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「岡山市の待機児童数が31人になりました」 こども園をつくる仕事をしています。vol.31

待機児童といえば岡山市とすら言われ、世田谷区、江戸川区、さいたま市などと上位(ワーストのほう)を争っていました。

本日「2021年4月1日時点の待機児童数が31人だった」という発表があり、NHK岡山や山陽新聞のホームページなどでさっそく報道されています。

広報資料は数日後に岡山市ホームページで公開されますが、
・入園申込→18,875人
・入園決定→18,039人
・認可保育園等に入れなかった方→836人
・待機児童→31人
でした。

待機児童数の推移は、
・2016年4月→729人
・2017年4月→849人
・2018年4月→551人
・2019年4月→353人
・2020年4月→259人
・2021年4月→31人
でした。

よかったね。なのだろうか?

行政や事業者が整備を進めてきたことは事実だと思いますが、「待機児童ほぼ解消」が肌感覚と違う感を持たれている方がおられるとしたら、
①エリアによる差

②認可保育園に入れなかったのが836人だけど、待機児童は31人、800人の差はなんなのか?
ということかと。

①エリアによる差、ですが、人口が集中している地区はいわゆる激戦区。
人口が多くて子どもも多くて近くの保育所やこども園に申し込みが集中するので入れない。
一方で、人口減が進むエリアでは保育所やこども園は定員まで子どもが入らないこともあります。
人口減が進むエリアでは、意外とすんなり入れたりします。

②は定義や線引きによるのかと。

836人の中に含まれるのは、以下の方々。
・認可外の保育所に通っている方(企業主導型保育事業、特認登録保育施設、幼稚園預かり保育)
・求職活動を休止している方や復職の意思なしの方→とりあえず子育てに専念するって決めてるということですね、と解釈されている
・特定の保育所を希望されている方→お近くにある他の保育所やこども園なら入れますよ

なので、どれにも当てはまらない人が「待機児童」と呼ばれます。
それ以外の方は、「未入園児童」と定義されています。

マスコミなどでは、その未入園児童のことを「隠れ待機児童」と呼んでいたりしますので、そっちのほうが馴染みやすい方もいるかもしれません…。

もし、行政の人とこの件について話したい(お時間ある)方おられたら
「隠れ待機児童問題についてどう考えてるんだ?」
と聞いても、行政職員は
「隠れ待機児童とは言わないんです。未入園待機児童はですね…」
と説明を始めると思います。使ってる言葉が違うということを意識しておいたほうがいいかもしれません。

待機児童問題は数字で表せるのでわかりやすいので議論になりやすいですが、行政としては、その数だけを追うことだけを目標にしても不十分。

職員ひとりひとりが求めていく本質は、
「子どもたちや子どもの保護者の人たちが自分らしく暮らし、働くことができるまちにすること」
なんだろうと思います。

だから、「待機児童数はおおむね解消」してもまだまだやることはあるのではないかと思っています。

がんばれこども園推進課のみんな。(お前もな)

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