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ビートボックスの安心圏を探る

この記事ではヒューマンビートボックス(以下、ビートボックス)とウィルス感染との関わり方を自分の中で整理したくまとめていく。

ウィルス感染は、昨今人間から特に敵対視されている新型コロナウィルスにフォーカスしていくこととする。

記事作成の背景

なぜこの記事を書こう、再整理しようと思ったかというと、11月12日にイベントを主催する運びとなったためである。

イベントというのは、ある広さのスペースに共通の目的を持った人が数十人〜数百人、場合によってはそれ以上が集まり滞留する。

この状況下では新型コロナウィルス感染リスクが比較的高いことは誰にでも容易に想像がつくだろう。

仕切られた空間に大勢が長時間滞留することのリスクをある程度把握した上で、当日来てくださる方々へどうやって安心を提供することができるのか。

新型コロナウィルスの整理をはじめとし、ビートボックス演奏時の特徴を鑑みた上での私なりの示唆を出していければと考えている。

なお、イベント開催も間近で検討時間に限りがあるため、収集した情報にバイアスがかかってしまっている可能性が多分に考えられる。そのため、あくまで私個人の考えだという前提で本記事をご覧いただけると幸いである。

この記事の論理展開に大きく支障をきたしそうな間違いがある場合も含め、ぜひ有識者の方々のご意見を頂戴しつつより良い判断をしていきたい。

新型コロナウィルスへの理解

まずは新型コロナウィルスがどんな特徴を持っているのかを整理していきたい。敵(なのかどうかも判断が難しいが)を知ることがまず最初。
ただ、新型コロナウィルスに感染するとどういう症状が起きるかということについては既に大半の方が知識を有しているだろうと仮定し記載を省略する。

感染経路

ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウィルスウィルス感染拡大予防ガイドライン」を参照すると、主な感染経路は

  1. 接触感染

  2. 飛沫感染

  3. マイクロ飛沫感染

上記3種類であると記載がある。

接触飛沫は、他者と共有する物品やドアノブなどの手が触れる場所を介してウィルスが自身に付着し、ウィルスが付着した手指で露出した粘膜を触ることによる感染のこと。

飛沫感染は、口から飛び出す飛沫(ウィルスを含む唾液の粒)が他人に直接吹きかかることによる感染のこと。

マイクロ飛沫感染は、飛沫よりも細かい5マイクロミリメートル(0.005ミリ)未満の粒子がしばらくの間空気中を漂い、その粒子を吸い込むことでの気道粘膜からの感染のこと。

感染状況

現在の感染状況はどうなのだろうか。
国立感染症研究所の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの報告NHKの特設サイトから参照すると、

2022年10月26日時点で、新規感染者数、死亡者数は足元で横ばいの状態。夏場の感染拡大から比較すればもちろん減少傾向ではあるが、今年5月頃と比較すると同じくらいだと見ることもできる。

数字が横ばい(or減少傾向or増加傾向)になる理由については、

  • ワクチンや感染による免疫効果

  • 滞留人口(とくに夜間)

  • 季節的要因(換気のしやすさ)

等、複数の要因が絡み合っていると考えられている。

対策強化に対する考察

なぜ新型コロナウィルスがここまで敵対視されているのか。

世論として「インフルエンザ(季節性インフル)のほうが感染者数が多く死亡者数や死亡率が高い」等の声を聞くことも少なくない。

だが、仮にそうであったとしても、インフルエンザ(季節性インフル)と新型コロナウィルスの現在の対策における大きな違いの一つが「治療薬が普及しているかどうか」だと私は考えている。

ワクチンについては、その効果や副反応については様々な意見があるものの、予防効果と重症化を防ぐことがもっとも大きな効果だと言われており、その認識でワクチン接種している人が大半だろう。(なんとなく接種している人も少なくなさそうだが、、)

対して治療薬は、体内でのウイルスの増殖を阻害する薬や、重症患者で起きている過剰な免疫反応などの症状を抑える薬のことを指す。

コロナウィルスは現状、発症してしまってからは有効な治療法が見つかっていない。そのため、快復は発症(感染)者の"強さ"に任せるしかないというのが事実としてある。

治療法が見つかっていないからこそ、新型コロナウィルスに対してはどうしても慎重にならざるを得ない、というのが、今までの国の政策の背景にあるのだろうと思う。

ビートボックスへの理解

演奏方法

口や鼻などの発声器官を使って、さまざまな音を出す発声運動である。

ライブやコンサート等、マイクを使用する環境下での演奏方法は、マイクのグリル(頭)を手で横から鷲掴みに持ち、そのまま口に接近させて演奏するのが現在の主流である。

ただ、マイクの使い方も人によって、且つ演奏方法によって様々である。(口を囲うように持ったり、通常の歌唱のようにマイクのボディ部分を持つ場合もある)

今までのバトル

プレイヤー2人がマイクを1本ずつ持ち、面と向かって競い合う形式においては、今までのほぼ全てのイベントではマスクやフェイスシールドなしで演奏を行うルールであったはずだ。

プレイヤーのステージ上での動きの制限もない。対戦相手に向かって至近距離で演奏することもあれば、フロアの観客に向かってステージのツラで演奏することもある。

さらにバトル終了直後には対戦相手に敬意を表して握手やハグをするプレイヤーも少なくない。その際に至近距離での会話が発生することもある。

飛沫への考察

ビートボックスは口腔器官をつかった破裂音や摩擦音の連続であり、その強度も普段の発語や歌唱行為より高い時が多い可能性が考えられる。

つまり、飛沫が大量、且つ広範囲に広がってしまう可能性がある。

だが、マイクを使用する場合はグリルと口が至近距離にある上、唇の外周を囲うように手を構えるプレイヤーが多いことから、飛沫量自体は変わらずとも空気中に漂うマイクロ飛沫量はマイクを使用しない場合に比べて大きく減少していると考えることもできそうだ。

私が考えるイベント開催時の対策案

ここまでいくつかのデータを参照しつつ、事実とそれに基づく考察を新型コロナウィルスとビートボックスとで整理してきた。

その上で、今回開催するイベント会場のルールも考慮に入れ、本イベントの対策案を下記に提示する。
(「ライブハウス・ライブホールにおける新型コロナウィルスウィルス感染拡大予防ガイドライン」も参照)

全員共通対策案

  • 来場当日朝の検温のご協力

  • 会場ご入場時の検温、手指消毒の徹底

  • 大声での会話、長時間での会話ご遠慮の要請

  • ステージ上演奏者以外のマスク着用の徹底

  • 大声の禁止(バトル前の掛け声を除く。政府や地方自治体のルールに則る)

  • 過度な飲酒のご遠慮の要請

参加プレイヤー様向け対策案

  • プレイヤー間に透明パーテーション設置

  • マイマイクの持参必須(特別な事情を除く)

  • バトル終了時の握手やハグの禁止

ご来場者様向け対策案(プレイヤー含む)

  • ご入場、トイレ利用時の適切な距離間隔での整列の要請

  • 会場外たむろご遠慮の要請

スタッフ関係者向け対策案

  • 定期的な換気と消毒

  • 作業前の手指消毒の徹底

プレイヤー間に透明パーテーション設置」については先ほど飛沫への考察にて記載した内容に関連する。

マイクの使い方如何では飛沫を抑えることも十分にできると考えられるが、ビートボックスの演奏特性上、マイクの使い方をプレイヤーに指定することは難しいため、広範囲への飛沫リスクは考慮する必要がある。

加えて、ステージ上でのパフォーマンスの制限も難しいため、両プレイヤーが接近することも考えられる。感染経路をなるべく断つ目的で透明のパーテーションを設置した方がいいと考えられる。
(ここではマイクロ飛沫感染については触れない)

大声、且つ継続的な歓声の禁止」については、地方自治体によってルールが異なる場合もあるので一概には言えない。

現在のルールだと、「大声なし」のイベントの場合は収容定員の100%まで、「大声あり」の場合は収容定員の50%まで、と記載がある。

大声の基準は「(1)通常会話時よりも大きな音量で、(2)反復・継続的に声を発すること。」を大声とし、これを積極的に推奨する又は必要な対策を十分に施さないイベントを「大声あり」とするようである。

▼東京都
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/1009757/1022154.html

▼埼玉県
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0401/covid19/anzenkeikaku.html#oogoe

おわりに

ここまでビートボックスと新型コロナウィルスの"より良い距離感"について検討してきた。

定量的な情報が少ないが故に主観の域を出ないが、こればかりは明確が正解がないというのが私の意見である。

だからこそ、今回このような記事を書いてみることで自分の考えを整理したかった。

現状、何を信じていて、どういうスタンスなのか、を示すことはできたと思う。

中途半端にして、周りがそうしてるからという理由でレギュレーションを決めてしまい大勢を巻き込むことは、私はしたくない。感情的判断は理性的判断の後になるべく行いたい。

とはいえ、まだまだ考えが至らない部分も多分にある。この記事も随時更新されていくかもしれない。私の意見が変わることも大いに考えられる。

今後も全国各地で様々なイベントが予定されているはずだ。ご来場の皆様の命を守る意味でも、考えることの重要性と難しさに気づいてくださった方がいらっしゃれば、この記事の存在価値があるのではないだろうか。

今後も日々変わっていく状況を考慮しつつ、ビートボックスの安心圏を考察していこうと思う。


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