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〜アイルランド紀行 vol.1〜 「司馬遼太郎先輩の影響を受けて」

大学時代から数えると、引っ越しの回数は10回近くになる。
その都度いろんな服を捨て、本を捨て、がらくたを捨ててきたけれど、その引っ越しという試練を何度も乗り越えてきた本というのが何冊かある。

まるで古い友人のように、ずーっと自分の本棚にあって、ごくたまに開いて「あぁ、こんなことが書いてあった」というやつ。

そのひとつがこれ、
「愛蘭土紀行I【街道をゆく30】司馬遼太郎」

大学時代この本に出会って、急にアイルランドへの興味が深くなって、この本に登場する文学者たち(W.B.イェイツやジェイムズ・ジョイスやジョナサン・スウィフトや小泉八雲/ラフカディオハーン)の故郷を訪ねたくなった。
当時、民族紛争というものにも関心があったのもあり、北アイルランド紛争が少し落ち着きいていたアイルランドに留学しよ!と決めた。

国は決めたけどどの街に行くかを考えた時、「首都はないな、メジャーすぎるから」と思った。
当時(今もかな)、なんかメジャーなのはダサいと思ってて、よりマイナーなところにこだわるのがカッコいいという判断をしていた。
結果、東海岸にある首都ダブリンではなく、西海岸にあるゴールウェイという街に行くことに決めた。

ヨーロッパに行くならユーレイルパス(一定の日数電車に乗れるフリーパス)で電車旅、というのを決めていて、飛行機で楽に旅するのは邪道だと思っていた。
(たぶん深夜特急の影響)

「地球の歩き方 ヨーロッパ」を持って行くのはいかにも日本人ぽくてダサいと思っていたのでガイドブックは買って行かなかった。

最初に着いたスペインからアイルランドに行くまでの電車旅は、マドリッドの空港の本屋で見つけたヨーロッパ全土地図だけが手がかりだった。
なので、フランスで電車に乗ってる間、自分がどこにいるのか全く分からなかった…。
自業自得な不安との闘いだったような気がする。

今考えたらちょっと無謀よね。(2001年夏)

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