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令和の初の国政選挙の勝者は、実はもう、決まっている。《時事社会・自給自足》

 私がはじめて選挙で投票したころ……年がバレるので二十数年前としておきますが、「夫婦別姓」を世に訴え、実行している人は少数派でした。
 最低賃金がまともな生活をおくるには全く足りない、ということもすでに明らかで、「まともな生活のできる最賃」を要求する声もあったけど、世間ではほとんど顧みられていませんでした。

 

 こんなことを主張する人たちは、「ふつうの人びと」にとっては、

 変人

 とされ、その主張は、

 現実的でない

 とされていました。

 

 たしかに、このころ衆議院は小選挙区制となり、小さな声は国会に格段に届きにくくなりました。
 私も、子どものころは、夜中までテレビにかじりついて選挙速報を見ていましたが、小選挙区制導入以降は、「どうせ自民一人勝ち」なのがつまらないので見なくなりました。

 いくら声なき声を拾い上げて主張しても、「ムダな努力」としか思えない、そんな時代になっていました。

 

・◇・◇・◇・

 

 しかし。
 それから二十数年たった今回の選挙で。

 主要政党はことごとく「選択的夫婦別姓」を政策として掲げています。
 さしもの自民党代表の安倍総理ですら、テレビ番組で、本来の主張である「夫婦同姓の維持」を堂々と主張できずに、別の話にすり替えてごまかしたりしています。

 さらに、最賃引き上げについては、主な政党が「とにかく最賃はアップで」ということで一致しています。
 この二十数年間ずっと、「まともな生活なんてできない最賃」を政権として維持してきた自民党ですら、最賃アップを政策として掲げているのは画期的です。

 

 なんと。
 ここに驚くべきことに。
 二十数年前の、「現実的でない主張をする変人」だった人たちは、

 先駆者

 にして、

 いまじゃ、常識

 が実現することを要求している「ふつうの人」たちになっていました。

 

・◇・◇・◇・

 

 この令和初の参議院選挙でも、おそらくは自民党が政権の座から転落することはないでしょう。実質的な1人区が全国のかなりを占めるゆえに、野党に投票された票の相当数は、やはり、死票となるでしょう。

 しかし、この選挙で「勝つ」かに見える自民党は、もはや、もとの自民党ではありません。
 二十数年前には少数派でしかなかった先駆者たちの主張を無視することがでなくなり、政策として取り入れるしかなくなってきつつある、変質した自民党です。

 

 だけど。
 これら国民の中の先駆者たちの主張はブレることはなく、しかも、徐々に、大きな流れとなっていました。

 それはなぜか。
 それはただひたすらに、「人が幸せに生きるために必要なこと」を主張していただけだからです。

 だから、ブレるなんてありえなかった。そのうえ、社会や経済の状況も変化し、とうとう、自民党の方が政策を譲らざるをえないところまでたどり着きつつあります。

 

 だからもう、この時点で、この選挙の本当の勝者は明らかです。
 たとえ小さな声でも、選挙では自民党の数の力に蹴散らされ続けても、

 「選択的夫婦別姓を!」
 「まともな暮らしができる最賃を!」

 と、望み、つぶやき、あきらめなかった、「ふつうの人たち」が勝者です。

 

・◇・◇・◇・

 

 ですが、まだ望みが実現したわけではありません。

 ふつうの人たちがふつうに幸せになれるための政策が、確実に実現されるように。
 この選挙で投ずるあなたの1票が、そのためのダメ押しの1票です。

 

 二十年後に。
 この選挙のことを、笑顔で振り返れますように。

 

 

 


いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。