見出し画像

ノーサイド・ゲーム エンディング曲「馬と鹿」

2019年 今年ラグビーワールドカップがここ日本で開催される事を皆さんはご存知だろうか?「ワールドカップ」と聞くとサッカーやバレーボール等が思い浮かぶ人が多く居る事だろう、だがこの「ノーサイド・ゲーム」はラグビーを通してフェアとは何かを教えてくれる物語であると僕は感じた。

「ノーサイド」とは試合が終われば敵も味方も無い「ラグビー」と言う競技をただ純粋に楽しむ「仲間」と言うラグビーにおいての精神論である。

男はある日突然本社から工場への左遷を言い渡される男にとって歪んで傷だらけの春
傷だらけの体に麻酔も打たずに男は歩いた
男の体の奥底で響く
「生き足りないと」強く
「まだ味わうさ」噛み終えたガムの味
「左遷」と言うまだ心の中にある「覚めきれないままの心」を「冷め切らない熱意の心で」押し倒そうとしながら一つ一つ無くした果てに
ようやく残ったもの

「これが愛じゃなければ」
「何と呼ぶのか僕は知らなかった」

「呼べよ花の名前を ただ一つだけ張り裂けるくらいに」

組み合った男達の鼻先が触れる 呼吸が止まる
「痛みは消えない…ままでいい」

「オオォォォ」とスタジアムが歓声や熱気に包まれる

「疲れたその目で何を言う」男はそう問われた
傷跡を隠して歩くそのくせ影をばら撒いた
誰かに気づいて欲しかった

長年負け癖がついていたラグビー部
「まだ歩けるから」と噛み締めた砂の味
夜露で濡れた芝生の上
逸る胸に尋ねる言葉
「終わるにはまだ早いだろう」

「誰も悲しまぬよに」
微笑むことが上手く出来なかった
「ひとつ、ただひとつでいい」守れるだけで…
それでよかったのに…男とラグビー部にとっては「消えない魂」
周りからすれば「あまりにくだらない願い」が消えない
ある日ラグビー部に新入部員が加わったその男には古傷があった
その古傷が原因でラグビー部から離れていた男だったが、ラグビー部の戦う姿に魅せられたのだ
似た傷を持ったラガーマン
「晴れ間を結えばまだ続く行こう花も咲かないうちに」

日に日に増す男のラグビーへの愛
「これが愛じゃなければ何と呼ぶのか」
僕は知らなかった
「呼べよ恐れるままに花の名前を君じゃなきゃ駄目だ」と言われている気がした
いつの間にかガラガラだった男達の戦場は歓声の渦の中にあった
鼻先が触れる 呼吸が止まる
「痛みは消えないままでいい」
芝生の上を戦士達の魂がぶつかり合う

どんな事も「あまりにくだらない」と笑う人は居るかもしれない
だが「人から願いが消える事は無いし願いは止まらない」

男臭くてスマートさも無さそうな「ラグビー」だが試合前にパフォーマンスを選手がするのは僕が知ってるスポーツの中で「ラグビー」ぐらいだ

皆さんはご存知でしょうか?ラグビー日本代表の胸にあるエンブレムを

「芝生の上に季節外れの桜が咲き乱れる」時が来ました fin

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?