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3割打者が両リーグで4人しかいない理由

お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

前で叩いてゴロを打ては300年以上前の知識

地球に重力があることを知らない方やゴロを打つと動摩擦が発生して打球が弱くなることを知らない方は打者を指導する時、「叩いて打て」と指導することがあります。プロ野球でもそういっった指導をしている方もいるようです。大洋時代に「最短距離でボールを叩け」という指導がチーム全員に出されいていた時代がありますが、バットという道具を使って打つ以上、腕の操作性を優先して、バットを短く持って打つと遠心力が働かず、150km/h近いボールを強い打球で打ち返すことはできません。こういった考え方について「新しい動作解析の野球」だから鵜呑みにしてはいけないという識者もいます。重力や摩擦については1680年代にはニュートン力学で確立しているので300年以上前に証明されている事実であり、野球が生まれる200年前からできている理屈を「新しい理論」だから怪しいというのは厳しいものがあります。

バットという道具を扱ってきた歴史

元々野球は下手投げルールだったのもを重力を利して上手投げで勝負した方が有利になるということで、ルール改正により上手投げが認められてきた歴史があります。バットという道具で投手が投げる動いているボールを打つことの難しさから、バットを動かさず投手の正面に構えて当てる「バント」という手法が編み出されました。こちらは現在の3バントルールで通常の打撃よりアウトになりやすくされています。続いてバットを短く持って、バットの操作性を高める打法が編み出されます。MLBで打撃のタイトルを総なめにしたタイカップがその1人です。バットを短く持つと通常のバットでは遠心力が完全に死んでしまうので、グリップが太いバットを開発し、右手と左手を離して握り打つというスタイルで12回の首位打者を取りました。タイカップ式のバットやクラウチングスタイルという身体を大きく屈める打ち方でピート・ローズ、ロッド・カル―やNPBで首位打者を取ったミヤーン、ヒルトンといった選手がバットの操作性を優先して活躍しました。しかし1980年代に入るとMLBは150km/h以上のストレートを投げる投手が増え、バットの操作性を優先した打ち方では打ち返すことができなくなり、叩いて打つようなスタイルは根絶しました。NPBでは1980年ぐらいまでは130km/h以上を常時投げる投手は一部のエース級だけで、150km/h台を投げ続ける投手はほとんどいませんでした。そのためバットの操作性を優先させて重力や摩擦を無視しても腕力でヒットを打つことができたのです。しかし2010年代以降いよいよ叩いてゴロを打つ打撃は通用しなくなりました。

つちのこバット内村の悲劇

2012年藤田一也とのトレードで楽天からベイスターズに移籍した内村はつちのこバットで叩き付ける打撃と俊足で2011年楽天では87安打放っていました。パ・リーグでは既に投手の高速化が始まっていて楽天はベイスターズに内村を放出したわけですが、セ・リーグも内村移籍後には140km/h台後半のストレートを投げる投手が増えて、2014年以降は強い打球が出なくなりました。内村は昭和の時代なら打撃タイトル争いもできる選手だったと思いますが、投手の高速化で引退を早めた一人だと思います。

宮本慎也氏も「前で叩く」は通用しないと発言

古い野球の伝道師かと思った宮本慎也氏が自らのYOUTUBEチャンネルで「前で叩く」という指導をやめないと大変なことになると発言しています。前述した通り、一時期の大洋は外国人選手や田代選手などを除いた選手に叩き付ける打法を強制しました。140km/h台を投げ続けることがない時代でしたからこけしバットで山崎賢一選手がベストナインになり、高橋雅裕選手や調子選手が規定打席に到達しました。30年以上前の成功体験が現在のNPBの環境では難しいこと、遠心力を使って、なるべくボールの下の部分をミートして強い打球を放つことを心掛けるようになってほしいです。ベイスターズも2023年左打者の多くが叩くというか当てに行くように弱いスイングをし出したので、なんとか変わって欲しいと思っています。


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