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社長のプロフィール写真、どう撮れば成功する?【PR/広報必読】

PRや広報の仕事をしていると、いつか必ずやってくる仕事。
それは… ”社長のプロフィール写真撮影”
ウェブサイトを新たに作り替えるタイミングだったり、新たに経営メンバーが増えてプレスリリースする時など、そのときは不意に訪れます。

いや、これは不意なんかじゃなくて、あらかじめわかっていたりもするものだけど、PRや広報の仕事をしていてプロフィール写真のディレクションなんて経験ある人、ほとんど皆無じゃないですか?だからいつかやってくるとわかっちゃいるけど気付かぬふりをしていませんか…?笑 

巷にその撮影ディレクションナレッジが転がっているかっつったら、ほとんどない。でもその仕事は1年に1回、多いと半年に一回くらいやってきたりもするんですよね。

申し遅れました、PRラボBeee!主宰のでんみちこと申します。今回、プロカメラマンの井上桂佑さんをゲストに招いて、PR・広報が抱える撮影課題についてざっくばらんに相談する会をPRラボBeee!で開催しました。そこで学んだ考え方やディレクション術をこのnoteではまとめてみようと思います。

少しでもPR・広報がスマートにディレクションするお役立ちできたらと思いますし、世の中に素敵な社長プロフィール写真が発信されることを祈っております。

ほいでは行ってみましょ〜!

Q1:社長の好みのファッションで撮影したのですが、会社のイメージと違う気がしています。採用サイトにも使いたいのですが、ターゲットである学生受けしにくい写真ではないでしょうか?

写真撮影で大事なのはまず初めに会社や団体の見せたい形を考えることです。ウェブサイトに載せる場合はウェブサイトを設計しているデザイナーがいるはずです。そのデザイナーがどういう表現で世の中に発信しようとしているかによってどんな写真がいいのかが見えてきます。なので、撮影の前にPRさんもウェブサイトの要件定義を把握、理解することが重要です。その上でデザイナーの意見を取り込んで写真で表現する流れがスムーズだと思います。

また、今回の洋服は社長の好みで選ばれているということですが、本音を言うと、社長個人のこだわりが一番邪魔なんですよね。まずそこは排除したいところです。法人と個人は別物であると認識してもらうことが重要です。
あなたのスタイルはわかるけど、会社のやりたい方向性のデザインに合わせることが大事なんですよと伝えられるといいですね。

でん:最近はパーソナルカラー診断なども増えてきていますし、そういった第三者の意見を取り入れたり、ロジカルに理解してもらえるように促すってのもいいかもですね。私のクライアントも最近パーソナルカラー診断を経営陣全員にやってもらって何が似合う服なのかを理解して、撮影当日の洋服を選ぶ参考にしていました。社長にはメガネまで変えてもらったりしていましたよ!そのおかげでだいぶ会社のイメージに近い表現に近付きました。

Q:今の写真は硬い印象で社長の人柄が出ていません。何を変えたらより人柄が出るんでしょうか?

僕はよくインタビュー中の写真を撮影します。話をしている方が砕けた雰囲気になることも多いからなんですよね。正面だけではなく、撮影角度を変えたり多めに撮影して、笑顔の横顔写真などもあるといいですね。いろんな表情を抑えるといいです。

採用にも使いたい写真ということですが、例えばジャケットスタイルなどで学生さんと外や公園などで話しているシーンなどはラフさに加えて少ししっかりさを伝えられるかもしれません。洋服のバリエーションや屋内屋外など撮影シーンを変えるなどの掛け合わせで印象は大きく変わってきます。

また、今回の写真は照明が硬めの設定になっていますね。背景や写っているものの素材の硬さも強調されてToo machなやりすぎ感が全体的な硬さにつながっています。
目的に合わせてシーンやロケーションを設計することが大事なので、あらかじめカメラマンとイメージや目的のすり合わせをすることがとても重要になってきます。僕はそれによって持っていくカメラや照明も変えていますよ。

どんな社長がお好き?

Q:社長の写真はどんな表情、ポーズや服装だといいのでしょうか?現場仕事もするし、経営者でもあるので、どのシーンの写真を撮ったらいいでしょうか?

様々な仕事の場面を全部撮ってアウトプットする場所に合うものを使うのがいいですね。また、社長その人のいつも通りの自然な表情がいいと思います。緊張する人なら仕事中に撮影しちゃうのがいいです。仕事中とかみんなとご飯を食べているときに撮ると素の顔が撮りやすいです。いい顔って時間をかけないと撮れないんですよね。瞬間的にスタジオ作って来てもらってもすぐにいい表情はなかなか撮れないものです。

社長はシャイであんまり表に出たくないと言う人も多いんですよね。だけど、それなりにこだわりはある。笑
僕は昔、女性のポートレート撮影もよくしていたんですけど、自分の顔が嫌だと言う人が多くて。話を聞くと、面ではなくて点で見てる。目をもっと大きくしたいとか、鼻を小さくしたいとか。人は嫌なところは面ではなく点で見るようになってしまうのだけど、それが気になっているのは大体その人だけ。人は全体の空気感で認識するから、部分的なところは気にしなくていいんですよね。

社長本人の自意識と出したいビジュアルのイメージがズレることもあります。周りから見たらちょっと太ってるとか個性なんですけどね。社長がブツブツとこだわりを言ってたとしても、そこは法人として表現したいことができているので、そのままで大丈夫ですよと説得して納得してもらいたいですよね。どうしても主張の強い社長もたまにいますけど、そういう時はこちらが折れます。笑

でん:そっか。あのラーメン店主ばりの腕組み社長写真がいまだに使われるのも、そういう折れない系社長の強い主張によってのものかもしれないのだなぁ。腕組み写真を見ると、周りに指摘してもらえない残念キャラなのかな〜と想像しちゃいます。腕組みするってのはプロフィール写真としてはご法度。自分の強さを強調したり見る人を威嚇する表現であるし、警戒心や拒絶の心理のネガティブポーズなのですよねぇ。
社長が腕組み写真がいいと言い出したら、PRさんは教えてあげましょう。もう腕組みする時代は終わったんだと。カメラマンが腕組んでください〜といって撮影する場合もあるけど、それは社長の硬さを取るためのストレッチなので、実際にプロフィール写真には使用しないように。

なんでみんなそんなにラーメン屋になりたいんですかね?

Q:社長の服装や髪型などのビジュアルをよりよくしたいのですが、どうしたらいいですか?

簡単な方法としては、社長とセレクトショップなどの洋服屋に一緒に行って全身揃えてくださいというと店員さんが喜んでやってくれます。アパレルの人は割とそういうの好きなんですよね。その時に撮影の目的などを伝えるとよりイメージに近い形になると思います。

スタイリストに依頼して服を借りてきてもらうのもいいと思います。カメラマンに相談すると大体そういう人とつながっているので紹介してもらえると思います。

安く抑えるには社長に撮影当日の朝に美容室に行ってもらって美容師さんにスタイリングしてきてもらうのがいいです。白髪とかアホ毛とかも美容室で解決してきてもらえますし。肌が気になる方ならベースメイクしてもらうのもいいですね。あと髭も剃り残しがないよう深めに剃ってもらったらいいし、眉毛も整えてきてもらうといいでしょう。ヘアメイクさんがいない場合は撮影前に調整できるよう、PRさんがメイク道具を持っていくってのもありだと思います。

洋服は撮影に合わせて事前にスーツを仕立ててきてもらうというのもいいですし、スタイリストが入れば私服ショットもダサくはならないです。でも、大事なのは会社がデザイン性やスタイリッシュさを出したいかどうかという方向性によりますね。その辺を推したい企業の場合は経営者のプロフィール写真は非常に重要なものとなってきます。

どんな会社イメージを持たれたいですか?

Q:カメラマンってどうやって見つけたらいいですか?また、どう依頼するといいですか?


カメラマンのカタログってのはないので、横の繋がりや紹介で見つけるのが一般的ですね。素敵な写真を出している会社に誰に依頼したのかを聞いてみるのもいいと思います。カメラマンも一度撮影したことのある会社からの紹介だとムゲにはできないので同じように撮影してくれると思います。

カメラマンを紹介してもらったら事前にポートフォリオを提出してもらったり、ウェブサイトで過去の撮影した写真を確認して選定しましょう。その写真を見て自分たちの見せたい形に近い写真が撮れる人かどうか判断してからの依頼がいいと思います。

カメラマンには大きく分けて2種類のタイプがいます。作家タイプと技術タイプ。作家性の人に依頼する際は個性強めの写真で仕上がってきたりなどするので、最終的にどんな写真が欲しいと思っているのかを伝える事前のコミュニケーションが非常に重要になります。
カメラマン側から何カット提供しますね、と提案することはほぼないのでクライアント側から欲しいカットイメージやカット数を指示する必要があります。これをしておかないと、たくさんもらえると思っていた写真が数カットしかもらえないなんて事態になったりするかもしれません。

淡々と撮影する職人タイプの人にも任せっきりにしないほうがいいです。現場で全て任せるとテンプレのような写真が出来上がるので、PRさんも撮影中にどんな写真が撮れているか確認して、もっとこうして欲しいなどリクエストを出すといいと思います。

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以上、社長のプロフィール写真撮影に関してのお話を伺いました!井上さん、ありがとうございました!
PRの仕事として重要なのは

  1. どういうイメージを打ち出していきたいのか、アウトプットする場所に合ったゴール設定をする

  2. ゴール設定に合った洋服・表情・シーンの設定をする

  3. それを依頼するカメラマンに伝える

  4. スタイリストやヘアメイクなどプロの力を借りる

  5. 社長自身に表現したい世界観を理解してもらう

  6. PR自身がプロデューサーとしてコントロールする意識を持つ

ってところなのかな〜と感じました。

続きまして、実際に撮影するまでの準備することやスケジュール感についてもリスト化してみたいと思います。状況によって諸々変わると思いますので参考までに。

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撮影の進行リスト

▶︎ 撮影2ヶ月前

  • 撮影案件の要件定義をする

    • 目的・ゴール設定

    • 5W1Hの書き出し

    • イメージするビジュアル集め

      • 競合・ベンチマーク企業の事例を洗い出す

      • いいと思う企業の事例を洗い出す

    • 納期の設定

    • 予算の確保

    • スケジュール設定

▶︎  撮影1.5ヶ月前

  • カメラマン候補出し

    • 社内の人に呼びかけて紹介してもらう

    • 自分の知り合いに連絡する

    • 制作会社に紹介してもらう

  • カメラマン選定

    • ポートフォリオを提出してもらう

    • ウェブサイトやSNSを提出してもらう

    • 社内デザイナー・制作会社と選定する

  • 決定したカメラマンに要件定義・目的等伝える

  • 撮影の日程調整

    • 撮影スタジオの予約

  • スタイリスト・ヘアメイクに依頼するか検討

    • 依頼する場合はカメラマン・制作会社に相談する

▶︎ 撮影1ヶ月前

  • 撮影するシーン・カットのイメージを決める

  • 撮影場所の選定

  • ロケハン(カメラマンも一緒に)

  • 社長のスタイル検討 (洋服・髪型・表情)

    • スタイリストに依頼の場合はリクエスト

▶︎ 撮影2週間前

  • 洋服の準備・購入・レンタル

    • スタイリストに依頼の場合は具体的なイメージをもらう

  • 美容室の予約

    • イメージ写真等の準備

  • 当日の香盤表の作成 

    • 時間・場所・人 がわかるように作成

  • 関係者へ当日の流れ・スケジュール共有

▶︎撮影前日

  • 社長へのリマインド

    • よく寝てください

    • ヒゲ剃ってください

    • 眉毛お手入れしてください

    • 美容室の場所と時間の確認

    • 当日の集合時間と場所

  • 関係者への連絡 明日よろしくお願いしまーす!的な

▶︎撮影当日

  • 撮影中は随時撮影写真の確認

  • ヘアメイクがいない場合、髪のお直しやメークもやる

  • 撮影現場の雰囲気作り

  • 撮影必須カットが撮影されたかの確認

  • 納期の確認

  • 社長によかったです!のフィードバック

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こんなところでしょうか。
参考になれば幸いです!

今回は社長プロフィール編でしたが、次回は集合写真編をお届けします!
では〜!

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