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「スポーツクラブは『習い事』なのか?」

「スポーツクラブは『習い事』なのか?」
スポーツクラブの入る方、入っている方にジュニアアスリートを育む上で大前提となる考え方について書いてみたいと思います。


①「スポーツクラブは『習い事』ではない」


ジュニアアスリートを育成する観点でスポーツと子どもの成長を語るのであれば、「スポーツクラブは『習い事』ではない」という結論に達します。

アスリートは一般的な生活を送る人とは異なった生活をしています。
まず、生活における消費エネルギー量が大きく違います。練習や試合などに必要なエネルギーに加え、子どもは成長に必要なエネルギーもあります。それらを踏まえてまず変化するのが食事です。

アスリートはまず食べているもの、量が違います。
食べているものとは、間食にて何を口にするのかであったり、体にいい栄養素を積極的に摂取したり、消費カロリー分以上の栄養素を摂取することなど、食事に気を遣った生活をします。

食生活に与える影響のように、一般生活vsアスリート生活では異なったスタイルの生活を様々な局面で求められるのです。


②「習い事という言葉で語れるものではない」


 ー習い事とは一般に何かの技術や能力を習得する場所
では、具体的に他の習い事とどのように違うのかみていきます。

同じスポーツ系の習い事として『教室』を例に挙げます。
〜〜教室や、教室体制の運営をしているものは全て『習い事』に該当します。


ポイントは、「何かの技術や能力を習得する場所」
という定義によるもので、習い事とはそういう場所だと認識してください。

この定義に沿っていくと、
教室は習い事だと言えますし、公文や塾、そろばんなど学習系の習い事も同じだと言えます。


 ー子どもを預け、管理してもらう場所
習い事の機能について考えてみます。
習い事は保護者の手を離れて先生に預けます。先生はその決まった時間の中で子どもを育みます。

活動に関する責任は先生に一任され、
技術を授けることや子どもを育む事に成果を求められます。
学校もこのような機能を担っていますよね。

一見すると、スポーツクラブも同じでは?と思うかもしれませんが、ここでは「違う」ということだけ覚えておいてください。
もちろん全てが違うわけではありません。


 ー近年の『習い事』事情について
近年の習い事事情としては、
共働き家庭の増加に伴って「託児機能」「送迎機能」付きの習い事が増えています。

もちろん、スポーツ業界もその流れはバッチリ受け継いでいて、保護者の肩の働きやすさや子育てのしやすさみたいなところは日々ニーズのもとに発達していると言えるでしょう。

ニーズが多様化していることも近年の変化と言えます。
当然ですが悪いことではありません。この改革は必要とされて起こっていることなので、サービスの質やシステムともに考えていく事は永遠の課題でもあると思います。


 ースポーツを習う事はもはや習い事の域を越えている
さて、ここまでのまとめとしてスポーツクラブがどのように習い事とは異なってくるのかというところに触れていきます。

クラブは確かに、・技術や能力を習得する場所
・子どもを預かって管理する場所
・ニーズに合わせサービスを多様化し家庭と一緒に子どもを育む場所である

間違いありません。
しかし、ジュニアアスリートはそれだけでは育まれません。

まず、子どもを育むということは、地域・家庭・学校という3者の立場が協力をして行うことです。
クラブはこの地域という部分で、子どもの日常生活の中で最も身近ではない部分の要素になります。
しかし、子どもの興味関心の度合いとして非常に高い割合を占めてくるはずです。

逆に一番密接なものが家庭ですよね。
その子どもの興味関心をどこまで引き伸ばして継続し、取り組んでいけるかという部分は家庭にあります。

子どもの「好き」を伸ばしてゆくきっかけを作れるのが家庭の役割です。

学校では社会に出る上で必要なことを段階的に学びます。
興味関心に気づくことができるきっかけをもらう、環境でもあります。
でも、その興味関心を育んでいく、伸ばしていくのは地域であったり、家庭での環境設定ということになりますよね。

学校と同じような、習い事と同じように、家庭が手放しに子どもを預けるだけでは「好き」という気持ちから出る「探求心」を支えてあげる事はできません。

さらに、スポーツでは常に結果がつきまといます。
子どもは子どもの中の評価や、大人から得る評価の中で生きています。
環境だけでなく、心の部分を支えてあげられるのも家庭の機能の一つではないかと思います。


 

③「スポーツと関わることで起きる変化」


子どもはスポーツと関わる事で生活だけでなく心の部分でも大きな変化があります。

なぜかというと、子ども心は成長とともに満たされていくからです。未だ空っぽで、いろいろなことを吸収することができる子どもの心は可能性という言葉に置き換えられます。

その可能性を得る準備を子どもはスポーツを始めた時に行います。

まず、出会いです。

コーチ、指導者との出会いはその子どもの人生を変える可能性に秘めています。
指導者が教えることを受け取る前に子どもは「どの大人を信用するか」を考え、判断し、準備をしていきます。

この変化を前向きに、ポジティブな方向につなげるのであれば、子どもの考えへのリスペクトを忘れないように少しだけ、考えをフォローしながら歩んでください。

スポーツと関わることで起きる変化については、無限大の可能性があることとそれをしっかりと受け止めていけるような準備を保護者の方もして下さい。


④まとめ


クラブでスポーツに取り組むということは、子どもの興味関心に対して技術や能力を習得するだけでなく、さらに踏み込んでどんな人生を歩んでいくかを見つけていく場所であり、その長い競技人生の中でどこまで家庭がそれをサポートできるのかというのがすごく大切です。

クラブで出会う様々な人、体験が子どものこれからの人生をデザインしていくことが成長を形成していきます。

ジュニアアスリートを育むこと、まずはクラブを家庭がどのように捉えて、選択してゆくことがファーストステップと言えるでしょう。


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