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おかえりモネ じれったいのも胸が痛いのも歳の差のせいかな

私は朝ドラが好きだ。
作品によらず必ず毎回見る。でも、つまらないと途中でやめてしまうこともある。

朝ドラが面白いクールはいい。朝が来るのが待ち通しくて、寝坊しなくなる。

そして私はこの半年間寝坊していない。

現在放送中の朝ドラ「おかえりモネ」。語りたいことの多い作品ですが、最近SNS界隈を大いに盛り上げているのは、なんといっても主人公モネと絶妙にモテなさそうな医者『俺たちの菅波』との恋愛模様。

興味がある人はぜひ #俺たちの菅波  をTwitterで調べてください。いろんな人が魅力を伝えています。

いわゆるじれった過ぎる二人の関係と、不意打ちで襲ってくる菅波先生の突然のイケメン発言で、もう朝から大盛り上がりなんですが、今週は仕事と恋愛とか、やりたい事とタイミングとか、一筋縄じゃいかないねぇという問題に直面して色々考えさせられた。

今回の脚本でうまいなぁと思うポイントのひとつに、モネと菅波の年齢設定がある。

モネと菅波の年齢は8歳差で、今の設定ではモネが24歳、菅波が32歳だ。この年齢差が絶妙だと思う。

24歳と32歳ってどんなに気が合っても見ている風景が全然違うことがある。

自分の過去を振り返ると、24歳の自分はまだ何者にもなっていなくて、何になれるのか、なりたいのか、ひたすら模索していた気がする。
一方で30歳を超えてくると、『こうしたい』という考えがはっきりしたり、『きっとこういう風になるんでしょ』みたいに少し置きに行く感じが強くなっていった気がする。

別にどっちが良いとか悪いとかじゃない。でもこの違いは時に決定的で絶対に埋まらない。この差を持った二人の人間がぶつかると、もうどちらかが譲歩するか、決裂するかしかないと私は思う。

だから今週モネと菅波が、結婚という重大節目を前にこの埋まらない違いに直面していて、とても心が痛んだ。

もしかして…このタイミングで…別れ…る?ドラマの終了まで約1ヶ月の今のタイミングでの破局は、もうバッドエンディング確定である。でも違った。

二人はとても軽やかに、保留だねという結論を出した。ここで保留って言える二人は、とても優しい。

だって保留にするということは、二人でもっと考えるということだから。ベストな答えに行き着くまで一緒に悩もうということだから。

ぶつかり合った時に是か非かの二択しか持ってなかった私を、この『保留だね』が慰めてくれました。ありがとう。

話を最初に戻すと、胸の痛くなるような展開をこの二人の年齢差で自然と描き出しているのがすごいと私は思う。韓国ドラマにありそうな派手な展開を抜きに、ぐっと切なさを増幅させている。そして最終的にはそれを乗り越えていく二人の思いやり溢れる関係性に繋げて、安心感で締めくくる。素敵だ!

ちなみにじれったさの演出にも年齢差が一役買ってると思っている。二人が出会った頃は、モネが18歳、菅波が26歳という設定。みんな気になるのは、未成年か…という一点ですよね。

結局二人がお互いを好きになる、もしくは好きだと自覚するのに、ストーリー上では2年半かかっていて、これがもうじれったくて仕方ないんだけど、脳裏にこびりついた『未成年問題』のせいもあって全然不自然さを感じない。もうじれったいたらない二人の『ちんたら』した進展を楽しんで見守らせてくれる。その結果が、#俺たちの菅波 の盛り上がりである。

登場人物の初期設定でここまで考え抜かれているのかもと思うと、脚本家は本当にすごいなぁと思う。

いろんな違いを乗り越えた、このじれったくて時々切ない二人の関係を最後まで楽しみたい。

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