ロシアのウクライナ侵略について、とうとう米国が本気になった。
米国政府からかなり踏み込んだ断定的な言質が取れるようになった。
まずこちらから。

バイデン大統領は「米国民が核戦争について心配する必要はない」と述べた。
つまりこれは米国はウクライナでロシアが何をしようが、自国の核ミサイルを使うことはないと理解できる。
この発言で、ロシアがウクライナで小型核などを使う可能性までは否定していない。

またサキ報道官の発言でも「深入りしない」とのこと。

またFNNの独自取材で、キエフ陥落が5日以内の可能性が高いとの見方も出てきた。

なぜ国防総省はここまで言い切れるのか。
それは確かな分析能力があるからだろう。

この場合の分析とは主にオシント（open-source intelligence)である。
これは「合法的に入手できる資料」を「調べて突き合わせる」手法であり、1980年代から諜報・諜報活動で用いられるようになってきた手法。
公開されている情報を情報源とすることが特徴である。

情報源は政府の公式発表（プレスリリース）、マスメディアによる報道・インターネット・新聞・書籍・電話帳・科学誌その他を含む。
具体的には、対象国の方針を割り出すために、対象国の新聞社交欄、ニュースの断片、人事の異動発令、発表報道などを丹念に集積し、分析するといった手法である。
細かいデータを少しずつ集めて分析するだけでも、相当な精度の情報が得られることがある。
ここ20年間で衛星データなどが追加された。
衛星データとは、具体的には写真とレーダーである。
写真は非常にわかりやすい。写真だからだ。

しかし写真(光学センサー)は天候の影響を受けるので、雲があると地表の様子を撮ることが難しい。
一方、合成開口レーダー(SAR)の画像は雲が多い冬でも、地表の情報を撮影可能だ。
米衛星企業カペラスペースのSAR衛星でボエボの画像（1月6日撮影）を入手し、日本経済新聞と衛星データ解析のスペースシフト（東京・千代田）が解析したところ、戦車63両を含めてトラックなど計272両の車両が確認された。画像で赤色を記しているのが戦車とみられる。

これは実は宇宙から勝手に取れるデータなので、公開情報という扱いなのだ。

そして、これら情報から読み取れるロシア側の戦力を合計して、
いまのキエフの防衛能力と照合すると、おそらく後5日でキエフは陥落するとシュミレーション(計算)することができる。

おそらくロシアもほぼ同等の分析をウクライナでしており、キエフ周辺部隊の75%を投入して一気にキエフ陥落を狙う作戦を取ったのだろう。

世の中の多くの人がキエフには頑張って耐えて欲しいと思うだろうが、
それは即ち、多くのウクライナ人が死ぬことを意味する。
ウクライナ人の防衛が成功すればするほど、ロシアの軍事エスカレーションが核に近づいていくのである、

現時点で私の認識はこの戦争は地域戦争化しており、
下記の「多くのPGMを用いた敵の目標に対する攻撃」にまで発展している。

既に報じられている通り、ロシアは非人道的な兵器を使用している。
クラスター爆弾を市街地(住宅地)で使用し、民間人を標的にした。
また、燃料気化爆弾を郊外で使った。これは大規模な爆発で、かつキノコ雲という、パッと見では小型核を惹起させるものである。

ロシア軍に関してはいろいろな見方があるが、今の段階では民間人を大量虐殺(1日1万人以上の死傷者を出す作戦の遂行)する意図は感じられない。
できるだけ死傷者を少なくしたい意図が見れる。
本気なら、とっくにキエフに何発も燃料気化爆弾を落とし、クラスター爆弾を住宅地に何発も落とし、防空壕や地下鉄の駅にバンカーバスターを何発も落とすことは可能であるが、それはまだしていないのである。

またロシアの戦車を素手で止めることができている。

類似の動画はたくさん見つけることができる。

但し、ロシアとてキエフ奪還は悲願なので、郊外で燃料気化爆弾を使用し、
市街地でクラスター爆弾や火力の高いミサイルを使用している。

我々のこの戦争の目標とはなにか？
プーチンをできるだけ早く処刑することなのだ。
それもロシア人の手でプーチンを処刑することなのだ。