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564試合のドラマ

2022年10月14日、矢野阪神は終わった。3位、2位、2位、3位。リーグ優勝を成し遂げる事は、出来なかった。批判を浴びながらも貫いた「俺たちの野球」は、最高の結果を残せなかった。では、「俺たちの野球」は間違っていたのか。矢野阪神の4年間は無駄だったのか。

そんなことはない。

私は、この4年間とても楽しかった。近本光司、青柳晃洋、佐藤輝明、伊藤将司、中野拓夢、浜地真澄、湯浅京己。次々と結果を残す若手が現れた。北條史也のCS5打点、高山俊のサヨナラ満塁ホームラン、大山悠輔の逆転サヨナラ2ラン、佐藤輝明の1試合3HR、原口文仁の復活タイムリー。テレビの前で大声で叫んだ試合は数え切れない。感動的な試合が何度もあった。選手達が頑張った結果だと監督は言うだろうが、選手達は、誰よりも親身になって寄り添ってくれた矢野監督のためにと思って野球をしていたに違いない。選手を信じすぎた結果、甘くなっていたところが有ったとは思う。流動的な守備位置等、采配に疑問を感じたことがあるのも事実だ。それでも、私は4年間の矢野阪神が好きだった。選手達が楽しそうな姿を見れるのが幸せだった。矢野監督がチームを去ることで、その姿を見ることが出来なくなりそうなのが悲しい。試合後、近本光司は泣いていた。プロ1年目から4年間、矢野監督の下で成長を続けた彼が泣いていた事実は、矢野監督がいかに慕われていたかの証拠としては充分過ぎる。今後選手達は、矢野監督から受けた教えを生かして、素晴らしいプロ野球選手へと成長していくだろう。「俺たちの野球」が、矢野阪神の4年間が、無駄では無かった事は来年以降選手達が証明してくれると、私は信じている。

矢野燿大監督、4年間の一軍監督本当にお疲れ様でした。”史上初の借金持ち3位からの下剋上日本一”のドラマは惜しくも道半ばで終わってしまいましたが、4年間564試合、全ての試合が繋がっていて、ひとつの壮大なドラマだったように思います。いつか再びチームに帰ってきてくれることを、願っています。

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