ベース用プリアンプを作ったよ 回路編

こんな時期に、エフェクターの自作にハマってしまいました。
この前作ったベース用プリアンプで、素人なりに考えたことを適当に書きます。


回路の大まかな構造

ぶっちゃけ元ネタはBass RC-Boosterです。aion fxに感謝


これに周波数可変のバンドパスフィルタを付け加えて、Gain Bass Mid MidFreq Treb Volの6ノブ仕様です。

信号の流れは

BJTバッファ→反転増幅回路(Gain)→Bax型回路(Bass,Treble)→ウィーンブリッジ型バンドパスフィルタ(Mid,MidFreq)→(Vol)→BJTバッファ

となっています。

BJTバッファ

ほぼ丸パクリなので特にありません。Q1,Q2に用いた2SC1815はhfe高めのGRランクを使ってみました。

反転増幅回路

信号の位相が反転するやつです。
クリッピングのダイオードとかは入ってないんですが、250kBのGainをフルで上げたら少しオペアンプで歪みます。
一般的にオペアンプの歪みはダサいだとか言われてますが、これは結構いい感じ。

そういえばオペアンプは全部脳死で4558を使ってます。初心者はとりあえずこれ使っとけばいいらしい。

Bax型回路

BassとTrebleを調整できる回路です。以下のようなシェルビング(?)になっています。

この回路にMidもぶち込もうと思えばできるんですが、Midの周波数をノブで調整できるようにしたかったので後述のウィーンブリッジ型バンドパスフィルタを使ってます。

ウィーンブリッジ型バンドパスフィルタ

このエフェクターの中で唯一頑張って考えた部分ですが、まあMetal Zoneのパクリです。

さらに詳しい解説はESPさんのサイトで


まず、C22,25とR25,26,RV6から構成されるのが単純なバンドパスフィルタ(以下BPF)です。RCフィルタの応用ですね。しかしこのままだとブーストのみでブースト量の調整もできない上、Q値が低すぎて非実用的です。

そこでこのBPFをオペアンプのフィードバック部に入れてあげると、ブーストカットが可能になるしQ値が上がって使いやすくなります。

最終的に定数とか調整した結果が以下の図です。

※本来のC21は右側が正極の電解コンデンサ


このBPFの中心周波数ですが、求め方が少しめんどい。
普通にC22,25の値を同じにすれば

fc=1/(2π*C*R)

で求まりますが、僕はもう少しだけQ値を上げるために、C22を22nF、C25を8.2nFに設定しました。しかし、このように回路を非対称にすると正確な中心周波数を求める式を立てられなくなります。そこでC22,25の静電容量比から自分が適当に立てた式が

fc=0.64/(2π*C*R)     (CはC25の静電容量)

です。これによると200Hz~1000Hzの範囲での可変になるはずですが、LTspiceでのシミュレーションした結果、約240Hz~1000Hzの範囲になってしまいました。

これとCカーブ50k2連ポット(激レアパーツ)を組み合わせることで、なんとか周波数可変のBPFを作れました。

ウィーンブリッジ型BPFの弱点としては、

・発振しやすい
・Q値の調整が難しい
・中心周波数が大きいほど、ブーストカットの中心周波数が上下非対称になる

といった点が挙げられますが、エフェクターのEQで使うなら特に問題ないと感じました。発振しやすいことに関しては、自分の定数設定が原因な気がしてます。

状態変数型という、さらに安定性の高いBPFもあるんですがオペアンプ5回路分くらい使うし消費電力高そうなのでやめました。

おわり

なかなかいいものが作れたと思います。サウンドサンプルはそのうちここに載せます。

もしかしたらほぼ原価(3000円くらい)で売るかも。欲しい人はDMください。


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