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新組織「マーケティング本部」とは?ビービットCCO 藤井保文さんに聞いてみた!

ビービットの日本リージョンは今年よりUXI事業本部(UXインテリジェンス事業本部)・ソフトウェア事業本部・マーケティング本部の3本部体制になりました。
ビービット執行役員CCO(Chief Communication Officer)の藤井保文さんに、ご本人が率いる新設「マーケティング本部」についてお話を伺いました!
会社としてなぜ組織の新設に至ったのかや、社内でどのような立ち位置の組織になっていくのかについて、詳しくお話いただきました!

Read the English version from the link below!

ー どういった経緯で「マーケティング本部」は新設されたのでしょうか?

ビービットではUXデザイン、UBS(UX & Business Strategy)、USERGRAMを含むUXグロースOps、Omnisegmentなど、様々なサービスを展開しているわけですが、それぞれのサービス同士の連携はまだ十分に取れていないと感じていました。
特に、「コンサルティング」という類のサービスは、同じクライアント様からのリピート案件獲得が重視されることに加え、コンサルタントの人数によって実施できるプロジェクトの上限が決まってしまうため、広く認知を取りに行く必要は必ずしもありません。その結果、今までは案件獲得目的のマーケティングにあまり力を入れていませんでした。しかし、UXデザインやUBSといったコンサルティングサービスのマーケティング活動を強化しながら、提供するサービス全体の統合的な動きを作っていこうということで、めでたくマーケティング本部が創設されました。これは後でも語りますが、ビービット自身が提唱しているマーケティングモデルに、自分たちがもっと注力していくということを指しています。

もともと「マーケットクリエーションオフィス」(略してMCOという、CCO直下の組織)で行っていた外部登壇、メディア等からの取材対応、経営者クラスの方々との対談、書籍やイベントづくりなどの活動は、自社サービスのマーケティングというよりもブランディングや市場啓蒙の意味合いが強い活動でした。しかし、MCOの活動がコンサルティング案件につながるということが一定あり、UXデザインのマーケティング活動に近い役割も果たしていました。それに加え、MCOはこれまで書籍や記事やデザインなど、コンテンツ力を大事にし、同時にそれを磨き続けていた組織でもあります。

コンサルティングサービスは価格が高くなりやすいので、ロジックがしっかりした思想や方法論、他では聞けない特別な話など、「深く刺さるコンテンツ」でないと価値を発揮しません。MCOが培ってきたコンテンツ力を、マーケティングでも活用すれば効果的なのではないかという仮説のもと、MCOのメンバーとUXグロースのマーケティングを行っていたメンバーがひとつになって、マーケティング本部という形になりました。

ビービット執行役員CCO 藤井保文さん

ー 新設にあたって一番大変だったことはなんですか?

立ち上げること自体で大変なことはあまりなかったのですが、僕のスケジュールがかなりタイトで、時間の捻出が大変だな、と感じています。事業側に責任をもつことになった今、やることを絞らないと絶対ハマらないし、ダイレクトに売上につながる部署なので「ちょっと間に合いませんでした」では済まないことがたくさんあります。こんな重い責任どうすんだ、受けられないよ、と最初は思いましたね(苦笑)。

ー そんな中、なぜ新設に踏み切ったのでしょうか?

これまでは上海の仕事や、事業の外にあるMCOでの仕事など、日本の事業に対して支援することはあっても、当事者として意思決定はできなかったため、社内のコンテンツの品質を統合し、管理できる立場を取れるのは悲願といってもいい話でした。加えて、MCOメンバーの努力のおかげでコンテンツ力に磨きがかかってきたことが認められて、遠藤さん(代表取締役)・中島さん(取締役 副社長)に「コンテンツドリブンでマーケティング活動を立ち上げてほしい」と言われたのは単純に嬉しかった、という気持ちもあります。

また、効率よくビジネスプロセスを回そうとすると、UXグロースのマーケティング・プロモーションに範囲を限定して、なるべく追いやすいKPIを置いて回しやすい活動をする活動になりがちですが、それでは大きくもない組織なのに、どんどん縦割りになってしまいます。UXグロースモデルや顧客体験の一貫性の重要性を発信しているビービット自身のモデルを、よりUXグロースモデルに近づけるよい機会だなと思ったことも理由の1つです。

ー マーケティング本部はどのような課題の解決に向けて業務を行うのでしょうか?

チームのコンセプトは「UXグロースモデルを実践しよう」です。言い換えると、ビービットの顧客体験を、商品縦割りの体験ではないものにし、かつお客様との関係を深められるジャーニーにしていこう、ということです。

今までビービットは商品ごとにオペレーションが走りつつ、必要なときは連携を行っていたし、アフターデジタルの世界観をベースにジャーニーのような形を実現していました。具体的に言うと、普段から本やニュースレターを読んだり、セミナーに参加したりしながら、実際にUXグロースやUXデザインを依頼する、という形です。全体的にゆるやかにつながってはいたのですが、そのつながりは「意図的」とは言い難いものでした。そこを意図的にして、例えば送るメールももっとお客様の役に立つものにしながら、セミナーにもお誘いし、そのセミナーでビービットの使い方が多岐に渡っていることを知る、というように連動していけるといいなと思っています。

また、ロイヤル顧客を作るのもマーケティング本部の役割だと認識しています。これはまさに、UXグロースモデルの話です。うちのチームが自分のKPIを追って自分のプロジェクトのことしか考えない状態になってしまうと、グロースモデルは成り立ちません。なので、お客様の成功体験をいつでも活動の軸に置くことができるといいなと思ってます。これが一番難しい。でも、外に向かって発信している内容でもあるので、自分たちもしっかりと実践できないといけないと思っています。

マーケティング本部が実践するジャーニーの形

― なんと言われる存在になりたいですか?

社内では、「マーケティング本部のおかげでお客様と仲良くなれました」と言われたいですね。お客様との関係構築のために、マーケティング本部の行うイベントなどに招待してもらえるようになっていきたいです。

そしてその結果、ビービットがお客様に「仲間」みたいな存在だと思ってもらえる体制を目指していきたいです。UXの力を市場に信じてもらうには、UXをどうやって成果につなげるのかというビジネスライクな話をせざるを得ません。ですが、仮にそこから始まったとしても、知的に面白かったり、もっと学びたいと思ってもらったり、「こんなことまで考えてるんだ、すごい!」と思ったりしていただきたいです。そう思ってもらえれば、クライアントのビジネスの成果にも繋がりますし、UXが面白い・ためになると感じていただけると思います。

― 具体的にどのような活動を行う予定でしょうか?
わかりやすく言うと、セミナー、ウェブコンテンツ、ネットワーキングの3つになるかなと考えています。

セミナー
●ビービットの商品に直結するもの
UXホラーストーリー三部作のような知見を提供するもの
●クライアント企業の社内勉強会、外部の大きなイベントへの登壇など

ウェブコンテンツ
●記事
●ホワイトペーパー
●動画
●メール・ニュースレター

ネットワーキング
●少数限定で議論ができる会
●ビービットに相談できる会
●お客様同士をつなげる会

話題のセミナー「UXホラーストーリー三部作」- 本日第3回が再放送されます!

ー 本部長としてはどのような新しいチャレンジに挑みたいですか?
コンテンツにこだわり抜いていいものを作ることを大事にしたいですね。
例えばタイトルの質・表現でセミナーの参加者が増えるかもしれないし、セミナーの内容の質が高ければ2回目・3回目に自分のチームの人を連れてきたいと思ってもらえるかもしれません。そんなふうにコンテンツの質を高めることで次につなげられるようにしたいです。

加えて、色々な切り口を試していきたいです。例えば「UXホラーストーリー三部作」。そもそもUXとホラーストーリーという掛け算自体が変だしビジネスっぽくない。ニュースレターで呪術廻戦の話をするのも、ビジネスっぽくない。本当にUXに興味がある人は、コンテンツや海外の生活の仕方などの一見関係なさそうなものごととUXがどう関わっているかにも興味があるだろうし、UXを学びたい人にとっては、「あなたは間違っているかも」と言われたら気になると思います。もちろん「●●の実践方法」みたいな具体的な業務に関するコンテンツも必要ですが、これまではそういったコンテンツ中心でマーケティングを組んでいたので、そうじゃなくいろんな切り口で「UXだったらビービット」というところに興味を持ってもらえるようにしていきたいです。

あとは、「お客様の成功を中心において縦割りを崩すことが一番成果がでるんじゃい!」ということを証明したいですね。「お客様の成功を中心に」、「横串に」、と言うと綺麗ごとだと言われたりしますが、こっちのほうが成果が出るし、お客様は幸せだし、ビジネスが潤うんだぜ!と言える状態にしたいです。

ー 社員のみなさまに熱いひとことをお願いします!

こっちはいいものをたくさん作っていくつもりなので、使えるものはどんどん使ってほしい!お客様に、本のことも、ニュースレターのことも、イベントのことも、座談会のことも、出した事例も、送ってるメールも、「自分のお客様に気に入ってもらえそうだ」と思ったものはどんどん使ってもらえたらいいなと思っています。

僕らはそうやってお客様を巻き込もうとしています。「UXホラーストーリーおもしろかったです!」ってお客様に言われたりすることもあると思うので、社員のみんなにも見てほしいし、社員のみんなにとっても勉強になったり楽しかったりするものを作っていくので、ご注目いただけたらと!

ー 最後に、マーケティング本部のメンバーに向けて熱いひとことを!

結局、お客様のことを知って、お客様の困りごとを解決したり価値のあるものを提供し続けるのは、かなり楽しいことだと思うんですよ。その方が働きがいもあるし。それで成果が出せるって証明ができたら素晴らしいことなので、最初は手探りでうまくいかないこともあると思うけど一緒につくっていきたいので、未来は明るいと信じて一緒に頑張っていきましょう!