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「老舗企業でO2O施策にトライするときに大切な“ツールの手軽さ”とは?」(株式会社ツツミ)

全国に約160店舗を展開する<ジュエリーツツミ>が立ち上げた新ブランド「TODAY's DIAMONDS TSUTSUMI」。

「本物をもっと気軽に。ジュエリーをもっと身近に。」という想いから、20~30代をターゲットに女子心をくすぐる手に取りやすいジュエリーを展開しています。本記事執筆時点で、代官山店とららぽーと横浜店の2店舗を実店舗として運営されており、ダイヤモンドの成り立ちやK18とK10の違いといった、知っているようで意外に知らないジュエリーについても気軽に学べる店内になっています。

全国的な<ツツミ>のブランド認知と、充実した自社ECサイトがすでに存在しているにもかかわらず、なぜそれらとは一線を引いたブランド運営をおこなっているのか。本ブランドのコンセプト制作から、オンライン/オフラインでのショップ展開まで企画プロデュースを手掛ける、<株式会社ツツミ>新規事業部 マネジャーの岩山さんと、主任の坪井さんにお話をうかがいました。

ブランドの立ち上げについて

——「本物をもっと気軽に。ジュエリーをもっと身近に。」というコンセプトにたどり着いた経緯を教えていただけますか?

岩山さん:新たなブランドを立ち上げるにあたり、「私たちが作っているもの、お客様に提供しているものはなんだろう?」ということをあらためて考えてみました。

いま、市場には安価な素材を使った「アクセサリー」が増えています。ですが、私たちは「ジュエリー」、つまり「ずっと使える普遍的な価値のある貴金属や宝石の提供」を大事にしていると気付いたんです。

——なるほど。そんなジュエリーを若い人たちにも身近に感じ、身につけてほしい、ということでしょうか?

岩山さん:はい、そのとおりです。ですので、とくに実店舗では、既存のジュエリーツツミの店舗でおこなっている接客スタイルとはまったく違った手法をとっています。

まず、実店舗で接客をおこなう販売員は、ターゲットとするお客様に合わせて、20代のスタッフを中心に構成しております。また、ジュエリーの販売店ではおなじみの「制服」がないんです。

——老舗の宝飾品総合企業としてはかなり大胆な改革だったかと思いますが、社内での反発はありませんでしたか?

岩山さん:制服をなくすことは少なからず反発もありましたが、そもそも既存店舗では20~60代の幅広いお客様をターゲットとしているため、抜本的な変化を起こさないと新ブランドの立ち上げがうまくいかないと思っていました。

ですので、若いお客様に制服による圧迫感を与えず、「同世代の友人に寄り添ってもらっているような接客」を実現するという目的を貫きました。

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オンライン販売に至った経緯

——オフラインとオンライン販売を両方おこなうことははじめから決まっていましたか?

岩山さん:そうですね。<ジュエリーツツミ>の商品を販売する自社ECサイトもありますし、ショッパーにはネットショップのURLも記載して「オフライン→オンライン」の送客も視野に入れていたので、オンライン・オフライン同時展開でスタートしようと思っていました。

実際にはオンライン販売のほうが1ヶ月だけ後ろにズレましたが。

——なるほど。<ジュエリーツツミ>のECサイトのほうがサイト自体の認知やPVも大きく、販売が見込めるかと思います。そこで販売しなかった理由はありますか?

坪井さん:新ブランドの立ち上げ、かつオンライン・オフラインのショップ運営は私たちも初めてのことだったので、「手軽にはじめたい」ということが一番優先度が高かったんです。

ただ、おっしゃるとおり<ジュエリーツツミ>のECサイトの姉妹サイトを作るのがいちばんかんたんだろうと思い、事前に見積もりをとりましたが、それがかなり高額で……。さらに、裏側のシステム設計もかなり複雑になってしまうので、売上管理などのオペレーションも考えると別のネットショップ作成サービスを使ったほうが効率的だなと。

岩山さん:「ジュエリーツツミとは完全に別ブランドである」という見せ方をしたかったことも大きいです。

<ジュエリーツツミ>の中の一過性の「特集」「企画」のような見せ方をしたくなかったので、最終的にはネットショップだけでなく、ブランドサイトも、本体のブランドサイトと切り離す形でリリースいたしました。

なぜ販売ツールとして「BASE」をお選びいただいたのか?

——「BASE」はどうやって知ったのでしょうか?

岩山さん:上述の通り、新たなネットショップ作成サービスを使って立ち上げる必要があったので、「オンラインショップ、無料」で検索したときですね。サイトを見たら個人でもできそうだなと思って。


坪井さん:運営主としては「法人」ですが、実際にネットショップを運営するメンバーは私たち二人で、二人ともPCにそこまで明るいわけではないですし、「個人でもできる」という部分にすごく惹かれました。

——ほかのネットショップ作成サービスと比較検討はされましたか?

坪井さん:比較検討はしなかったですね……。

最初にBASEを知って、その後私が試しにアカウント取得していろいろ設定したときに「やれそう」と強く思ったので、その時点でBASE以外を使うことはあまり考えていませんでした。

——なるほど。ショッピングモールサイトへの出店は考えていらっしゃいましたか?

岩山さん:モールサイトはブランドイメージが合わないので、もともと出店する予定はありませんでした。

坪井さん:<ジュエリーツツミ>としては複数の大型モールサイトへ出店していますが、初期コストに加えて、月々のランニングコスト、ポイント対応などがけっこう大変そうで、経験値が必要なことがあらかじめわかっていた、というのもありますね。

加えて、広告出稿や出稿にともなうバナーなどのクリエイティブ制作も煩雑そうだなと……。

——なるほど。最終的にネットショップを「BASE」でやろうと思ったいちばんの理由はどこにありましたか?

坪井さん:先ほどお話しした通り、実際に少し触ってみて「やれそうだな」と確信できたことですね。

ショップのデザインについても、「デザインマーケット」のテンプレートを購入することで見た目のクオリティを担保できることが事前にわかっていましたし、そのテンプレートの設定もきっとかんたんだろうと思ったので。

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オンライン販売開始前の目標と結果について

——立ち上げ前に具体的な目標設定はありましたか?

岩山さん:私たちにとっては何もかもが新たな取り組みだったので、デイリー、ウィークリー、マンスリー……という期間で何がどのくらい売れるのか検討もつきませんでした。ですので、すごくざっくりの目標だけ設定していましたね。

——数値目標がキッチリしていないと、社内の評価なども難しいかと思いますが、いかがでしたか?

岩山さん:弊社の長い歴史の中で、「新ブランドの立ち上げ」というのはこの「TODAY's DIAMONDS TSUTSUMI」がはじめてになるんです。

ですので、全体コンセプト設計から実店舗の企画設計やオペレーション設計、教育マニュアルの整備がいちばん大事なミッションだったと思っています。社内でもそういった部分の評価はきちんといただいています。

とくに実店舗におけるシフト管理などのスタッフ働き方に関わる部分は、立ち上げももちろんですが、運用に乗せることが一番難しいんです。結果としては「オンライン・オフラインでジュエリーを売る環境を整える」ということについては、この1年間である程度形にできたかなと感じていますね。

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運営していて気づいた「BASE」のいいところ

——「BASE」を利用してみてよかった点(活用できた機能など)はありましたか?

坪井さん:とにかく「使いやすい」「かんたん」ですね! デザインをふくめて、自由度が高いこともありがたいです。

商品登録や、受注管理などのいわゆる「裏の業務」ってもっと難しいと思っていたのですが、これもすごくわかりやすくてよいですね。

——ありがとうございます。岩山さんはいかがですか?

岩山さん:今でこそパートさんに発送作業など一部の業務をお任せしていますが、この1年間はほぼ坪井と私の二人でショップ運営していたので、坪井が申し上げたようにかんたんで、「私たち二人で運営できた」ことがほんとうによかったです(笑)。

それから、「BASE」はそのときそのときで「ほしい!」と思った機能を補完できるアプリがあることもすごく便利ですね。

ジュエリーという商材の特性上、アイテム数が多くなるので、カテゴリ管理 Appで整理して見せたりしています。また、販売促進を鑑みたクーポン発行セールBlog 各Appの活用、恒常的にSNSとショップの販売連携をおこなうためのInstagram販売 Appなど、日々たくさんのアプリを利用しています。

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今後のショップ展開・展望について

——今後の展開を教えていただけますか?

岩山さん:売上に関しては1~2年以内に現状の「倍」を目指したいと思っています。また、実店舗だけでなく、オンライン上で新規のお客様を獲得したいと思っていて、もっとオンライン広告を活用していきたいと思っています。

——なるほど。O2O(Online to Offline)施策についてはいかがでしょうか?

岩山さん:O2Oの相互送客はもちろん考えています。

具体的には潜在顧客/顕在顧客の一元管理ですね。ネットショップに訪れる方と、実店舗に訪れる方は年齢や目的も違いますし、実店舗ではロケーションによっても異なってきます。

単純に「オンライン→オフライン」「オフライン→オンライン」という一方通行の話ではなく、「オンライン→オフライン→オンライン……」といった形で、どちらかが起点になったとしても、その送客のスパイラルがずっと続くような相乗効果を生み出していきたいと考えています。

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活用ポイント

「TODAY's DIAMONDS TSUTSUMI」のネットショップ活用ポイントは、以下になります。

・スピードと効率性、運営リソースを考慮して、ネットショップ作成サービスを選択し、立ち上げたこと

・立ち上げ時からオンライン⇔オフライン間の相互送客を意識し、これらを通じた顧客管理の一元化を進めていること

既存事業を長きに渡り展開していた中で、新規事業を立ち上げようとするとき、とくに関わるメンバーが初挑戦だった場合は、すぐに売上や利益などの結果を追い求めようとするとうまくいかないケースも多いと思います。

「TODAY's DIAMONDS TSUTSUMI」のように、ひとつひとつのオペレーションや、関わるメンバーの「教育・育成」まできちんと設計と運用をしていくことは、長期的な観点でブランド運営を成功に導くものではないかと思います。

初期・月額費用の掛からない「BASE」では、目先の短期的な利益ではなく、長期的な観点でブランド・ショップ運営が可能です。

皆様もぜひ、ネットショップ開設を検討してみてください。

TODAY's DIAMONDS TSUTSUMI ネットショップはこちら


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