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海外にかぶれて - ニュージー放浪日記アウトテイク

ニュージーランド生活が8年目に突入した。これだけ長く海外にいると、様々なタイプの日本人に出会う。

水を得た魚のようにいきいきと海外生活を楽しむ人。まったく肌に合わずすぐ日本に帰ってしまう人。日本人であることをすてて海外に同化しようとする人。日本人的な生活を頑なに維持しようとする人。

その中でも特に印象に残るのは、「海外=善」「日本=悪」という単純な価値観に染まってしまう人である。

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たとえば、ニュージーランドの女性は年齢や体型に関係なく、露出の高い服をよく着る。

ミニスカートはもちろん、胸元がぱっくり開いた服を着ている人も多いし、足のラインが強調されるレギンスやヨガパンツ一枚で街を歩く人もよく見る。

いま滞在中のラグランという町など、ヒッピータウンであるからか、Tバックの水着なんて当たり前だし、ノーブラで布一枚巻いただけの若い女性もいるし、正直目のやり場に困る。

こうした文化的違いには、謙虚を良しとするか自己主張を重視するか、そもそも服装がどのような気候のもとで発展してきたか、などの背景が大いに関係しているだろう。

ところがこれを謎に解釈して、日本の女性ももっと体型に自信を持って、体のラインの出る服を着るべきだと主張する人がいるのだ。

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ボディポジティブといえば聞こえがいい。しかし結局は好きな服を着ればいいだけだ。別にみんながみんなミニスカートを履きたいわけでもないだろうに。

日本古来の着物や浴衣のことはどう考えるのだろう。あんなに体のラインが出ない服もほかにない。無くせというのだろうか。

同じ口で「文化の多様性が大事」とか言うもんだから、もう笑うしかない。

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海外の価値観に傾倒して、なんでもかんでも日本ダサイと繰り返す。そんな海外かぶれの日本人にはなりたくないものだ。

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