運命〜SADAME〜

黒歴史というものは、誰にでもあるのだろうか。

僕には黒歴史がある。中高生の時だ。ブログを始めて大きな文字で黒木メイサが好きですなどと書いたり、某動画サイトにゲーム実況動画をアップしたり。

つまらなさに拍車がかかっていた。拍車どころか重戦車が牽引しているレベルだ。

「あ〜〜〜面白くなりたい。なりたいなりたい。ぴえぇぇ〜〜ん。」

今日も僕は、ベッドの上で白い天井を見上げながら泣いていた。

「泣くなァ!過去の僕よ!!」

そこには僕がいた。

「あ、あなたは…未来の、僕…?」

「そうですあたしが、未来のおじさんです!なんつって〜!いやー過去の僕がさ、可哀想になっちゃって、来ちゃったみたいな?激励だよ、激励。ゲキレイ本格焼きおにぎりだよ。」

!?

明らかに、質が落ちている。僕は面白くなりたいと言って悩んでいるのに、未来から来た僕は今よりも…クソォ!言葉にしたくない。だけどコイツは、今の僕よりも絶対に、面白くない…!

僕は未来のどこで間違えたんだ。どうしてこんなお昼の番組の大御所芸人レベルに落ちてしまったんだ。今からでも、僕の笑いのセンスを磨かなければ…!

否!今からじゃ遅いのか…?その可能性は大いにある。未来の僕がこんなことになったのは、未来の僕が今の僕の頃、さらに未来の僕が来た結果なんだ。自分で言ってて訳わかんねえ。だけどここで諦められる訳がない。目の前にこんなゲボカスみたいな自分が現れて、このままボーッとしていられるか。

「やい、未来から来たっていうお前!僕はお前が未来の僕だなんて信じない!だけど真実なら、それが真実なら変えてやる!!1年後、またここに来い!!僕がお前を変えてやる!!」

気付くと未来の僕は消えていた。なんだよ、消え方すら面白くない…。


それから1年、僕は地獄のような修行を乗り越えた。ある時は昔のお笑いのDVDを引っ張り出して動きの1つひとつまでメモして真似た。ある時はCMを参考にして、人が面白いと思うのはどういう言葉選びなのかを研究した。

「そろそろだ…そろそろ1年。未来の僕と会ったあの日から、ちょうど1年だ…!」

ペカッーーーーー!

僕の部屋に光が溢れた。

「ウゥ…壁が白いから嫌に反射する…!だけどこの登場、期待できる!どう変わったんだ僕は!見せてくれぇ!!」



「そうですあたしが、未来のおじさんです!」

ダメだこりゃ。

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あ、空を見て!ありがと雲だ!
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小石マガジン

小石を積み上げる感覚で書いたものです。 小石マガジンのイントネーションは、やしきたかじんと同じですね。
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