私。 荻野月子、39歳。 独身。

私。荻野月子、39歳。独身。

かれこれどのくらいセックスしていないんだろう?

鏡にうつるお風呂上がりの自分の体を
タオルでふきながら
ふとそんなことが頭をよぎった。

しばらく誰にも見せていないこの体。
ぶっちゃけ、自分でじっくり観察するのもひさしぶりかも。

週に2回はジムに行って、ヨガ、筋トレとフィットネスで
年齢のわりにいいボディラインをたもっているはず……。
そう思いたいのだけれど。

もう何年も誰にも触れさせていないから、
オトコが私をどう思うかわからない。

キスってどうするんだっけ?
セックスってどうするんだっけ?

本当は
なにもかも、自信がない。

こんなことで悩んでいるのは私だけなんだろうか。

私が、住んでるここ南青山3丁目の空気は変わらずクールで。
2階の窓から通りを見渡せば
おしゃれなアウトフィットに身を包む人々が
悩み事なんてなさそうな顔で歩いている。

20代のころは自分でいうのもなんだけど、モテたと思う。
ちやほやされたって言ったほうがいいのかな。
ご馳走されることも多かったし、デートの誘いもまだまだあった。

だけど

今日の私は、どうにかしちゃっているのかな。
朝、自分の大声で目が覚めた。
こんなことってひさしぶりで。

夢でうなされていたみたいで。
目をあけたら、涙で枕がぬれていた。
泣くってこと自体
ここ最近ではめったにないのに。
夢の中で号泣していたみたい。
とにかく悲しかったことだけが感触にのこっていて。

ひさしぶりに夢に元彼が出てきた。
もう10年も前に別れたオトコ。

私、マジで重症かも……。

それって、もしかしてきのう行った
友達の結婚式が原因かも?
あの子だけは結婚しないって思ってたのに!
相手はすっごい平凡な男だったけど
いつの間にか愛を育んでいたその友達は
超、幸せそうな顔していた。

それなのに、私にはパートナーがいない……。

もうセックスなんてできない?
もう誰も私を愛してくれない?
もう結婚もできない?

どうしよう。
いいセックスってどうしたらできるんだろう?
というか。
私を愛してくれる男なんているのかな?

そんなことが頭をぐるぐると巡ってしまって
なんだか急にわたしは危機感を感じた。







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