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Nu sol i øst oprinder mild 【C.Nielsen】《私的北欧音楽館》

YouTubeで、新しい再生リストを公開しました。

ニールセン (C.Nielsen) 作曲 Nu sol i øst oprinder mild
(CNW186 /1914年) C.J. Brandt 作詞
 
(仮訳) いま日は東から穏やかに昇る

 

 べつに今日から年号が「令和」に切り替わったからどうこうとか無いのですが、別の曲を聞こうとして、たまたまこれもついでに聞いたら、曲調が今日という日にどハマリだったので、まあせっかくだから、「令和元年」の初日の今日、公開してみました。
 いずれにせよ、次はこの歌について記事にするつもりだったので、多少フライングでもいいかなぁ……というていどのことです。

 あらためてタイトルを見ると、「日」「東」「昇る」と、ほぼ日本なキーワード入りまくりです。さらに「今」「穏やか」と、退位による代替わりと改元という今日の日にぴったりな言葉も入ってます。
 まったくの偶然なのですが、タイトルの全成分が「今日は日本で代替わりで改元」を暗示してます。

 

 Nu sol i øst oprinder mild は賛美歌なので、当然「東」とはイエス・キリストの生まれた地の方角で、「日は昇る」とイエスの誕生を暗示しているのだと思います。
 にもかかわらず、宗教や思想信条を越えて(だって「令和」の「令」って、やっぱり苦手)、今日という日にメロディがズバッとハマってくるのが不思議だし、面白くもあります。

 ここに、音楽自体には思想はなく、人間がそこに何を見るか、どこに当てはめるかで色がついてくる、ということが如実に表れています。
 例えば、戦前の日本のニュース映画では、ワーグナーがナチス・ドイツを象徴するものとして使われていました。戦後、イスラエルは、ナチス・ドイツを連想させるが故に、長らくワーグナーの演奏を禁止していました。
 だから、音楽にできるかぎり色はつけたくない。どうしてもつけたいのなら、メロディにふさわしい色を吟味して付けねば、ワーグナーの例のように、作曲者に対してもうしわけないことになってしまうかもしれません。

 

 だから、私はこの Nu sol i øst oprinder mild に「令和元年」という色を付けるつもりはありません。ハッシュタグも、元号に関するものはつけていません。
 それよりも、キリスト教や天皇制などという枠組みを取り払ってもなお残るもの、なにか新しいものが勃興するエネルギーだとか、新たに立ち上るなにかを迎える晴れやかさだとかが有り、それは互いに似ていて共通するものであるらしい、ということを Nu sol i øst oprinder mild のメロディが教えてくれていることを驚きたい。

 今日こうやって、再生リストと記事を公開したのは、ただただ、メロディメーカーとしてのニールセンの技の稀有さを世に知らしめるために、です。

 

 

次回はこちら↓。


 

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いま、病気で家にいるので、長い記事がかけてます。 だけど、収入がありません。お金をもらえると、すこし元気になります。 健康になって仕事を始めたら、収入には困りませんが、ものを書く余裕がなくなるかと思うと、ふくざつな心境です。