愛を叫べ

僕はまいばすけっとが好きだ。

好き、まいばすけっと。

学童帰りの駄菓子屋が僕にとって至高の存在だったあの頃は、まいばすけっとを見下していた。なんだこいつは、半年ROMってろと。

しかし最近自炊をするようになって思い直した。まいばすけっとは、ちょうどいい。

色に例えるなら白。そこは誰でも受け入れてくれる解放区であり、そこでは誰もが法なのだ。

あの日、僕はいつも通りあの独特な空気を体に取り込みながらまいばすけっとを堪能していた。

レジ待ちの列に並びながらチョコエッグを買うか否か悩む僕の耳に、それは突如として飛び込んできた。

ワオォン!!


は?

なに?蹴られた犬の断末魔?犬を愛する僕の前でよくそんなことができたものだ、許すまじ。

即座にレジを睨みつけた僕の目に映ったのは、エロティックな赤紫色のカードだった。

WAONカード。それはそう呼ばれていた。

レジでそのカードを渡すと鳴り響くのだ。ワオォン!!と。

何がワオォン!!だ。そんな効果音があるか?あるんだよな、WAONカードが存在しているんだもん。効果音を変えて欲しい。使うのを目撃するたびに叫び声が聞こえるなんてたくさんだ。

もしかしたら、

もしかしたらある時のワオォン!!は、「旦那、今日もポイント貯めまっせ〜〜?」かもしれない。

ある時は、「そばにいるよ、僕だけは君のそばにいる。」のワオォン!!かもしれない。

しかし、僕があの時聞いたワオォン!!は、あの胸を裂くようなワオォン!!は、きっと僕に助けを求めていたんだと思う。

悲痛に満ちたWAONカード。

いつか、僕がまた君の声を聞く時は、愛を叫んでくれますか?

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小石マガジン

小石を積み上げる感覚で書いたものです。 小石マガジンのイントネーションは、やしきたかじんと同じですね。
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