引っ越しとは何を持っていくもの?
最近、清澄白河あたりをよく散策するようになった。
清澄白河周辺は東京の中でも下町情緒あふれる場所におしゃれなカフェが数多く出店しているカフェ激戦区である。
焙煎所を備える所も多く、どのカフェに入ってもコーヒーのレベルは高い。(と思う。)
清澄白河だけで一冊の本が出てしまうほどである。
自分は以前、清澄白河周辺に住んでいたことがある。
理由はおしゃれなカフェに囲まれた場所に住みたいとかではなく、前に働いていた会社に近くなるのと住みたい物件があったからだ。
また、清澄白河周辺に引っ越してからは一級建築士の試験に没頭していたこともあり、カフェなどで過ごすなどは考えたことがなかった。
しかし、カフェに行っていなかった訳ではない。
スターバックスには毎日のように通っており、そこで一級建築士の学科試験の勉強を行っていた。
余談になるが、一級建築士の学科試験が済んだあと、一冊の本を持ってスターバックスでコーヒーを飲んだ時には「なんて贅沢な時間なんだろう」と感じた。
それだけ切迫していた時期でもあったのだろう。
去年の11月、住んでいた物件の家賃が急に数万円単位で上がることが決まり、急遽、今の家に引っ越すこととなった。
場所は清澄白河から電車を乗り継がなければいけない場所。要は清澄白河から遠くなったのだ。
しかしどうだろう。今になって清澄白河によく赴くようになった。
一級建築士の勉強をしていないからかもしれない。休職して少し時間ができたからかもしれない。
今になって行ってみる。電車を乗り継いでまでして行ってみる。清澄白河周辺で過ごせなかった時間を取り戻すかのように。
都内屈指の日本庭園である清澄庭園やブルーボトルコーヒーのフラグシップ店、他にも小さなカフェやお店など素敵な場所がこの清澄白河周辺に詰まっている。
清澄白河周辺に住んでいた時は全然気付かなかったな。
最近、前の家に住んでいた時にたくさん行っておけばよかったなと後悔している。
今行けてるからいいじゃんとの見方もあるし、一級建築士の学科試験受かったんだからいいじゃんとか、何事も前向きに考えようとはしているが、こればかりは少し後悔の方が大きく感じる。
失ってから気づくものは多いという。今回もその典型例だろう。
家も家具も体も今の家に引っ越してきたけれど、心だけは清澄白河周辺にあった前の家に置いてきてしまったようだ。とひしひしと感じる。
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