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便りのないのはよい便り

ニュージーランド放浪旅を始めてからほぼ毎日更新してきたこのnoteも、最近は書かない日が増えた。

もともと自分の抱える辛さや苦しさを淡々と吐き出す自己セラピーの場でしかなく、その更新が途絶えるのはすなわちセラピーの必要が薄れてきたというわけだ。

便りのないのはよい便り。SNSの更新がないのもまたしかりである。

旅の中で新しい友人ができた。7年に渡る海外生活で出会った中では、相手の話を聞くのが抜群にうまい人である。自分も大概聞き上手だと言われるが、それ以上の人はなかなか見ない。

ニュージーランド在住の同世代の知人には、自己主張が強い人が多い。異国の生活でそれは大きな武器になるけれども、こちらが腹を割って話せる相手ではない人ばかりだった。

何を相談してもマウントを取られ、話の腰を折られ、共感はおろか傾聴もされず、そのたびに孤独にさいなまれ、自分は誰彼からも蔑まれるばかりなのだ、よよと枕を濡らす夜を重ねた。

下手な励ましや慰めや共感ではない、自分はただただ誰かに話を聞いてほしいだけだったのだ。

聞いてもらえさえすれば、次に進むべき道を見つけられる。失敗だらけの人生にも意味を見いだせる。どれだけ自己啓発本を読んだって、結局のところ、指針は自力で見つけ出さなければ仕方ない。

雨続きだったオークランド。ようやく雲も薄れて晴れ間の覗く一日になった。雨の降る真冬であっても、一瞬の日差しさえ差せば春のような暖かさがおとずれる。ニュージーランドとはそういう国なのだ。

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