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事業者・支援者のための『業種別支援の着眼点』建設業編(2023年12月)

前回は『業種別支援の着眼点』導入・共通編について概要をご説明しました。
今回からは各業種の資料を1つずつ見ていこうと思います。
本日は建設業です。


まずは中小建設業の目利き、決算資料編ということで、建設業特有の決算書の見かたについての説明がされています。

1枚目には記載内容については、それほど特殊なことは書かれていません。付け加えるなら、銀行では、3期(3年分)、7期(7年分)等、決算数値を横に並べて、その推移を見ています。
長期のトレンドを見る中で、比率(粗利率の低下、販管費率の急上昇等)の異常があれば、その要因を把握することで、変調要因、粉飾の有無等を掴むめる可能性が高まります。
会計ソフトなどを使うか、専用の雛型がないと、なかなか難しいと思いますが、事業計画等を立てる場合、社歴のある企業であれば、過去からの各数字、比率のトレンドを眺めると、見えてくるものがあるかもしれません。

2枚目の「立替工事高比率」という概念は建設業特有の分析指標だと思いますが、算出式を見れば内容的には難しくありません。
未成工事支出金(棚卸資産の仕掛品と同義)、未成工事受入金(前受金と同義)など建設業特有の勘定科目があるのに苦手な方も多いと思いますが、普段使っている勘定科目に置き換えて考えると、苦手意識を持たず分析ができるかと思います。

ちなみに、この「未成工事」という言葉、「未完成工事」の方がしっくりくると思うのですが、なぜ「完」という文字を省略しているのでしょうか?
前職の銀行員時代から思っていましたが、いまだに謎が解けていません。

3枚目でいえば、工事種別(官公庁or民間)や受注形態(元受or下請)程度は把握していると思いますが、この工事施工体制についてまで、実態を把握したうえで、融資を行っているケースがどれだけあるかと言えば微妙ですね。
事業者の立場で考えれば、案件ごとにも異なるのかもしれませんが、自社の状況をこの辺りまで踏み込んで、金融機関に説明できると、良く理解している社長様だなと好印象になるかもしれませんね。

4枚目のキーマンの把握については、(信用)与信額が増えるほど、きちんと情報把握を行っている金融機関は多いと思います。
静態観察についても、表彰状などは面談時の話のネタで触れることはあると思いますが、資材置き場の整備状況や工事車両の状況等までは、担当者が確認したとしても、日報に書く程度で、継続的な企業の情報として蓄積していく仕組みがあるかと言えば、そうでないケースも多いのではないでしょうか。この辺の細かい情報の蓄積を以下に行うか、金融機関側の課題だと思います。

5~6枚目については、事業計画を立てる際に、着目するポイントとして活用するといいと思います。

7~9枚目は、金融機関の支援事例を若干加工して載せている資料だと思います。

以上、今日は業種別支援の着眼点の建設業についてみてきました。
資料の使い方等についてYouTube動画も作成されておりますので、そちらもご覧いただき、理解を深めて支援活動、自社の事業活動等に活用ください。

では、次回は飲食店についてみていこうと思います。お楽しみに。


業種別支援の着眼点シリーズ
『業種別支援の着眼点』導入・共通編(2023年3月公表)
『業種別支援の着眼点』建設業編(2023年3月公表)
『業種別支援の着眼点』飲食業編(2023年3月公表)
『業種別支援の着眼点』小売業編(2023年3月公表)
『業種別支援の着眼点』卸売業編(2023年3月公表)
『業種別支援の着眼点』運送業編(2023年3月公表)
『業種別支援の着眼点』製造業編(試行版)(2023年11月公表)
『業種別支援の着眼点』サービス業編(試行版)(2023年11月公表)
『業種別支援の着眼点』医療業編(試行版)(2023年11月公表)


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