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プリパラ全部観た(感想集:1st season 編)

 プリパラTVシリーズ全部観た。
 平成も終わるし、なんならプリパラシリーズ終わって次に始まった『キラッとプリ☆チャン』がとっくに2年目に突入しているが今更全部観たので雑感を以下に全話分まとめた。
 Twitterくんの検索機能が今や完全にカスなので、自分の初見の感想を振り返れるように別媒体に残しておくという意味もある。

・この記事は1st seasonの感想集です


プリパラ 1st season 


# 1 アイドル始めちゃいました!

 真中らぁら。主人公が小学生(5年)なのもそうだが紫であることが何より興味深かった。
 プリパラ放送開始といえばちょうどアイカツ!が2年目の終盤にさしかかった辺りであり、当時の女児向けホビー/アニメ界隈における神崎美月の影響力が未だに強かったことが察せるような気がする。
 話には聞いてたもののプリパラという世界の設定がまず面白い。システムにより構築された誰でもアイドルになれるテーマパーク。プリパラの中では女の子皆、各々自分が”なりたい姿”であるアバターを身に纏い、アイドルとして振る舞える。
 「あっちの世界」っていうワードが普通に1話から出てきて驚いた。サイバーパンクじゃん。女の子達が仮想世界で歌って踊って衆目に晒されるのが全世界で一般的な娯楽として消費されてるの凄いっすね……。アイカツ!がアイドルを「芸能」として真面目にやってる分対照的なアプローチでいきなり惹かれてしまった。(いやパラが不真面目という話ではなく)
 あと南みれぃ。髪色が原色で語尾が「ぷり」の最高の女。既に大概いい性格してるのがなんとなく見えている。
 成り行きで、誰かの要請を受けた上でアイドルとしての一歩を踏み出すっていう作劇、アイカツフレンズ1話もそうなんですけどやっぱり主人公の人の良さだとか人を惹きつける力、ひいてはアイドルの才能を1話という滑り出しで端的に描くにあたって効果的なんだな……そしてプリズムボイス。
 その上でプリパラっていう仮想世界、アバターがあるお陰で、基底現実の関係性とプリパラ内での関係性が別で進んだりとか色々するであろうことが簡単に察することができてその辺の先行きにも期待が持てる。まぁ具体的にはらぁらとみれぃの関係性なんですけど……

「みんなはアイドルの歌を待っているぷり!」
「世界中に向かって届くように、思いっきり歌うぷり!」
「ここではすべての女の子に、それが許されているぷり!」

# 2 約束やぶっちゃダメぷりっ

 早速マスコットのきたなさが目立ち始める。らぁらをプリパラに引き込む為にクマが積極的に動かないといけない理由付けが要るのはわかるがそれにしても何かと俗っぽい。女児アニメによくある(要出典)ぬいぐるみめいたマスコット枠が、このアニメだとロックマンエグゼのナビみたいにプリパラの中の生き物としてマネージャーやってんのが面白いと思った。
 南……「約束……したぷり」じゃあないんだよ。今思うとらぁら→みれぃの呼称がまだ「みれぃさん」なのが初々しくて良い。

# 3 チーム解散?困るクマ〜!

 また校則違反したところ見られちゃいましたね……って何!?
 互いにアバター身に纏って仲良くなって基底現実で会ったら知人だった~っていうのもカジュアルにSFである。もう1話から見えていたが故にもうちょっと引っ張る展開かと思ったら2話のヒキで消化にかかるハイテンポ。
 そうなると校則に厳しい南みれぃが学校の決まりを破ってプリパラに来てる真中らぁらをどう扱うのかと思ってたら「A:”小学生はプリパラ禁止”は校長が勝手に決めたルールで校則ではない」というアンサーがお出しされて感心する。ここでしっかり、アイドルって楽しい!っていうだけじゃなくて「校長にも認められるようなアイドルになる!」っていう長期目標が掲げられて、高みを目指す理由付けが来るのが丁寧だな~~~とまた感心。
 メイキングドラマ。大発明か。アイドルアニメなんだからライブにあたっても毎回当然、誰かのためのライブだとか苦労の末のライブだとか文脈が色々乗ってくるわけで、その辺がまんまライブの演出の一部として昇華されるのめちゃくちゃ頭が良い。

# 4 かしこま!元気 For You

 大神田校長が明確に”敵”として据え付けてあるのが、先にアイカツ!を通って来たが故に新鮮に映る。この辺からプリパラに行ってるのを校長に隠すための真中クソ言い訳シリーズが密かに楽しみになってくる。お相撲さんになるのが夢、ではない。
 北条そふぃ。紫吹蘭ポジションだったのか……!(?)主人公とは先行した先輩アイドルとしてはもう南がいるし頭一つ格が高い描写されてる分そふぃくんは2クール目辺りの目標とかそういう位置かと思ったら3人目だった模様。ヘェ~~
 この辺で一回楽曲少なくない?って思った。

# 5 あたし、そふぃさんと歌いたいワニ!

 アバンの194ジャンプのくだりが丸々意味わからず右から左へ抜ける。
 ステージ上ではクール美少女、オフでは完全に社会不適合者な北条そふぃ。一方でこの辺からもう南みれぃという女から目が離せなくなってくる。
 え……”コレ”がプリパラの中でぷりぷり言ってんの……?「うぴょー!みれいってばお茶目さんぷり〜〜♡」って何???まだ5話なのもあり、基底現実での南を見れば見るほどプリパラの中でぷりぷり言ってるみれぃと像が結びつかず困惑するこの頃。

 ところでシンプルに南の物理肉体がもうバチクソに好みで脆弱性突かれてるんですけど助けてくれ。死にたくない。(後々死んだ)

# 6 異議あり?らぁらがウチにやってきたっぷり!

 親御さんへのご挨拶が早くないか~~~~???????
 ramrめちゃくちゃうまあじだな……とか既に思ってたら飛び込んでくるお宅訪問回の予告。番の片方がもう一方の家に遊びに行く話、好。

 南の自室が完全に解釈一致案件。めっちゃ南の部屋やわこれ……あとめちゃくちゃ育ちが良かったのも納得。
 ☑︎家に友達を連れてくるのは初めて!!!!!!!!!!☑︎相方の家に初めて行ってアルバム見るくだり!!!!!!!!!!!怒涛の勢いで”おれが観たいモノ”チェックリストが埋まっていく。福祉か……?
 今回真中からサラッと出た「みれぃの方が話しやすい」っていうフレーズが好き。相手にしてるのは同じ人間なのに、関係性が同じであり違うんですよね……イヤ~~~~~~~~~最高。

# 7  レッドフラッシュを探して…

 ちょいちょいA子ちゃん出てくるけどぼくはらぁらちゃんの最初のファンはみれぃくんだと思います(半ギレ)
 ウサギのナチュラルな畜生っぷりが目立ち始めるのもこの頃。プリンハラペーニョピザじゃあないんだよ(真中クソ言い訳シリーズ)

# 8 ドキドキ!夏だ!水着だ!プールでかしこまっ♪

 なおちゃんとの話は明らかに禍根を生むように周到に敷いてあったしそのうち回収するとは思ってたがもう予告見た時点で駄目だった。修羅場やんけ。女児アニメで一瞬でも曇らせ入るとわりかしキツイ。好きだが。
 正体隠してアイドルやってる真中ならではの話だし、同時に真中らぁらの最初のトモダチであるなおちゃんとの人間関係をやることによって、自分と同じくプリパラに憧れるパプリカ学園の小学生のためにも校長に認められなくては、っていう補強がなされる。
 頂点の象徴たる、目指すべきトップアイドルとしての神崎美月ポジションが現状いないので神アイドルになる事そのものを長期目標に据えてしまうとピンと来ないことになってしまうんだけど、こうして校長に認められるようなアイドルになるっていう目標を据えることでしっかりと縦軸が立ち上がってくるし、その上で短期目標としてそふぃを自ユニットに加入させる目論見があるので物語に牽引力もある。おもろい。

# 9 ときめきアイドル大集合!

 とにかくウサギが渋い。
 真中くんのどちらのそふぃさんも好きです→どっちもホントのそふぃさんでしょ?コンボが全部もってった気がする。肉体が違えど、キャラクターが違えど、一個の連続した人間がアイドルをやっている。基底現実と仮想世界を行き来するプリパラならではのテーマですね……
 そしてここにきてパラの中じゃ思いっきりはっちゃけてる南も、基底現実で「ぷり♡」するのは普通に恥ずかしいという驚愕の事実が明らかに。やっぱシラフでやるのは恥ずかしいんじゃん!この辺でおれが南のオタクになる。

 それこそ真中との出会いだってシンプルに、誰とも知れない奴のためにカバンを届ける善性を発揮した真中に惚れ込んだ、っていう構図でも全然話は進むわけじゃないですか
 でも実際はわざとカバンを落としてそれを届けに来た奴を相方にするっていう打算の上で仕組まれた出会いであってさぁ……
 二歳下だろ……?知らなかったとはいえあえて悪しように言えば二歳下の小学生の女の素朴な善性につけこむ形でまんまと相方を引き入れたわけで、己の計算を軸にした舵取りでもって2人でサクセスしようと目論んでるわけじゃん
 故にこそ、真中が南の計算を超えた行動力を、その二歳下の子供であるという点で発揮してしまうところに面白さがあるわけで、南からしたらさぞ真中は御し易い女だろうけど、それ以上に入れ込んでることも明らかなんですよね……あんな経緯で引きこんどいて2話で「約束……したぷり」はずるいよ

↑9話視聴直後のおれの南・ツイート抜粋

# 10 秋色ラブリーライブ

 前回でレールは敷かれたっぽいがこのままスッと流れで加入するわけではなさそうだしチーム結成までにもう一山ありそうだな~~とは思ってたがそれがマネージャー同士の確執とは思わなんだ。あまりにも酷い。
 秋のコーデを閃く過程が常軌を逸している。ラブちゃんを軸に人はいくらでも望むままの姿に変われるっていう話を紅葉というモチーフを使って語りつつ、そのまま内面を変化させようと足掻くそふぃの話に繋げるの自体は上手いがそれはそれとして何だその絵面は……

# 11 どうする?どうなる!?3人目!!!

 もちろんウサギはそふぃが内面に抱える恐れの象徴でもあるという前提で、今回に関しては完全にウサギ個人が踏み出そうとするそふぃを妨げに行ったしその行動原理が己の出世欲でしかないことが既に明らかなせいでとにかくめちゃくちゃ渋いことになっている。
 アイカツ!みたいな努力の積み重ね描写が入って無茶が祟ってライブうまくいかないフラグかと思ったけど杞憂に終わる。噂のドロシー・ウェスト登場。
 メイキングドラマ。籠の中の鳥というモチーフ。視聴者に対してそふぃくんの現状が直球なメタファーとして繰り出され、めちゃくちゃわかりやすい。トドメとばかりにコスモさんが丁寧に台詞で籠に囚われた鳥概念を解説してくれて、いよいよ次の話で籠から出て飛ぶ話をやるぞという圧力の高まりを感じていたら次回予告!はばたけ、そふぃ!とタイトルもど直球で完全に待ったなしだった。

# 12 はばたけ、そふぃ!

↑レイアウトが好き

 12話、チーム結成回。期待を裏切らず、相当に良かった。ついに籠から少女が飛び立つ。それを助ける。そういう話をやる。

 メイキングドラマ。籠の中の鳥に対し、外から鍵を開けてやるのではなく、鍵を手渡してやるという構図!あくまで自分で扉を開けて出て行けっていう話をしていたんだかららぁらとみれぃが手助けするにしろ鍵を開けるのはそふぃ自身である必要がある。掲げたテーマの純度が高くないとできない見事な演出……よく煮詰めてある……。籠の中の鳥というモチーフそのものはありきたりなものであり、だからこそここまで真摯にやられると業前が光ってくる。
 全てを諦めたみれぃが電話口で素の南と化すシーンがめちゃくちゃキツかった。完璧主義者であるが故にパラ内でのキャラも完璧に通すアイドル南みれぃが、原色真っ黄っ黄の髪のまま冷静に、普通に1人の中学生な南委員長として喋りだすと破壊力が倍。作り手も当然その辺はわかっているので79話で再びそのカードを切ってきたわけだが……
 ところで、ああいう元鞘に収まるというか結成予定のグループを蹴って他所に行く展開、熱量と引き換えに蹴られた側を思うとモヤモヤしがち問題について(トライスターとか……)、蹴られる側その1は割と気持ちよく蹴れるように周到にやってあったけど個人的にはドロシーを心配していた。だから11話でライブ失敗展開まで読んだんだけど(ドロシーから蹴るという落とし所)、結果的にドロシーの謎理論によるドロシー側の落ち度で自動的にチームが解体されたのが、なんというか、落とし所として穏当で良かったんじゃないかなぁと思う。

# 13 空見て笑って♡チーム名発表!

 そふぃくん一人が今回晴れて二人の関係性に挿入されただけで「……みれぃの計算は要らないみたいっぷりね……」が引き出されたわけで、頭数は可能性そのものなんですよね。
 今思うと既に秀才・南と天才・そふぃという仕込みがなされていたっぽい。2年目に続く。

# 14 ライバル登場!イゴ、よろしく!!

 世界囲碁選手権学生チャンピオン!何をどうしたら囲碁アイドルを出そうという話になるんだろうな……
 天才その2、東堂シオン登場。ドレシ結成。2クール目はそらみとドレシのライバル関係重点!というスタンスがハッキリ伝わるものの、ついこないだまで悪どい役回りだったウサギがマネージャーやってるのもあって正直ドレシがライバルっていうかヒールみたいな感じに映るまであり、わりかし不安。
 東堂シオンが天才であるという事実の描写がなんかもう人智を超えており、何がなんだかわからんかったがとにかく頭が良いことを分からされる。声が低いのが好きです。

# 15 一触即発?シオンVSみれぃっぷりっ!

 作者の頭脳を上回るキャラクターは登場させられないとかいう眉唾言説を真っ向から否定する回。
 あらすじには「計算で物事を進めるみれぃと、囲碁のように何手も先を読んで行動するシオン」とあるが、”計算”もとにかく数字がバーッと流れてガチャガチャなってるだけで何が行われてるのか皆目わからないし”囲碁のように”に至ってはなんか碁盤の目がピコピコいった瞬間シオンくんが全てを理解するのでとにかくこの女二人はめちゃくちゃ頭が良いということだけが分かる。同時に東堂も南も共に性格がそんな良くないことも明らかになった。これ普通にライバルが悪どくなり過ぎるよな……という懸念の次の回に即同じ位の悪どさを持った南をぶつけて互角にやり合わせるアクロバットである。

# 16 特ダネ!らぁらのヒミツばれちゃった!?

 徳田ねねとかいう安直ネーム。ドレシが気持ちのいいライバルっぷりを見せてくれるのは良いんだが、碁盤を頭に乗せてウォーキングする画はあまりにもヤバかった(このアニメはキャラにいいこと喋らせつつ絵面が終わっているシーンが多い)
 外からの目線でソラミスマイルの普段のアイカツを描き出す話でもあり、グロリア校長との対決に向けてその厄介さを再認識させる話でもあり。

# 17 恐怖のハロウィン!ジャック・OH!蘭たん!?

 大神田校長が生身で飛行を始めたり理解に苦しむ絵面の横で終始真中がカワイイな回。カワイイの語源はカワイソウなんだよな。ドレシが3人でお化け屋敷に入るくらいに仲良くなってて嬉しみがある。
 まさかプリパラにおいてのハロウィン回がアイカツ!におけるクリスマス回並の恒例お祭り行事になるとはこの頃には露程も思わなかったが……
 そしてサラッとファルルフレームイン。

# 18 レオナ、全力ダッシュなの!

 OP入りが独特でずっこけそうになった。流されることと皆の気持ちを尊重することは違うっていう話。主体性というテーマを既に通過していたそふぃくんがレオナくんのメンターっぽくなる構図が良く、転校してきたドロシー・ウェストのドチンピラムーブ(と怪光線)も観ていて楽しい。
 ところで、解放乙女ヴァルキュリアの「助けてぷり……」で毎回ちょっと笑ってしまうのを未だに克服できていない。あれ面白くない……?

# 19 みれぃとクマ、運命の出会いぷりクマ!

# 20 パスタVS忍者!

 店をズタボロに負かすとかいうフレーズが出てきて将太の寿司かと思った。
 Aパートのアタマでレオナが前回そふぃにヒントを貰ったこととトモチケの話をちょっとやることで、単なる敵同士であること以上にお互い影響を及ぼしあえるライバル関係があるということを意識させ、未だにヒール役感が残るドレシを良いライバルへと昇華させるつなぎになる話。加えて、プリパラの外ではアイドル性を発揮できないように見えてその実、真中が動けば周りが動く、世界に影響を及ぼせる真中は本質的なアイドル性を有しているのではっていう描写をやる話。なんとこれらを同時にやる。イタ飯屋対お好み屋の集客合戦というフォーマットで。
 
総じて、全部観終わったらなんだかんだちゃんと良いテーマ扱ってるもののそこに至るまでにヤバイ絵面がバンバン出て疲れるという実にプリパラらしい回だったように思う。

↑ニンジャにかぶれたガイジンお好み焼き屋店主が投擲したコテが、囲碁チャンピオンアイドルが投擲した鎖で結ばれた碁石によって迎撃されるシーン

# 21 解散!?そふぃ様親衛隊

 全体的にネジが飛んだ回。プリパラ21話観てきて一番疑問符が浮かびっぱなしだった。プリパラというアニメは色々と狂気めいてるらしいという事前のイメージに反して、実際観てみるとなんだかんだしっかりしており、例えば真中が突然紙を咀嚼し始めるシーン等も単体で抜き出せば狂気の画でも前後を見れば脈絡があったりして一応意味があることも多い……と思っていた矢先に本当に何の脈絡もない画が出てきて何もわからなくなってしまった。
 後のEDで北条そふぃが漁船に乗る遠因となった重要回でもあると思うと感慨深いですね。

# 22 学園祭でライブクマ〜!

 そらみ新曲。そらみはどの曲も本当に楽しそうにライブを演るので見ていて幸せになる。南の私服がやたらダサかったり、相変わらず森羅万象全てを囲碁に変換、経由することで理解する東堂シオン等緩い見所があり、最初はバチバチの敵対ライバルとして登場したドレシが今や完全に爽やかなライバルとなりレギュラーメンバーとしてワチャワチャしているのが楽しい。そして対大神田校長へ向けて共闘の流れが強くなってくる。

# 23 プリパラ最後の日でっすわ!

 最初第2クールはソラミ対ドレシに終始するものと踏んでたら今や山場として大神田校長周りの話を片付けにかかっているプリパラ。早い。
 ドレシ対グロリア校長回。普通に罵倒がキツイドレシの女連中(ドロシーはナチュラルに性格が悪いしシオンは頭が良い故に鋭い罵倒がスルスル出てくる)とか桃太郎侍パロ剣客アクションとか忍法・不法侵入→窃盗とか見所が多い。このアニメ良い子は真似しないでね!って下に出したら何やってもいいと思ってないか。
 不法侵入は良くないっていう事実に対してノータイムで己を不法侵入という手段に至らせた奴が悪いって理屈を並べるドロシー・ウェストのチンピラ性である。飲食屋の娘が机の上に乗るの、良くないと思うなぁ……
 ドレシ登場から終始一貫してシンプルに嫌な奴(根がチンピラそのものなので)だったドロシー・ウェストくんを、ここに来てたったワンエピソードで志を同じくする友達としてしっかり結んだ手腕は凄い。草むしりのくだりな。これでそらみとドレシが名実共にトモダチになり、対大神田戦線が形成されつつ2クール目クライマックスに向けて盛り上がりが加速していく。

# 24 さよなら、プリパラ

 大神田校長に悲しい過去……プリ・パラはルールで禁止スよね。主人公が「考えがあるんだ!」って言って何すんのかと思ったら単に”食いもんで釣る“なのが実に真中の知能といった感じで良かった。
 何故校長はそうまでしてプリパラを憎むのか?という理由の開示。それに対して中学生連中がガチの辛辣正論吐く中で一人共感の涙を流す、他人の為に泣ける真中が素朴で沁みる。
 そして俺はもう何から何まで鈍く、物語を読む才能が存在せず、つまり何が言いたいかというと肝心のグロリアの”待ち人”が現れたとき、完ッ全に予想外でなんも意識してないところから殴られて驚愕のあまり死んでしまった。お前かい!!!!やられた。いや気づくべきだったね……めちゃくちゃヒントあったのにね……思えば導線が完璧だよ。おれは気づかんかったが……

# 25 クリスマスプレゼントフォーユー!

 2クール目クライマックス。超~~~良かった。
 大神田校長周りの話は、”神アイドル”という目標がハッキリしたビジョンとして存在しない上に長期すぎる目標なので、わかりやすい長期目標として校長を明確な敵として、1期の最終目標として据えるのかな~~と解釈してたら実際は第2クールのクライマックスとして持ってくるという消化速度である。
 2クール目はあくまでドレシとのライバル関係を軸にやって、山場でもってドレシとの決着というか、融和的なイベントを挟み込むのかと思ってて、2組がまとまった末に大神田校長というラスボスに共に挑む~的な。何ならもう最終回のライブは校長に向けたものとして行われ、プリパラ認可で大団円、くらいを勝手に想定していたら既に23話あたりで大神田校長の話を消化するにあたっての外堀が綺麗に埋まってしまい、え、早ない?と困惑→そのまま身構える間もなく最高の結末を叩きつけられてしまった。
 校長のオリジンを詳細にやった以上、生半可な勢いだけでは、単に”真剣に三人で思いを込めた”っていう文脈だけだと大神田校長を折るには不足というか、安っぽくなってしまうので理屈が必要になってくる。そしてプリパラはちゃんと理屈を出してきた。それに尽きる。単なる勢いで、積み重ねの文脈パワーだけで折らないという。
 真中母の使い方、満点過ぎる。アレ以上の使い方は無かった。大神田校長が「プリパラ禁止」を曲げるに至る理屈、単にそらみのライブに胸打たれた、だけだと安っぽくなるところを、これ以上ない理由でねじ伏せてみせたのがもう、見事という他ない。校長自身はよくできた教育者なので誤解が晴れた以上そんな地獄の再生産を許す筈がなく……
 そらみの楽しげなライブは校長に在りし日のプリパラの楽しさを思い出させ、プリパラに足を向けさせるに足るライブだった、というところに落としておいたのがめちゃくちゃ現実的かつそらみのアイドル活動のスタンスの体現でもあり、とにかく巧かった。そんで大神田校長周りにケリを付けた上で、第2クールの始まりたるドレッシングパフェとのライバル関係にしっかりフォーカス当てて、「トモダチ」としてビシッとシーズン最後のライブを決める。端的に言って、プリパラはめちゃくちゃ頭がいいし自分が如何にプリパラを舐めてたかを思い知る回だった。プリパラ、強い。

# 26 いよいよあの子がデビューでちゅ

 一回勝っても次負けたら取られるパラダイスプライズのシステム自体はよくわからんが、おかげでナチュラルにソラミとドレシが一緒に動くようになっててマスコット共の小競り合いも単なるコメディとして消化されるようになり(=ウサギから毒が抜ける)、もう今からこの6人に対する新たなライバル、強い目標を出すぞっていう圧がどんどん高まっていく。そしてすぐに出る。
 ファルル、緑なのが挑戦的。もう明らかにステージ演出がリッチっていうか一人だけアイカツ!のライブパートみたいになってるしであっという間に黒船の襲来と敗北イベが消化されてしまった……
 何気にシュガーひめかコンビがあれからプリパラ来てまたアイドルやってるっぽいのがとにかく嬉しい。20年前の二人の夢を未だに追えるって素晴らしい世界っすね……

# 27 あけおめでかしこま!

 あぁそりゃ謹賀新年はお前が言うよな……って笑ってしまった新年一発目。風邪回。

 テロに屈し円盤で修正されたことで有名な解放乙女のコーデとか(人質事件この年だったんだな……って時勢に思いを馳せた)風邪で寝込んでる小学生が退屈しないようにと見舞いに六法全書を持ってくる女(一体誰なんだ……)が目を引く。サラッとボーカルドールという超重要ワードが新出するが、何よりもまず、かの真中のんの野望が初めて明かされる回でもある。いつの日かプリパラの頂点に立った姉を自分がプリパラデビューした暁には超えるって何???この頃はまだ姉への感情がちょっとでかい妹だな~くらいにしか捉えていなかった。

# 28 プリパラ囲碁パンダでございます

 囲碁が絡むと相変わらずトンチキ全開になる。囲碁パンダ……?白と黒の食いもんが好物という東堂シオンの恐るべき食性が明らかに。
 人間将棋めいた絵面が展開されていよいよヤバイ話かと思ったものの終わってみればシオンを中心にドレシの関係性を重点した見所ある回だった。「絶対勝てよ!負けたら恥だぞ!」がお気に入り。ドロシー・ウェストが終始無茶しか言ってないんだけどドレシの女二人の関係性を何より象徴している名シーンだと思う。

# 29 EZ DO グロササイズ

 グロササイズについて語ることは特になし。そらみの持つ絶対に諦めないという美徳が色濃く出る回はまぁ安定した良さがある……たとえ画面が奇天烈でも……。そしてトモダチな……ファルルが1人で完結したアイドルなのも要するにそういうことなんだな……と思ってたら次回もうファルルと再戦するって言うんだからパラの展開の速度には驚かされる。

# 30 ドキドキ!パラダイスコーデは誰のもの!?

 そんな”格”の描写ある!?急に能力バトル始めないで……
 あらゆるアイドルのパフォーマンスを吸収、コピーし、オリジナルを超越する作られたアイドル。他のアイドル達がそれぞれ自分のライブのために積み上げていった文脈の象徴であるメイキングドラマを、そっくり丸々コピーして踏み台にしてしまうファルルの姿にはなんというか……引く。この辺も実にプリパラらしいSFっぽいギミックなんだが、ロボットめいたアイドル(人形)が”完璧なアイドル”としてコピー能力を用いる不気味さというか恐ろしさというか、どう倒すんだこいつ的な凄味がよく演出されていたと思う。

# 31 スマイル!そらみ♡スマイル

 「真似真似パクリっ子め!ああいう勝ち方でいいわけ!?」ドロシー・ウェストは視聴者とかキャラが思っても言いにくいようなことを平気で口に出してくれるので親切ですね。迫真の愚痴、気持ちはわかる。南の他人への当たり方も最悪で良い。
 とにかく凄い負け方をした真中以外のメイン5人がやさぐれる話なんだが、暗くならないように上手くコントロールされていた感がある。レオナに1の違反チケが付いてて今までよっぽど真面目だったのが伺えるカットが好き。
 デザイナーがアイドルやってもいいのか!いいいんだな!ここはプリパラだもんな!コスモさんのライブがコズミック良かった。大人ですよ。

# 32 みれぃ、ぷりやめるってよ

 ぷりのままで!←最高のフレーズ
 ありのままの自分を求めてキャラを捨てた結果、何故かありのままの自分である筈の”南委員長“に齟齬が生じるの、別段おかしな話ではなく己の中に作り上げたキャラクターである”みれぃ“も間違いなく“南みれぃ”の一部分であるっていうことなんですよね……って観ながら思ってたら本当にまったくその通りの結論がお出しされてガッツポーズ案件。「みれぃは既に委員長と一つになっているんです!」発端が雨宮くんであることだけが釈然としない。
 雨宮くんな……そういうガチな、狂気のファンもいるし、いてもいいという……それはわかるしどれだけ気持ち悪くても好きにすればいいとは思うが……ストーカー行為は本人もいい気してないみたいだしやめたら……?

# 33 らぁらのこと、おしえて

 言ってしまえば総集編なのだが、誰よりも正確に早くサインを書けるファルルと不器用なサイン1つに時間をかけてしまうらぁらを対比しつつ、それでもファンに囲まれている真中をやったりと、ファルルの知らない本質についてしっかり種を撒いていく。真中らぁら、約束しがち。

# 34 ファルルのトモダチ

 「友達ってなぁに?」っていう問いに対して各々答えることでメイン6人のスタンスを見せるくだりが良い。”一斗缶みてぇにあったけぇ場所”じゃん。ファルルがチャンバーの外に飛び出しトモダチという概念に触れる重要回ながら、ドロシー・ウェストの破壊とか最早碁石を投擲武器としか思ってなさそうなシオンとかレオナくんの謎の七つ道具とか、画面がわちゃわちゃして軽いノリも摂取できる。ドレッシングパフェのポテンシャルは凄いよ。(動けばとりあえずおもろいので)

# 35  最後のステージバトル!

 対決前の真中とファルルのやりとりが好み。上位者対人間の、勝敗含めてまるで読めない対決だったが、最終的にファルルがソラミドレッシングと同じ土俵に降りてくるという展開に。肩つきあわせて共に磨き合い、ワイワイやるそらみとドレシの関係性を散々やってたのが効いている。完璧な、個人で完結したアイドルであるファルルがそういったものに憧れ、欲するまでの導線がしっかり敷かれているので、ファルルがコピー能力を捨てて、自分の力で組み上げたメイキングドラマを使って6人に挑むのも当然の流れに映り、アツい。その点ではファルルに挑むソラミドレッシングの曲が歌詞まで自作なのも一貫しててポイントが高かった。好きなこと自分で作ってやっていくのは楽しいもんな……プリパラという世界そのものがそういう場所なんだから……
 とか思ってたら急転直下の展開。プリパラのことだからもう一山あるとは思ってたけどそういう方向なのか……

# 36 ファルル、目覚めるでちゅーっ!!

 真面目な話をしている筈なのに内容が一切入って来ない。ちゃんとしろめが兄ぃ。
 ”ボーカルドール”という存在の設定開示。世界中の女の子達のアイドルに対する憧れが、プリパラの中に完璧なアイドルを生み出した。意思が集まって仮想世界の中に一つの命を生み落とすというすごいSFな話が繰り出される。そしてこの世界で最初にファルルを見つけ、誰よりもファルルのことを大事に想っているユニコンくん。本当は誰よりもファルルと仲良くしたかったろうに……
 あと”プリズムボイス”。ここにきて1話からずっと引っ張られてきた、主人公の持つ特別な力にいよいよフォーカスが当たる!プリズムボイスを持つ真中はファルルを救えるか!奇蹟を起こせ真中!
 …………っていう話だと思ったら違った。

# 37 奇跡よ起これ!ミラクルライブ

 1年目クライマックス。端的に言って白眉の出来。おもろすぎてひっくり返った。
 1話からずーっと引っ張ってきたプリズムボイス。真中らぁらとファルルのみが持つ特別な歌声。ファルル復活には心に深く届くプリズムボイスが必要!しかし真中のプリズムボイスは未だに不安定!ファルルのために歌って奇蹟を起こせるか!という1st season一番の盛り上がり。真中らぁらが全開のプリズムボイスで歌えるか、ということだけを焦点に、全てが収束する……と見せかけてとんでもない大どんでん返しで横面を殴りつけてくるプリパラには参るね……
 プリズムボイスという特別な歌声だから人々の心に深く届く、ではなく心に深く届く声こそがプリズムボイスであるという逆転。プリズムボイス自体は特別な才能でもなんでもなく、皆が等しく持つもので、誰だって強く心から願えば、誰かの心に深く届く声で歌えるんだという……イヤ~~~~~綺麗すぎか。”主人公の持つ特別な力”が実はみんな持ってたものだった、という……ヘェ~~~~。
 6人のライブでもファルルには届かず→泣き崩れるらぁらを包む会場全体の歌声全てがプリズムボイスとして輝き始める一連の流れの盛り上げ方な。実際これ以降の話でパッタリ「プリズムボイス」という概念が触れられなくなるのも美しい。誰だって当たり前に持ってる力なんだなぁ……

 確かに真中は人形ファルルの最初のトモダチになろうとして、ファルルに”トモダチ“を教えた存在なんだが、でもファルルとトモダチになりたかったのは何も真中だけじゃなくて、ファルルのファンだって等しくトモダチになりたかった筈なんだよな。ファルルとトモチケパキろうとして、ユニコンに止められた女の子達がそれまでも大勢いた筈で。
 人々のアイドルに憧れる気持ちが集まって、完璧な偶像として生まれたファルルを目覚めさせる声は、真中というたった一人のトモダチではなくやっぱりファルルの復活を心から望む、心から望めて声を上げられる”み〜んな“じゃないとっていう話。
 トモチケをパキるっていうのはプリパラ劇中では友達になることの象徴として使われてきたんだけど、それは当然「パキった瞬間友達になる」ことを意味するわけではなくて、あの場でファルルの復活を望んだ“み〜んな”はトモチケをパキってなくても既にファルルのトモダチだったんじゃないか、とかそういうことを考えちゃうな。心からその人の為を思って歌えるっていうのは既に”トモダチ“だし、トモダチだからこそトモチケパキろう!って言える、そういう……

 そういう意味ではプリチケで出来た帆に風を受けて進む”We are プリパラ!”船団に、プリパラ中のアイドルだけでなく真中のんを始めとする今プリパラに来ていない女の子も乗っていたのもめちゃくちゃ気が利いている。”み~んなトモダチ、み~んなアイドル”。プリパラの中で生まれ、プリパラの外に出られないファルルが、当然のようにプリパラの外の人間とも等しくトモダチという繋がりを持ってんの普通にユニコンみたいな顔になるね。
 もう一つビジュアルの話をしておくと、復活後のファルルのキャラデザの変化も素晴らしい。「繭が蝶々になったんでちゅね…………!」とのユニコンの言が全て。

# 38  み〜んなトモダチ、かしこま!

 1年目最終回。ファルルプリパリへ。ユニコンがファルルと一緒にいると考えを変えた以上旅立つ必要もないのでは……と若干釈然としない。
 ペガサスに乗って違う国へと旅立つ少女に向けて「荷物は後で送ってあげるっぷり~」は色々と台無しで酷い。それとコピー能力を失ったファルルのくだりがとにかく画面がわちゃわちゃしていて楽しいのが印象的。
 最後のヒキで唐突なチーム解散!2年目に向けての地ならしを隠そうともしないのは良いのか悪いのか。物語は2nd seasonにつづく。

未来へ

まとめ。総じて、およそ10日で38話を完走するスケジュールだったのを踏まえても相当にハイスピードでテキパキしたアニメだったと思う。有無を言わせぬ強引な勢いと、テーマのど真ん中を射抜く回答を正確に繰り出してくる丁寧さが同居していて、SF的なギミックも盛りだくさんで見応えがあった。そういうわけで38話を観た翌日には普通に2年目を観始めていた。続く。

感想もいずれ書くプリパラ全部観た(2nd season編)に続く予定。書けたらリンクを貼る。

追記:貼った。

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