コント「上司とジョージのブレットトレイン」 

コント「新入社員」の続編でーす。
55才の新入社員ジョージです。
それではどうぞ〜。


○駅ホーム(椅子×2)

L C・I

     課長、板付き

     課長、腕時計を見ている

SE--新幹線乗り場アナウンス 

     ジョージ、下手から登場

ジョージ「チース、お待たせしました〜」

課長「お待たせしました〜、やないよ。新入社員はもっと早よ来いよ。

今日は大事な出張やねんから、遅刻したらどうすんねん」

ジョージ「それが、銀行で立てこもりがあって、包囲してる警察と強盗団が派手に撃ち合いして、警察のヘリコプターにロケットランチャーが命中してドカーン!て・・・」(身振り手振りで説明)

課長「え?そんなことあったん⁉︎大ニュースやんか!どこ?どこであったん?」

ジョージ「いや、昨日そんな映画見てたら、寝坊したっす」

課長「映画の話か!ただ寝坊しただけやないか。55才が映画見て寝坊とかすんなよ」 

SE--新幹線入線

課長「お、新幹線来たわ」

     二人、センターに並んだ椅子まで移動し着席

課長「まだ朝早いからガラガラやな」

ジョージ「じゃあ課長、自分寝るんで、到着したら起こしてください」(寝る)

課長「ギリギリに来たと思ったら、すぐ寝るやん!おい、寝るな。打ち合わせするぞ」

ジョージ「えー」

課長「えー、やないねん。仕事やねんから。じゃあ資料作ってるから情報共有しとくか」

     課長、カバンから資料を取り出そうとする

ジョージ「課長、まだ時間ありますし、ちょっと話しましょうよ。あれ見ました?

『ブレット・トレイン』」

課長「ブレット・トレイン?ブラピ出てたやつか。見たよ、なんかめちゃくちゃな話やったな」

ジョージ「殺し屋がいっぱいいて、面白くなかったですか?自分あんなメチャクチャな映画好きっす!楽しいじゃないっすか」

課長「しかし、ブラットピットもあんな変な映画に出るんやな」

ジョージ「ブラピかっこ良かったすね!」

課長「大体あれ原作は伊坂幸太郎の小説やけど、原作はもっと緻密でリアリティがあってシリアスな話やねん。それをハリウッドで作るとあんな感じになるんや。大体東京から京都までがあんな・・・」

ジョージ「課長、そんな能書きいいっす。ちょっとトイレ行って来るっす。あっ揺れるっす」

    (ジョージ、立ち上がりぎわ課長にアイアンクローをして、上手にハケ)

課長「痛い痛い痛い!絶対わざとやん、思いっきりアイアンクローしてったやん!

現実でアイアンクローするやつおるん?

映画よりあいつが無茶苦茶やで・・。そや、資料や資料」


    間


     ジョージ、ボストンバッグを持って、上手から出。

課長「あれ?ジョージ。そのカバンどうしたんや?お前のカバンここあるやろ」

ジョージ「なんかトイレに置きっぱなしになってたっす」

課長「そんなん持ってきたらあかんやろ。忘れ物やったら車掌の所持って行かんとあかんで」

ジョージ「さすが課長、頭良いっす」

課長「普通のことや。

  けどお前、人のカバン勝手に持ってくるってブレットトレインそのままやな。

殺し屋に命狙われるんちゃう(笑)」

ジョージ「ちょっと!ビビらせないで下さいっす!すぐ届けに行くっす!」

      ジョージ、上手、小走りでハケ


      間


     ジョージ、カバンを手に、走って上手から出、下手にハケ

ジョージ「わーーーーーーー‼︎」

課長、ビックリした様子で下手の様子をうかがう

     ジョージ、恐る恐る下手から出

課長「おい、どうしたんや?なんかあったんか?」

ジョージ「今そこでカバン探してる感じのおじいさんがいたっす。

あれ絶対殺し屋っすよ。

カバン持ってるのバレたら殺されるに決まってるっす!

怖いっす!愛に飢えたウサギのように震えてるっす!

課長「何を訳のわからんこと言うとんねん!

カバン探してるだけやろ、はよ返したれよ。その人どこ?」

ジョージ「あの人っす。ただものではない雰囲気出てるっす」

      二人で上手の様子を伺う

課長「なんや普通の爺さんやで、明らかに困ってはるやないか。ちゃんと返しに行け。」

ジョージ「無理っす!怖いっす!自分殺し屋NGっす」(泣)

課長「誰でもNGやろ!単なるお爺さんやないか。お前が返しに行かへんのやった

ら、俺が返しに行ったるわ。カバン貸せ」

ジョージ「気を付けてくださいっす。伝説の殺し屋に違いないっすから!」

課長「大丈夫や、心配しすぎやて」

     課長、上手へハケ


      間


     課長、カバンを持って上手から走って出、下手にハケ


課長「きゃーーーーーーーーー!」

     ジョージ、ビックリした様子で下手の様子をうかがう


    課長、恐る恐る下手から出

ジョージ「どうしたっすか?やっぱり殺し屋やったっすか?」

課長「ちゃうねん!ヘビ!連結部にヘビがおった!」

ジョージ「ヘビ?ヘビなんてこんな所にいる訳ないっすよ」

課長「おったんやって」

ジョージ「本当にヘビいたっすか?見間違いじゃないんすか?」

課長「おったよ、ニョロニョロ動いてたし」

ジョージ「あれ?列車にヘビいるとか、ますますブレット・トレインじゃないっすか!」

課長「俺ヘビは無理やねん!」

ジョージ「自分ちょっと見に行って来るっす」

課長「お前、ヘビ大丈夫なんか?」

ジョージ「大丈夫っす」

    ジョージ、上手、ハケ

課長「ジョージを初めて頼もしいと思ったわ」


    間


    ジョージ、上手からヘビを振り回しながら走って出

ジョージ「おりゃ〜〜〜〜〜〜〜!」

課長「きゃーーーーーーーー!」

      課長、ヘビを振り回してるジョージから逃げ回る

ジョージ「課長、逃げないでくださいっす」

課長「お前が追いかけて来るからや!とりあえずそれなんとかしろ!」

      課長、離れた場所でジョージを見れない

ジョージ「これ、どうしたらいいっすか?」

課長「窓から捨てろ!って新幹線窓開かへんやん!」

ジョージ「どうするんすか?早く考えて下さいっす」

課長「焦らせんなよ。どうしよ、どうしよ。どっか閉じ込められる所ないんか?」

ジョージ「あ、課長。閉じ込められる場所あったっす」

      ジョージ、ヘビを忘れ物のボストンバッグの中に入れる

ジョージ「課長、もう大丈夫っす」

課長「あー、怖かった。それにしてもジョージヘビ平気なんやな」

ジョージ「あんなんでっかいミミズやと思ったら、平気っすよ」

課長「いや、でっかいミミズは余計触られへんと思うわ」

ジョージ「そうっすか?そんなことより、この忘れ物のカバンどうするんすか?

     あんまり長いこと持ってたらマズイっすよ」

課長「そうやな、誰かの忘れ物ずっと持ってるんは良くないな」

ジョージ「自分、届けに行ってくるっす」

課長「大丈夫なんか?」

ジョージ「やるっきゃナイト」(サムズアップでドヤ顔)

課長「ドヤ顔で言われても、何のことかわからへんわ。

しかしさっきまであんなに怖がってたのにどうしたんや」

     ジョージ、カバンを持って、上手へハケ


     間


     ジョージ、上手から出

課長「ジョージ、あのカバン車掌のところ持って行ったんか?」

ジョージ「あれ、あのおじいちゃん殺し屋に渡してきたっすよ。なんか探してたって喜んでる演技してたっすよ。バカ殺し屋っす」

課長「まだ殺し屋とか言ってんのか。普通の優しそうなお爺さんやったやん。

じゃあ打ち合わせするか」

     課長、ジョージに資料渡す

袖からお爺さんの声「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」


     二人振り向く


L C・O

                                     終

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