VPNはVirtual Private Networkの略で、設定したポイント同士のネットワークを仮想の専用線にすることによって他者からの干渉を受けづらくします。

というと一気に分かりづらくなるので、ものすごく噛み砕いた説明をしますね。

専用線って何？

株式会社かじられたリンゴ（仮）のA市支店とB市支店同士だけでデータ通信が出来る専用のネットワーク回線で繋ぐ仕組みを専用線と言います。

※分かりやすいイメージで例えただけで実際にケーブルで直接繋ぐわけではありません。また専用線には他の使い方もあるのであしからず

このA市支店かB市支店で扱っているパソコンのデータを見るためには、どちらかの支店の社内に入ってパソコンを見るしか方法が無いので、外部からアクセスすることが不可能になり、セキュリティが凄く高くなります。

また、一般の人が使っているプロバイダーの回線（ベストエフォート）のようにたくさんの人が同時にどんなデータを送り合っているか分からないような状態で使うわけではないので、通信速度が保たれるのもメリットです。

メリットはたくさんあるのですが、専有して通信回線を使用するので利用コストがすごく高くなってしまいます。

VPNって何？

Virtual Private Networkの略とお伝えした通り、和訳すると仮想専用線という感じでしょうか。

その名前の通り、普段みんなが使っているインターネット回線の中に、めちゃくちゃ頭の良い人が開発した技術を使って専用線に近い状況を作り出した物をVPNと言います。

VPNで出来ることは…

拠点間VPN
専用線と同様に株式会社かじられたリンゴ（仮）のA市支店のLANと、B市支店のLANが同じ1つのLANで繋がれているように拠点同士を接続することが出来たり、

リモートアクセスVPN
1台の端末とVPNサーバを直接接続することも可能です。

具体的には、株式会社かじられたリンゴのクッキー社長が持っているauのiPhone13と、C市支店にあるサーバーを仮想の専用線（VPN）で接続することが可能です。

一般的に言われているスマートフォンやタブレットなどで利用するVPNはリモートアクセスVPNになります。

リモートアクセスVPNのメリット

Q. クッキー社長がiPhoneでVPNを使うメリットって何？

A. iPhoneとVPNサーバーの間のセキュリティが高くなり、インターネット接続の匿名性も上がる！

クッキー社長がiPhone13でVPNを使ってC市支店のVPNサーバーと接続すると、iPhone13とVPNサーバーは専用線で直接繋がっている（ような）状態になって、C市支店のサーバーが出入り口となってインターネットの世界に繋がることになります。

クッキー社長とC市支店のVPNサーバーの関係性は、最初に説明した専用線のような安全性が確保出来るので、東京のスタバでも福岡のマクドナルドでも、無料Wi-Fiが安心して利用出来ることになります。

※とはいえ外出先でクレジット情報を入力するのはやめましょう

ウェブなどの通信では、アクセス元情報がサーバーに送られるのですが、一般的なプロバイダーではアクセス元情報でどこからの接続なのか、○○県△△市などおおよその位置が分かるようになっているところが実は多いのです。

VPNに接続すると、どこに居てもアクセス元はC市のVPNサーバになるので、匿名性が保たれるというメリットがあります。

※匿名性は保たれてもVPNサーバには接続ログが残っているので悪用は出来ません。

VPNを使うべきなのか？

同じLANを利用している端末が発信しているデータを傍受することは、そんなに難しいことではありません。

ということは、同じ場所の公衆無線LANを使っている人同士の端末では、そのLANのセキュリティが甘ければ、知らない人の発信・受信したデータを見ることが出来てしまいます。また、データを収集することを目的として公衆無線LANスポットを装っている所も存在します。

ただし、同じ公衆無線LANを使っていても、VPNを使っているとC市支店と直接仮想の専用線で繋がっている状態なので、同じLAN内にいても傍受することが出来なくなります。

自分が取り扱う情報を守るためにも、仕事で社外のWi-Fiを使う必要がある人はVPNを絶対に使ったほうが良いと思います。最近はトラブルに巻き込まれないよう、社内セキュリティも高まっていると思いますが、社外ではゆるゆるだと何の意味もありません。データが漏れるのは大体こういう油断です。

また、個人利用の場合でも、大した情報送ってるわけではないし大丈夫でしょ！って思っていても、ネットショッピングをしたことある人が多いでしょうし、SNSを含めて、ログインが必要になる何らかの会員制サイトを利用している人も多いと思います。これくらい大丈夫でしょと思っている時にIDやパスワード、クレジット情報を抜かれたりすることもあるので、VPNを使っていると安心です。

公衆無線LANを使う際には十分に気をつけて下さい。