「西武ライオンズは今年のドラフト会議で誰を1位指名すべきか?」を考える。(推したいのは3人の高校生 投手1名・野手2名)

ペナントレースは終盤戦を迎えている。リーグ2連覇を目指す西武ライオンズはマジック6が点灯中。早ければ9月21日(土)にもパリーグ制覇が決まる状況になっている。最後まで何が起こるのかは分からないのがペナントレースになるがかなり有利な立場になっている。

パリーグのペナントレースが盛り上がっているので例年と比べるとあまり話題になっていないがプロ野球のドラフト会議は10月17日(木)に予定されている。ドラフト会議まであと1か月を切っているが「今年は不作の年。特に野手陣が不作。」と言われている。例年と比べると話題性に欠けるが今年の西武のドラフト(1位候補)について考えたいと思う。

今さら言うまでもないが各球団の1位候補に挙げられているのは

 ・森下暢仁 (明治大)
 ・佐々木朗希 (大船渡)
 ・奥川恭伸 (星稜)

の3人になる。西武もこの3人を1位候補に挙げていると思われる。プロ野球史に残るほどの強力打線と言われる野手陣と比べると投手陣はいかにも脆弱なので「西武の補強ポイントは投手」というのを否定するのは難しい。今年のドラフト会議では上の3人に指名が殺到すると思われるが個人的な意見を述べると「奥川恭伸(星稜)がベター」と考える。スター性も魅力がある。

即戦力として最も計算できるのは森下暢仁(明治大)だと思われる。スピードがあって変化球の精度も高くてコントロールも悪くない。プロ1年目から松本航(西武)や上茶谷(DeNA)くらいの活躍は高確率で期待できるが大学生の森下暢仁(明治大)となると今井達也(西武)・高橋光成(西武)・松本航(西武)・森下暢仁(明治大)と22才前後にローテーション候補が固まってしまう。

多和田真三郎(西武)・伊藤翔(西武)・平良海馬(西武)・粟津凱士(西武)・渡邉勇太朗(西武)もいるので面白い投手陣になるとは思うが年齢バランスは良くない。なので、今井達也(西武)・高橋光成(西武)・松本航(西武)の3人よりも少し下の世代になる18才の奥川恭伸(星稜)を獲得できればいろいろな意味で最高である。西武の投手陣の未来は明るくなる。渡辺久信GMが言う「投手王国の完成」も夢ではない。

ポテンシャルという点では図抜けている佐々木朗希(大船渡)も魅力いっぱいの選手ではあるが「タフさに欠ける点」、「育成が難しいタイプである点」、「注目度が高すぎる点」、「5球団~6球団ほどが指名する可能性が高い点」などを考慮するとスルーするのがベターだと思う。もちろん、上手く育成できたらスーパーエースになれる最高級の素材であることに疑いの余地はないが・・・。

例年、ドラフト会議の本番が近づくにつれて即戦力投手の評価や価値が上がっていくが最終的には森下暢仁(明治大)にも3球団~4球団くらいは集まると考えられる。彼以外で即戦力になれそうな大学生の投手が見当たらないことを考えるとその可能性は高い。必要以上に各球団の森下暢仁(明治大)への評価が高まることが予想される。

「何が何でも即戦力投手が必要なので重複覚悟で森下暢仁(明治大)に特攻する。」という球団がいくつか出てくると思うが西武は昨年のドラフト会議で「大学ナンバー1の投手」と言われた松本航(西武)を指名している。大学4年生の時点では松本航(西武)と同じくらいの評価を受けている森下暢仁(明治大)に重複覚悟で特攻するのはあまり得策ではないと考える。

奥川恭伸(星稜)にも最終的には3球団~4球団くらいの指名が集まると思う。「1位指名の球団数は森下暢仁(明治大)の方が多くなるのか?奥川恭伸(星稜)の方が多くなるのか?」を正確に予想するのはちょっと難しいが同じくらいの指名数になる可能性が現時点では高い。獲得できる可能性が同じくらいであるならば、やはり、奥川恭伸(星稜)に特攻するのがベターと言える。

「奥川恭伸(星稜)が即戦力になる可能性」はそれなり高いと思う。あれだけのスピードがあってコントロールもまずまず。絶対的な決め球もあるのでプロのバッターでも簡単には打てないだろう。今ドラフトの中で即戦力になる可能性が最も高いのは森下暢仁(明治大)だと思うが奥川恭伸(星稜)がプロ1年目の成績で森下暢仁(明治大)を上回っても不思議はない。「奥川恭伸(星稜)は毎年出てくるレベルの投手ではない。」と言える。

一方、近年の西武のドラフトの特徴と言えるのは一本釣りである。2013年のドラフトで森友哉(西武)の一本釣りに成功したのは記憶に新しいが2014年は高橋光成(西武)、2015年は多和田真三郎(西武)、2016年は今井達也(西武)、2018年は松本航(西武)の一本釣りに成功した。いずれの選手も欠かせない選手になっていることを考えると近年のドラフトの「一本釣り路線」は大成功をおさめている。

「今年のドラフトは1位指名される12人が出揃わない。」とも言われている。「ビッグ3」と言われる3人を逃したときは、外れ1位の指名でも一部の選手に指名が重複する可能性が高い。さらにくじを外して「外れの外れ」や「外れの外れの外れ」になると大変なことになる。くじが当たらなかった時のことを考えて安全第一の指名を行うチームが出てきても不思議はない。

近年の傾向を考えると西武が「一本釣り」に走る可能性は他のどの球団よりも高いと考えられるが「その候補」に挙げられるのはやはり西純矢(創志学園)になる。U-18W杯では投打で活躍したことで評価はさらに高まった。「今ドラフトでビッグ3に続く選手」という地位を確立した。闘志あふれる投球スタイルはプロの世界でも人気を集めるだろう。バッターとしての才能もあるので野球センスの塊のような選手である。

ここまでに挙げた4人はいずれも投手になる。「野手で1位指名が確実視される選手」は今の時点では誰もいないので今年も西武の1位入札選手は投手になる可能性が高いがU-18日本代表で1番センターを務めた森敬斗(桐蔭学園)、4番サードを任された石川昂弥(東邦高)を「一本釣り」するのは個人的にはアリだと思う。どちらも魅力的な選手である。将来の西武の主軸になれる選手である。

「今オフの西武の補強ポイントが投手であること」は間違いないが「野手が十分」というわけでもない。レギュラーはほぼ固定されているが続く選手がなかなか出てこない。もちろん、山野辺翔(セカンド)、佐藤龍世(サード)、鈴木将平(外野)、愛斗(外野)、高木渉(外野)、西川愛也(ファースト・外野)あたりには大いに期待できるが若手有望株はむしろ投手の方が多い。そろそろ野球の有望株も確保しておかないといけない時期になっている。

特に次代を担う大砲候補(長距離砲)がファームにはいないことを考えるとU-18日本代表で4番を打った石川昂弥(東邦高)を入札1位で指名するのは面白いと思う。守備面は課題なので「プロの世界で本当にサードを守れるのは?」は分からないが身長があるので、最悪、ファーストでもOKである。木製バットも難なく使いこなす打撃センスを考えると「西武が入札1位で指名する価値のある選手」と言える。

「森敬斗(桐蔭学園)は西武が熱心に追いかけている。」と言われている。大学進学も噂されているが「野手は超・不作」と言われるのが今ドラフトである。「遅くても2巡目の最初の方で指名される可能性が高い。」という状況を考えると最終的にはプロ志望届を出すのではないか?と思われる。U-18日本代表では不動のリードオフマンとして至るところで能力の高さを披露。彼もU-18W杯で評価を高めた選手である。

焦点になるのは「プロの世界で本当にショートを守れるのか?」になる。U-18W杯のときはセンターで起用されて身体能力の高さを随所に発揮したがすでに、触れたとおり、今の西武には外野の有望株はたくさんいる。外野にコンバートされたとしてもかなりの選手になるとは思うが「左打ちの外野手」となると鈴木将平・高木渉・西川愛也などとかぶってしまうので魅力は半減する。球団が「ショートでレギュラーを取れる。」と判断するのであれば入札1位もありだと思う。

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