたり結ばれなかったりの、ありふれたラブコメアニメならば、両手両足の指で数え切れないぐらい観てきた。だけど、私はそういった類(たぐい)のラブコメアニメの「ありふれてる感」が好きなんだと思う。「他愛ないじゃないか」と言われたら、「他愛ないからいいんだ」と返す。「よくあるラブコメじゃないか」と言われたら、「よくあるラブコメだからいいんだ」と返す。
 私はこの先もずっと、ありふれたアニメ・他愛ないアニメ・よくあるアニメを愛好するだろう。

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