名称未設定-1

メンバーをひよこにしたらチームに一体感が生まれた話

みなさん、チームの一体感を生み出すためにどんなことをしてますか?
飲み会を開いたり、シャッフルランチをしたり、部活や週末のレクリエーションにも力を入れている会社もあると思います。でも続けるのってけっこう大変ですよね。

今日は『メンバーを全員ひよこにしてみたらどうか』というお話になります。一体何を言ってるんだという声が聞こえてきますが、ここはぐっとこらえて読み進めていただければ幸いです。

一体感って大事だけど難しい

チームの一体感って難しいですよね。目には見えないですが、社会人にとって重要なファクターです。オフの時間に遊びに行って欲しいとは言わないまでも、お互い気持ち良く仕事ができるような信頼感は持ちたいですよね。でも良くも悪くもみんな「オトナ」なんです。育ってきた環境が違うから好き嫌いはイナメナイわけで。

うちの会社でもこれが問題になったことがありました。事業が伸びている一方、そのひずみが表出したのでしょう、次第に部内にギスギスした雰囲気が漂ってきました。どんよりとした暗雲はどんどんと育っていき、ついには堰を切ったようにメンバーの離職が相次ぎました。(しまいには事業部長まで交代してしまいました。)

残った数少ないメンバーと入社したてのメンバーは途方にくれました。空中分解状態とまでは言わないものの、何から立て直していいかわからない状態でした。

Reborn(リボーン):生まれ変わろう

新しい事業部長を中心にみんなで話し合った結果、これは過去の慣習にとらわれず生まれ変われるチャンスだという結論に至りました。そこで生まれたのが「Reborn(リボーン)」というスローガンです。その日から朝会やMTGでは「さあ今日からリボーンだ!」という掛け声が聞こえてくるようになりました。

でもぼくは一番声を張り上げておきながら、正直なところ「生まれ変わるなんて言うだけじゃどうせ何も変わらないよ」と考えてました。性根がひねくれているんですね。

まずはロゴをつくってみたが・・・

やはりデザイナーなので言葉じゃなくて「モノ」にしたくてしょうがなかったんです。目に見えるものなら言い続けなくても、モノが代わりに語ってくれると思いました。そこでロゴを作ってみました。

生まれ変わりの象徴であるタマゴをあしらったデザインです。いままさに生まれつつあるチームを、割れるタマゴで表現しました。アイデアとしてはこれをステッカーにしたり、パーカーに印刷したらいいかなあとも考えたのですが、そもそも会社で作った服なんて日常で着ませんよね。営業メンバーがこれを着て訪問先に赴くイメージが全く湧きません。なのですぐにお蔵入りしました

みんなをひよこにしてみた結果

でもやはり制服って最強の一体感だと思うんです。野球部員にしても、カフェの店員にしてもそのユニフォームに袖を通した瞬間からチームの一員になるんですよね。そう考えていたところ、ふとひよこのイメージがわきました。タマゴからひよこがぴょこっと出てくるイメージです。

ああそうか、チームメンバーをみんなタマゴから生まれたひよこだと考えればいいんだ。みんなが同じ生物になれば、みんなで成長していこうという気持ちが生まれるのではないか。そうして、チームメンバーを全員ひよこに変身させてみました。

(営業、制作、開発、マーケ、経理、CS、カスタマーサクセス、部長も役員もみんなひよこ)

描いてみて最初に思ったのは、全職種のメンバーが集まっている絵って意外と見たことなかったなという純粋な発見でした。

Slackアイコンから雰囲気が変わり始めた

早速チームに展開したところ「似てる似てる!」「○○くんめっちゃかわいい〜」みたいな反応をもらいました。このイラストを起点にメンバー同士の会話が生まれるのはとても嬉しいことでした。

そしてさらに嬉しい発見が生まれました。描いたときはパソコンの壁紙にしてくれたら良いなくらいに思ってたのですが、誰かがSlackアイコンを変えたのをきっかけに、1人また1人とひよこに差し替えていったのです。そして次の日の朝には全員のアイコンがひよこになっていました。黄色で埋め尽くされたSlackチャンネルを眺めながら、本当に良いチームだなあと改めて感じました。

(他事業部のメンバーが来ると浮いてしまうレベル)

Slackアイコンを統一するというのは、とても良いソリューションでした。アイコンは自分の分身なので、まさに最初にやりたかった「制服っぽい感じ」を実現することができたのです。また、必ず毎日開くというのも非常に効果的でした。
(月末の営業成績報告もどこか和やかになりました)

作成から1年ほど経ちましたが、この一体感は引き続き保てていると感じています。ひよこの効果がどれくらいあったかはわかりませんが、一時は落ち込んだ事業数値の方もV字回復し、名実ともに良い雰囲気になったのかなと思います。

唯一気がかりがあるとすると、ひよこのやめ時がわからないということ。Slackは今日も変わらずひよこが楽しげに会話しています。ぼくはそれを見て、もしかしたらそろそろみんなも飽きてきたのに、強迫観念となってやめるにやめられないのでは・・そんな心配を抱いています。もっと会社が大きくなったら次はみんなをニワトリに進化させたいなと考えています。


あなたのチームもやってみよう!【プチイラスト講座】

チームが一体感を持つ方法はいろいろあると思いますが、この方法はお金もかからず楽しくできるのでオススメです。ここからは「うちでもやってみたい!」という方のために、キャラクター化のコツをお教えします。

準備:まずは基本形を描く

最初は基本形となるキャラクターを描きます。うちの場合はひよこでしたが、ネコでもきのこでも大丈夫です。コツは複雑な線は描かないということ。実はこのひよこも手と髪の毛は同じパーツを使っています。

(これが基本形。通称りぼーんちゃん)

ここから基本形をちょこちょこといじって、個人ごとに似せていきます。このとき一番大事なのは見た目じゃなく「印象」だけを取り出せばOKということです。

描き方1:Mくんの場合

Mくんは髪型が特徴的です。いつもツンツンした髪型をしているので、髪の毛をツンツンさせてみました。ちなみにこの髪の毛も基本形と同じものを縦にしただけのものです。あとは目の彫りが深いので、眉毛で目に力を与えています

描き方2:Kくんの場合

Kくんは、メガネと優しい目が特徴です。あと髪の毛が軽やかなので、いつものパーツを横に伸ばしてふわっとさを表現します。また彼は身長が高いので、思い切って体をびよーんと伸ばすことでより似てきます

描き方3:Tさんの場合

Tさんは笑ったときの目尻が可愛らしいのでそこを描きます。髪型を似せようとすると重たくなってしまうので、思い切って形を似せるのは諦めます。代わりにカールがふわっとしているという特徴だけを捉えて、線でふんわりカールを描きます。

どうでしょうか。簡単に描けそうな気がしてきませんか?

似顔絵はちょっと・・という方も、キャラクター化はパズルみたいなのでやってみると意外と楽しいと思います。ぜひあなたのチームでもやってみてください。わたしも、ぼくも描いてみたよという報告楽しみに待ってます

また弊社にお越しの際は「あ!この人、あのひよこの人だ!」と探してもらえると楽しいと思います。

では、またお会いしましょう!


<著者紹介>
上羽 智文(うえば ともふみ)
学べる生放送コミュニケーションサービスSchoo(スクー)の法人プロダクトオーナー。ヤフーでWeb制作のキャリアをスタートした後、2012年よりスクーの創業メンバーとして企画・デザイン・開発全般を担う。
リボーンズのイラストでは一番右下の丸メガネ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?