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10代から20代前半の選手のリスク


お断り

今回の記事の中には一部の方に不快な印象を与える記述がございますことを予めお断り申し上げます。あくまで1ファンの私見ですので科学的根拠や歴史的史実に裏付けられた記述でないことをお詫びいたします。

肘靭帯損傷は20代前半までのスピードボールが大きく関係

ジョンホプキンス大の調査によると、肘の靭帯損傷はこの数年ではなく20年以上前からの傾向だそうです。ジェームスアンドリュー医師によれば、靭帯損傷が昨今急増している高校生選手においては過剰なまでの球速や回転数の向上が原因。肘靭帯が成長しきるのは26歳前後であり、10代選手の成長過程の靭帯が耐えうるのは球速にして130km/h程度。145km/hを投げる際にかかる負荷には到底耐えられないのだそうです。1970年代前半130km/h投げるのはプロでも先発ローテクラスの投手で、高校生ではよほど突出している投手を除けば120km/h台でした。この頃なら連投しても、多少過度な投げ込みをしても壊れない選手がいても当然です。ところが現在の150km/hを計測する高校生は人間の構造を超える出力なので早々に故障しても仕方ないといえます。中には中学時代から150km/h以上出すなんていう投手が取り上げられますが、これこそ勝利至上主義の犠牲になっている選手なのかもしれません。

大卒社会人投手の旨味

肘靭帯が成長しきるのは26歳前後、骨格の成長が15歳から18歳ぐらいで終わり、20歳で骨の量がピークに達して、40~50歳までキープされてそれ以降骨量が減ることを考えると骨格、靭帯が成長し切った20代半ばの選手は最強といえるのです。例えばベイスターズの大貫は大卒3年目でドラフトに指名されています。大貫は大学2年の時に肘靭帯を損傷し手術をしています。骨、靭帯の成長が終わった25歳を過ぎたプロ入りなので145km/h以上の速球、スプリット等の負担に耐えられる体なので入団以来先発ローテに絡んで投げ続けています。大卒社会人投手は年齢が高いので回避すべきと考えずに、体が完成された故障しにくい投手と考えれば旨味があります。吉野投手がまだ復活できていませんが、本来ならばこの旨味にはまる投手だったはずです。
年齢構成ピラミッドで10代のところが少ないと「高卒指名が必要」とか言われますが、実は10代後半はプロでの育成は難しい年齢です。オリックスのように「一軍で使えるなら指名する」と割り切って、壊れようが壊れまいが使える選手は高卒でも使うというMLBの中南米アカデミーの選手のような起用をするならば、いいと思いますが。

スライダー、カットボールの危険

2021年ドラフト1位の小園が一軍デビューした中で、もっと早くデビューが予想された深沢が肘の靭帯を痛め手術しました。彼の場合はスライダーを高校時代から投げていたことが原因でしょう。スライダー・カット系のボールは、前腕の筋肉、屈筋群を使うので、疲労しやすく、靭帯をカバーしている筋肉が利かなくなり、イニングを増やす過程や登板間隔が短かったりすると一気に断裂してしまいます。高校生でスライダー、カットボールを多投する投手は肘靭帯損傷リスクが高いことを考慮して、ドラフト指名しなくてはいけないとも感じます。

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