見出し画像

チリも積もれば|4/17 対カープ5回戦を振り返る

ご覧いただきありがとうございます。
苦しい試合が続きますが今日も振り返っていきます。

試合振り返り

1回

濵口とアドゥワという先発。

一死から関根がヒットで出塁も、二死後の牧の打席で盗塁死。
ノースリーというカウントでの仕掛けは、高確率でカウントを取りに来る点、打者に集中しやすい点、ボールなら四球である点、二死1塁に残っていても長打か連打でないと得点に結びつかない点などを考えると面白い策だったと思います。
結果的にアウトになり、さらに牧がこのあとホームランを打ったとはいえ、非常にいいチャレンジでした。

その裏は先頭の秋山がヒットで出るも菊池を併殺。
野間が二塁打も堂林ショートゴロとお互いの打線が少し噛み合わないような立ち上がりでした。
一方で濵口のストレートは140キロ前半と、オープン戦のような140キロ後半の真っ直ぐではなく、少し調子は悪そうでした。

2回

先頭の牧が今季初ホームラン。
低めのスライダーに対して膝を折って地面と平行にバットを出しており、いいスイングだと感じました。詳しくは後述します。
後続はヒットが出るも相手の好プレーもあり無得点でチェンジになります。

その裏、先頭の小園の打球は石上の前でイレギュラーする形となり出塁。
記録はエラーですが非常に今日はショート石上が球場に苦しめられていました。
しかし盗塁を刺すと、その後も四球と盗塁でピンチになりますが無失点で終えます。
ただ濵口に関しては、やはり真っ直ぐのスピードが良い時よりも5キロほど出ておらず、指にかかりきらないような印象は受けました。

3回

先頭の濵口がヒットで出るも後続が三者連続三振。
アドゥワのゾーン内で適度に荒れる球が厄介そうで、絞りきれずにカウントが進んでしまった印象です。

その裏、一死からヒットと粘られた四球、ストレートの四球でピンチを招くと堂林三振の後の小園にはもぎ取られる形で押し出し四球を与えてしまいます。
野間に対するストレートの四球はともかく、菊池と小園への四球は丁寧に投げていた中で相手の見極めが勝ったという内容でした。
今日の濵口の調子では悔やむほどではないかなと思った一方で、真っ直ぐがもう少し速ければチェンジアップにももっと手を出してくれたのではないかなという部分も感じます。

4回

先頭の牧が二塁打。
ここは1打席目と同じスライダーでしたが、高めを上から被せて引っ張り込む形でした。
非常に良い形が戻ってきたんじゃないかなと思います。
しかし続く宮﨑のキャッチャーゴロで三塁封殺。
相手の判断も良かったですし、セカンドランナーの目線で打球判断をするには難しいものがあったと思います。
その後、山本ヒットも抑えられ無得点。
無死2塁は、なんとかものにしていきたかったんじゃないかなと思いますし、個人的には宮﨑のところで進塁打ではなくしっかりタイムリーを打ちに行くような姿勢も見ていきたいです。

その裏、先頭の田村の当たりは右中間に落ちるヒット。
桑原が飛び込もうかと悩んだ中で度会との距離感が近すぎたんじゃないかなと思われ、実際に落ちた打球を見た桑原はかなり悔しそうでした。
ここは度会が深追いしすぎているため、どこまでが桑原の守備範囲なのか、任せるべきかは練習の段階で把握しておく必要があると思います。
続く矢野のバントは処理した濵口が芝に足を取られ、両足が揃ったことで一塁に投げられずエラー出塁。
さらに二俣の強めのバントは同じく濵口のファンブルを誘い無死満塁となります。
捕球体勢の時点で一塁へは完全な背面となり、三塁に投げるのが理想的でしたが、思っていたよりもランナーが速く焦った上、天然芝故の小さなバウンドの変化もあったかと思います。
この独り相撲という状況で秋山は三振に取りますが、菊池のショートゴロはまたもイレギュラー。
なんとか二塁でアウトを取るも一塁セーフで失点。
さらに野間の打席でダブルスチールを仕掛けられ一塁ランナーはアウトにするも三塁ランナー生還。
この点は後述します。

5回

塹江が登板すると、先頭の濵口に代打井上。
個人的には変えてほしくなかったなと思いました。
この点も後述します。
この回は三者凡退で抑えられます。

その裏は上茶谷が登板。
一死から堂林がヒット、小園にストレートの四球を与えると坂倉に右中間を破られる2点タイムリーを喰らいます。
打たれる試合と抑える試合を交互に過ごしている上茶谷ですが、ここ6試合で4登板と頻繁な出番が気になります。
上茶谷についても交代について後述する部分で触れます。

6回

先頭の佐野、牧の連打の後、宮﨑が凡退も代打楠本がヒットで一死満塁。
しかし後続が倒れて点が入りません。
非常にもどかしいですが、安打数の割に点が入らないということは長打か四死球が足りていないと考えられます。

その裏からショートに林。
宇草がヒットで出塁しますが、盗塁死で結果的に3人で終わるイニングでした。

7回

この回から矢崎が登板。
三者凡退で抑えられます。
強い球に対して押されている印象でした。

その裏は森唯斗が登板。
先頭の野間を内野安打で出すも、三振と併殺で切り抜けます。
特に併殺はフルカウントから自動ランエンドヒットの形になりましたが、ベースカバーに入った林のちょうど守備範囲に打球が飛び、イレギュラー気味のバウンドにシングルハンドで対応しながら足を伸ばして二塁ベースを踏み、一塁送球という好プレーでした。
判断、ハンドリング、足の運び、スローイング、どれも完璧で天然芝のこの環境でこの守備は正直レベルが違うなという内容に思えました。

8回

この回は島内が登板。
宮﨑がヒットを放つも無得点に終わります。
真っ直ぐが強く、粘れても飛ぶ気はしないというイニングでした。

その裏は森が続投。
一死から死球を与えるもまた併殺で切り抜けます。
牧のトスが少し浮き、林に合わせて浮かせたのか、林が合わせたのか分かりませんが良いコンビネーションだったと思います。

9回

中﨑が登板。
一死後、京田、大和の連打でチャンスを作ると栗林が登板。
きっちり試合を締められてゲームセットとなりました。

総括

13安打1得点と噛み合わない試合でした。

まず濵口は真っ直ぐのスピードが5キロほど低かった印象です。
今シーズンのオープン戦は140キロ後半が出るからこそチェンジアップも活きてくるという組み立てでしたし、スピードが出ずにチェンジアップの見極めもできてしまうとなると苦しい展開にはなってしまうのかなという印象でした。しかし、打たれまくったというわけでもなく、自身のバント処理ミスや四球から我慢しきれなかったという内容でもあり、反対に打たれていないのであればもう少し投げさせて良かったのになとも思っていました。

また3失点目の1,3塁からの盗塁ですが、守備の対応における意思疎通ができていなかった印象です。
実際どうなのか分かりませんが、あの場面で事前に守備側が出す盗塁が来た時のためのサインとして考えられるのは

「ピッチャーカット(2塁送球を投手が取る)」
「セカンドカット(2塁送球をセカンドが取る)」
「ショートに通す(ホームは捨てて2塁で刺す)」
「2塁に投げない(投げるフリだけ)」
「3塁送球(2塁へ投げフリして飛び出しを狙う)」
「ショートに送球し、ショートはそのまま前に出てきてホームに送球」

これらが考えられると思います。
しかし、あの時セカンド牧はショートの後ろへ、山本のスローイングは弱く、濵口はカットをしなかったため、どういったサインが出ていたのか全く分かりませんでした。
仮にサインミスなら良くないプレーですし、少なくとも普通にショートに通すにしても牧はカットの位置にきて三塁ランナーを牽制するべきで、山本はもっと強くスローイングするべきかなと感じ、非常にその辺りの決め事がどれだけ遂行できたのかが気になります。
また、カープは伝統的にこういった作戦を取ってきますし、試合前の段階でこの場面ではこうしようとミーティングしておいてほしいですし、ベンチからの指示ももっと明確にあって良いのかなと思うワンプレーでした。

また濵口を4回で交代させましたが、個人的には早いと思いました。
確かにエラーと四球で自滅という内容、さらに真っ直ぐも本調子ではなさそうでしたが、投手を変えることによるリスク、運用の面でのリスクを考えると打たれて失点したわけではない濵口を4回で変える方が怖いなと思いました。
実際に結果論ですが、上茶谷の登板が嵩んだ上に打たれてもいるわけですし、第二先発としてのプランが元々あったとしても、適度に第一先発を引っ張っていく必要性は強く感じます。
打てていないのが元凶とはいえ、勝つためにも負担軽減のためにも先発投手の見切りはもう少しだけ我慢してほしいかなと思いました。

負けが込んでいる中で暗い話が多いので、明るい牧のホームランの話もしていきたいと思います。
ずっと悩んでいるのは目に見えていて、いろんな話を書きました。
右中間に打ってる時が良いよねだとか、打つ打たないの判断がリリースしてすぐすぎるんじゃないかだとかです。
ただ昨日の最終打席を見て、詰まったのが良かったんじゃないか、変に振りすぎず崩れてでもボールに合わせることから見ていきたいという話をした次の日に膝を折りながらのホームラン。
これだったのかという感情です。
確かに今年の牧はバットをしっかり振ることが優先されていてボールを捉えるという形から少し遠ざかっていたのかもしれません。
今日のように来た球を捕まえるような形、ボールの軌道にバットを入れていくような形が増えていくと完全に本調子
と言って良いんじゃないかと思います。
気持ち的にも一本出て楽になったでしょうし、なんとか神宮で爆発してほしいです。

非常に噛み合わない苦しい試合が続きますが、牧にホームランが出て13安打と打つこと自体は戻ってきてそうです。
これを得点に繋げていくためには、長打や四死球、さらに盗塁や積極走塁といったヒット以外の出塁、進塁力が重要になります。
神宮で思い切り打線爆発、さらに投手陣もなんとかイニングを長く試合を作って、立て直してほしいなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?