全感覚祭Tokyo 中止に寄せて

この土日、台風19号のために多くのイベントが中止されることとなっています。
私が行きたかったイベントもやはり中止のようで。まぁ確かに、千葉県の、駅から徒歩30分の野外で行う音楽フェスなんて出来るわけないって判断なのだろうけれど。とても惜しい。

行きたかったのはこのイベントです。

全感覚祭。gezanという熱いバンドが作り上げたイベント。
良い音楽を聴いて、おいしいご飯を食べて、そこに現れた素晴らしい景色を見る。全ての感覚を使って、生きていることを実感しよう。
入場料なし、フードフリー。
そんな滅茶苦茶なイベントに、とんでもないパワーと可能性を感じたのです。
たまたま、Plastic Treeのライブを見るために千葉にいるってこともあって。少しだけでもその熱気に触れたかった。

このイベントの凄さって、とにかく無駄に飾り付けない、自分の力を過信しない、そういったところなのかなと。
あとは、趣旨に賛同する人も野次馬も、全ての人に門戸が開かれていること。踏み入れることで誰もが歓迎される。
全感覚。必要なのは全て。

タダメシを食べに来た通りすがりが、鳴り響く音楽を聴いてカッコいいと思ってくれたら。って。
そんな理想を本気で形にしてしまう。
その、人生に奉じる姿を美しいと思うのです。

人は芸術のみにて生きているにあらず。
生きるのは、楽しいことをするためなのだ。

クラウドファンディングで応援をするくらいしか出来なかったけれど。
彼らが作る世界を見てみたかった、それがとても残念。
ただ、生きることを伝えるフェスとしては、こんな結果もまた美しい。

この件に関しては、出演予定だったPeople In The Boxの波多野さんのツイートに全てが集約されているのかもしれません。

美しい景色を、瞬間で終わらせてはいけない。

その美しさを記憶する。
それはあなたの世界となり、言葉や生き方を通して周りの世界となり、この世界全てに広がる。
それが、美しさに触れた人の責務なんじゃないかと思うのです。
美しい時間を次へと手渡そう。

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