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教育のライブハウス「Teracoya」

こちらは未来に実現したいアイディアとなります。
弊社(株式会社ビコーズ Bechords Inc.)発信のアイディアであることを記録するため、こちらにその概要を記載します。
このアイディアに著作権もビジネスモデルの特許も存在していない以上、模倣することは自由。つまり、公共財ということになります。
この企画が社会に広がっていったらこの上なく嬉しく思います。

同時に、ここで公開された以上、ビジネスモデルの特許は取得できません。排他的にこのビジネスモデルの権利を所有することはできず、名称の商標権もとれません。
つまり、このアイディアは自由に開放されているということです。「Teracoya」という名称も、一般名詞化できるかもしれません。

さて、今回示したいアイディアは教育のライブハウスTeracoyaを立ち上げることです。
※現在同名の人文書読書会を開催していますが、いずれはこちらの内容とシームレスかつ離接的につながりうると考えています。

どういうものかというと、自分の勉強している分野の魅力を知ってもらえそうなテーマで、(基本的には)単発の講義を行う場所・システムを指します。

かつて個人で「リレー講座」という名称で、知人の社会人の方や大学生の方に協力していただき、実際に開催してみたことがあります。

その時は、学校にある「時間割」のようなレイアウトデザインで、その日の番組表を記載しました。
一例として下記のようなパターンがありました。
1時間目:『世界を変えたノーベル賞の研究』(iPS細胞)
2時間目:『憲法裁判をやってみよう!』(模擬裁判)
3時間目『戦争を知らない君たちへ』(歴史)
4時間目『今知っておくべきAIの基礎知識』(情報工学)

※その節はご協力いただいた皆様、ありがとうございました!

こちらで実施したところ、生徒たちから一定の支持をいただき、数回実施したかと思います。

上記のように、講義をする先生=演者=パフォーマーが、生徒=観客=オーディエンスの前で、その分野について興味をもってもらえるような講義を生で「演奏する」、という場がTeracoyaです。
パフォーマンスという点でアメリカのプレゼンテーションイベント「Ted」と類似する点もあります。しかし、あれほど大々的でなく、少人数でもよいイメージです。
また、模擬裁判などに顕著なように、生徒参加型の授業にもできる点などが異なると考えています。
演者は複数でもグループでも構いません。ソロでもバンドでもライブは楽しめるように。

何よりTeracoyaは、年に何度かのイベントというより、街場のライブハウスのように、普段から誰かしたら演者が発表する予定で埋まっているのが理想です。

場のイメージとしては、前にホワイトボードがあり、プロジェクターも使えます。
机と椅子が並んでいますが、それらは柔軟に移動できるのが望ましい。バンドごとに楽器の準備(セッティング)が異なるように。
小道具も使っていいし、なにかアプリケーションを利用しても面白い。
テンションが上がるBGMを流してもいい。

しかし、基本的に大切なのは、その現場で行うということ。
これだけ音楽配信が進んでも、ライブという文化が無くならないのは、現場に身体を投じて同じ場を共有することの利点が依然として存在し続けているということです。
教育にもこれはあてはまると考えます。人と人の視線、声の響き、皮膚や表情のメッセージから非言語的な情報を肌で受け取るということ。これをベースにした上で、遠方でも見れるようオンライン配信するのは選択肢としてありうるでしょう。

先ほどの「リレー講座」ですが、そもそもなぜ企画したかというと、一般的に日本の小中高等学校に通う子供たちは、大学生が学んでいるような専門性のある分野に触れる機会がありません。
勉強といえば、基礎的な範囲の「国数英理社」のみがイメージされる。しかし、大学にいけば、哲学や社会学、法律や経済、文学、歴史学、英語以外の外国語、美術史や音楽史、情報工学や先端応用化学、量子物理学、宇宙工学、生物学、医学、薬学など、面白そうでワクワクする分野がたくさんあります。

もちろん、それを学ぶことの大変さは勉強している人がまさに理解していることですが、同時にその面白さも、知識も、魅力も知っているわけです。

現在、この魅力を小中高等学校に通う子供たちに伝えるパスがない。流れが滞ってしまっており、非常にもったいないと考えています。

受験をする生徒たちにとっても、これは魅力的な仕組みです。
私自身、哲学が好きですが、これは大人になってから知っていたことです。でもたぶん、哲学は高校生のときからやってみたかった。そして、どのような哲学の先生がどの学校にいて、どれぐらい基礎的な勉強をすればその環境を獲得できるのか、ヴィジョンを得たかった。

みな、なぜ大学に行くのか? 職業選択で有利になるためだけじゃありません。勉強したいことがあるから行くんです。
本来そうであるべきです。そうでないと学部や学校選択を間違える。
もちろん、偶然よい先生に出会えた人はいいでしょう。しかし、大学に入る前から、どのような魅力的な学問が存在するのか、それを知る人から世界を垣間見せてもらい、習いたい先生、行ってみたい学校が明確に思い浮かんでいたら、受験勉強はどんなにやりがいのあるチャレンジに変わるでしょう。

Teracoyaは、子供たちに様々な学問の選択肢を開示し、「勉強」のイメージを180度転換する可能性があると考えています。

Teracoyaは「箱」です。
教室や劇場やライブハウスのような箱。そして、教えたい人が教え、聴きたい人が聴きに来るシステムという意味での箱でもあります。

こんな場所が、世界中にあれば、その星はなかなか魅力的なのではないでしょうか?

ビジネスモデル、収益化に関しても、ライブハウスと同様です。
場所を持っている個人か法人がいて、彼らが直接時間ごとに場所を貸し出す。
あるいはTeracoyaの管理者が場所を借りて、彼らがパフォーマーを支える代わりに利用料金を受け取る。
TeracoyaのHPやSNSで、講義の宣伝もする。

しかし、あくまでバンドと同じなので、お客さんを集めるのは演者側となります。主にSNSで宣伝などをし、「チケット」(データも可)をさばきます。積極的にTeracoyaチーム側が宣伝するためにオプション料金を払う形もいいでしょう。

そして、お客さんの支払う料金を決め、受け取るのも演者側となります。
※場所代でなく、この手数料を集めるというモデルもありえます。

あるいは、Teracoyaに塾の広告などを貼ることで、広告費を得ることも可能でしょう。

ちなみに、生徒も先生も、大人、子供は関係ありません。教えられる人が教え、教わりたい人が教わりにいく。
学問、知識、文化についての「講義」という知のパフォーマンスを楽しみにいく。
それがTeracoyaという場所です。

街場に教育のライブハウスを。

2024年4月11日
株式会社ビコーズ 代表取締役
佐郷 顕

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