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チリも積もれば|4/14 対ヤクルト3回戦を振り返る

ご覧いただきありがとうございます。
今日はフルで振り返っていきます。

試合振り返り

1回

大貫とヤフーレという先発で始まった試合。
大貫の調子自体は良さげで、前回よりも真っ直ぐが非常に良く見えました。
しかし相性の悪い村上にホームランを打たれます。
この場面はスプリットでカウントが取れず、最終的に際どいコースに真っ直ぐを投げましたが、真っ直ぐだけを張られていた状況では逃してくれなかったという内容です。
相手がすごいで済む場面だったと思いますし、大きく悔やむ必要もないと感じました。

その裏、先頭の度会がヒットで出塁。
さらにワイルドピッチで2塁へ進塁します。
この場面、個人的には大きく外れただけに、行けなくても三塁を狙う素振りは欲しかったと思いました。
もちろん田中コーチが止めていたので全くミスではないですが、捕手の体勢やファンブルがあれば狙ってやるというくらいオーバーランを広く取っても構わない距離だったので、走塁意識を変えていきたいチームとしては求められてくるプレーなのではと感じました。
この後、後続が続かずに無得点。
ヤフーレの動く球に対して捉えきれない打席が続いていました。

2回

ここの大貫は危なげなく三者凡退。
オスナの空振り三振は少し審判の判定が微妙で、妨害行為を取った上で三振になりましたが、この判定の経緯、内容は個人的な興味として詳しく知りたいなと思います。

その裏、先頭の宮﨑が内野安打。
速いグラウンダーのコースヒットになりそうな当たりでしたが長岡が上手く取った中で宮﨑の全力疾走が活きました。
しかし続く関根の打席はフルカウントから三振ゲッツー。
近年どのチームでもアウトカウントに関わらず、フルカウントからはオートスタートをかけている印象があります。

このプレーで懸念される事柄としては
「三振ゲッツー」
「ライナーゲッツー」
「打者が意識しすぎて崩れる」
の、少なくとも3つがありますが、

期待できる事柄として
「ゴロでもゲッツー回避」
「ヒットならさらに進塁の可能性」
「四球、フライなら特別何も起きない」
「三振でも盗塁成功の可能性」
という、少なくとも4つあるということが理由になりそうです。
他にも何か挙げられそうですがとにかく天秤にかけてこの判断になっているものと思います。

おそらく走者のタイプはあまり考えずに打者のタイプと次打者以降の期待値で決断している策だと思うので関根には空振りしてほしくない場面ではありました。
この回は結果的に3人で終わったイニングとなります。

3回

この回は四球で塩見を出すも無得点で終えます。
特に前の打席でホームランを打たれている村上に対してストレートでカウントを取ってスライダーで決めたのは、スプリットが頭にあったであろう中で効果的な攻めになったと思います。
今日はスライダーがよく曲がっていたなということを印象付けたシーンでもありました。

その裏、先頭の井上がプロ初ヒットで出塁。
思い切りしばいて鋭く野手の間を抜いていく、らしいヒットでした。
続く大貫がバントを決め度会はフォアボール。
この度会の打席は高めの球を見切ったという点で、これまでとはまた違った部分が見れたと思います。
続く石上はゲッツー崩れ、一塁駆け抜けでもスピードが落ちず、ゴールが一塁ベースの先にあるような走り方が魅力的です。
さらに二死1,3塁で佐野の強烈な当たりはファーストゴロ。
一塁ベースについていなければ抜けていたんじゃないかとすら思いますし、ここまでは運がないなという印象です。

4回

この回は先頭の青木を抑えるもサンタナヒット、オスナを打ち取った当たりはポテンヒットで二塁打となりピンチを招きます。
一死2,3塁から赤羽は当てただけのセカンドゴロで失点。
前進守備を敷いていないあたり、これ以降点を取る算段はあったのだと思います。
しっかり後続を打ち取ったことで不運の中でもやれるだけのことはやったと言えるイニングでした。

その裏、先頭の牧は泳いだ形でセンターフライ。
今日の打席では唯一下半身が崩れた打席だったかと思います。
なので実際の調子自体はそれほど悪くないはずなのになと感じていました。
続く宮﨑は村上の悪送球で出塁、さらに関根はショートの横、グラブを弾く内野安打でチャンスを作ります。
しかし伊藤光がサードゴロ、井上は申告敬遠で大貫がセカンドゴロ。
打順も悪く、もどかしい展開が続きます。

5回

この回の大貫は村上に四球を出すも無失点。
スプリットを多く投げたイニングで、カウント球でも決め球としても使っていました。
前回空振りを取ることに苦しんでいたことから考えると、スプリットを効果的に使えるシーンがあったというだけでも大きな収穫になりそうです。

その裏、ワンナウトから石上が二塁打。
レフトの処理を見て再加速する走塁でもぎ取り、先ほどの一塁駆け抜けと同様に、脚力とそれを活かす技術が感じられました。
しかし後続が続かず無得点。
中軸が動く球への対応に苦しんでいました。

6回

この回から急激に球速が落ちた大貫。
全球種で5キロほど落ちたのは、整備明けへの苦手意識などがあるのでしょうか。
当然苦しい展開になり連打を喰らいます。
無死2,3塁という場面になり、ベンチで大原コーチが声を掛けに行こうか監督と相川コーチと話しながらバタつく姿が見られました。
ただ個人的に気になったのはこのシーンでも三浦監督が全く動揺する姿を見せずどっしり座って会話していた部分です。
コーチとどのような会話をしていたのか、非常に気になります。
結局、マウンドへ行くこともなく大貫に託すと赤羽からなんとか三振を取り、ここで交代。
徳山がマウンドへ。
一死2,3塁から長岡は初球ファーストゴロ。
本塁で封殺します。
ここの佐野の守備は焦らずに軽くジャンピングスローと、無理に足を運ぼうとしすぎず正確にゆっくり返す、ランナーの足も考えられた良いプレーだったと思います。
さらに徳山は満塁としますが、ヤフーレを三振に取り無失点で火消し成功。
どんどん序列を上げていきリリーフの中でも信頼を高めています。
大崩れするような想像もつきませんし、このまま成功体験を積み重ねていって欲しいと思います。

その裏はヤフーレを捉えきれずに三者凡退。
打開策のないまま進んでしまっている印象でした。

7回

この回から森唯斗が登板。
先頭の塩見はアウトコース低めに丁寧に集めて三振。
続く村上に対してもコースを丁寧に慎重に攻めますがセンター前ヒット。
続く青木のセカンドへのゴロは併殺と思いきや牧がファンブル。
このエラーについては後述します。
さらにサンタナの打球は打ち取った当たりもポテンヒット。
さらにオスナはハードヒットでタイムリー。
勢いは止まらず川端の強い当たりは佐野の後逸を誘い、なおも連打。
石上の勝負をかけた中での悪送球もあり、この回は結局7失点。
エラー絡みで苦しい展開になりました。
ただ森唯斗も自身で悔しい表情をしており、守りだけでなく自分の投球に矢印が向いているあたりがベテランだなと思いました。
ハードヒットも多く苦しい投球であったことは間違いないですが、その中で丁寧に慎重にゾーンの際を狙って投げていましたし、アバウトにならず丁寧さを根気強く続けていけるかが次回は大事になりそうです。

その裏、山本が登板すると先頭の井上はセンターへの強いフライ。
山本はライト前ヒットも、度会は併殺打。
対左ではありますが、井上、度会の2人とも内容自体悪いものとは思えず、比較的捉えた当たりではあったと思います。
ただ結果に繋がらずチェンジ。
この辺りを割り切るための打球速度の確認だと思うのでこのまま続けていって欲しいと思います。

8回

この回は上茶谷が登板。
森にイニングを食って欲しかったと思いますが、上手くいかずにこの登板になったと思われ、負担のかかるポジションを担ってもらっています。
さらに5球で三者凡退と、ゾーンにとにかくちぎっては投げ続ける良さが出た登板になったと思います。

その裏はエスパーダが登板。
先頭の石上は低めの球を見切って四球。
ゾーンに来た球は3球ともファウルと積極性を忘れない中でもぎ取った四球と言え、点差が離れた中でも非常に良い内容だったと思います。
続く佐野は併殺とうまく行きません。
しかし、点を取るしかない状況で強く振った結果こうなるのは仕方がないですし、個人的に淡白だとかは思えませんでした。
またこの打席をはじめ、最近の佐野に気になる部分があるのでその点は後述します。
続く牧はサードゴロ。
今日の打席は大きく崩される訳ではなく、ただ打ち損じているという印象でした。
長打に対する焦りは多少感じますが、今週良かった兆しも見えたので、今の引っ張らされている部分を変えていけるかに来週は期待したいです。

9回

上茶谷が続投、この回も三者凡退とただ頭が下がります。
またナックルカーブを使っている印象はあまり多くなかったですが、このイニングは2球あり、打たれた次の日に新しいことを試すという引き出しの多さ、増やし方を感じました。

その裏は宮川が登板。
先頭の京田がセンター前。
ここまでオープン戦打撃好調ながら打席の機会が少なかった京田ですが、しっかりと結果を出しました。
少なくとも首脳陣に向けて、準備ができていることのアピールになったのではないかなと思います。
関根がゲッツー崩れの後、代打梶原はセンター前ヒット。
腕が長くても身体に近いポイントで打てる良い部分が出たと思います。
後続が続かず敗戦となりましたが、アピールはいくつもあった試合だったと思います。

総括

苦しい展開が続く毎日の中、爆発してしまった試合になったと思います。

まず7回のミスについてですが、メンタルからくるものとは個人的に思えませんでした。
もちろん見ているだけなので実際は分かりませんが、牧のエラーは足の運びと腰の高さが万全でない体勢からトスを急いだこと、佐野のエラーは速い打球に対して身体が追いつかなかったこと、石上のエラーは勝負をかけた中でのプレーとはいえ、体勢の悪さから腰を回しきれなかったことによると思いました。
連鎖したのでメンタルに見えますが、それよりもこれらのプレーでは下半身のキレ、捕球体勢までの入り方に鈍さを感じ、キャンプから続いてきたここまでの疲労が今出てきているのではないかなと感じています。
特に今年は走塁意識の向上を掲げており、疲労も例年以上に溜まっていると思われ、これを続けて疲労の中で戦っていくことで本当の意味で走塁意識の向上になっていくのかなと思います。
キツイ時期だとは思いますが、乗り越えて欲しいというよりもその疲れを受け入れて、続けていって欲しいなと思います。

また、佐野の打席で気になることですが、最近引っ張りで強い打球を打ちにいっている印象が強いです。
元々スタンスを変えて左中間意識で望んでいましたが、そこを意識しすぎずに強い打球を放つという意識が高まっているのかなと思います。
個人的には左中間に打っていくことが重要かなと思っていましたが、データや動作解析的な部分から見て変化があったのかもしれません。
実際、良い当たりが出ていますし、意識付けが終わって引っ張り解禁のタイミングなんだなというふうに考え、このまま良い結果がどんどんついてきて欲しいなと思います。

また大貫は今日良い投球をしていて、真っ直ぐとスライダーを活かしつつスプリットの修正も前回からできていた印象です。
6回に急激に球速が落ちたことが心配ですが、次回は援護をもらえて勝ちがついてくると思って見たいと思います。

エラーから崩れた試合ではありましたが、個人的にそこから今日は負け試合だという思考の変換はあまりしてほしくないという思いがありました。
首脳陣の判断で怪我防止や経験のための選手交代は当然必要ですが、試合に出ている以上は勝つためのアプローチをしていって欲しいですし、怪我しないためのプレーだったり次に繋がるからというプレーは今年の目標からは離れたものなんじゃないかなと感じています。
なので普段、勝つためにやっていることを続けて欲しかった終盤ですが、それが見られたことがなにより良かったかなと思います。
雑に打ちにいく訳ではなく、ゾーン管理をしっかり継続しつつ、打てると思ったら強くアプローチするということができていましたし、結果的に凡退になったとしてもそれは全く構わないものだと思います。

シーズン長いですが、今年進化するのであれば、目の前のこういった部分をコツコツ続けていくべきなんじゃないかなと思いますし、飛躍して取り返そうだとかチームを勝たせようだとかを背負いすぎる必要も無いと思います。
また、ファンとしてもそこを求める必要はなくて、たとえ負けが込んでも、選手首脳陣がやりたいことは何なのか感じて、どんな時でもどれだけ貫いていけるかを見ていきたいシーズンです

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