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【ネタバレ極力無し】『カメラを止めるな!』雑感

単館2館の上映から口コミで全国ロードショウにまで拡大したという話題の映画『カメラを止めるな!』。低予算、ノンストップ撮影、(失礼ながら)あまり有名ではない出演者、など数多話題の切り口にも事欠かない様子。

なんとなーくSNSで「観てきました!」報告が上っているものの、特に感想や観るべきポイントもなく「オススメです。以上」みたいな書き方をされていたので正直そこまで関心はなかった。

今週、TVを見ているとネタバレ無しを冠してこの映画を「観なきゃ損!」と熱く語っていたコメンテーターに背中を押され、前述の顔見知りのSNS前情報の蓄積もあり翌日劇場に足を運んだ。

観終わった直後、楽しかったとか、あのシーンが、みたいな思いはそれなりにあったものの一番の感想は「ジグソーパズルを完成させた直後」に近い感覚だった。つまり「腑に落ちた」だった。

ネタバレしない程度の雑感


予備知識なしで観るのが吉、てのは本当。
ジャンルを知ってるだけでも予告編みただけでも損。
エンタテイメントなので好き嫌いはあると思う。面白かった?満足感はあった?けどストライクではなかったかな。

だがだが特にクリエイティブ関連の方は観といていいと思う。
普通を大事にしてる陽キャよりも下北ラブとか言ってる個性派サブカル君には好評なんだろなと。古くはスタジオヴォイスとかユリイカかとクイックジャパンとか好きな層。

低予算から口コミで拡大!みたいな煽り通りではあるんだけど所謂ハリウッド超大作とは違うベクトルなのでそこを許容できるかが鍵かも。

でもね新しいチャレンジのジャンル!みたいなのはあったよね。技術的にも脚本的にも全体的にアイディアの塊。

そして今は映画館で観るには席を取るのも大変ぽいんですが、なるべく後ろの席で観た方がいいかも。これは前の方の席で観た上でのアドバイスです。

ここから少しだけネタバレに繋がるかもしれないので観たいと思ってて観てない人は読まない方がいいかも

とはいえ観終わった後に残る既視感。デジャヴってやつですが、どこで感じたろーなー?そもそも絶賛されるほどの脚本か?なんて思いつつ電車に乗っていた。

「とにかく無駄がない」
この言葉が、この映画を語る上で重要かもしれない。確かに無駄はなかった。様々な意味で。

でもこのストーリー作りどんでん返しでもないけど多次元感の正体は?この映画脚本好きな人は喰う寝るふたり住むふたり、うそつきパラドクスあたりも楽しく読めるかもしんない。記憶が正確ではないけどムービーではパルプフィクションとかも近い気がしないでも。

では見所は何かって、冒頭と最後のジェットコースター的起承転結の落差でアハ体験ができることにあるんじゃないすかね?
あとね伏線全回収つかどこからどこまでが伏線なんだっけ?幸せってなんだっけ?家族ってなんだっけ?平和ってなんだっけ?俺は今、夢を忘れてきてないか?みたいなね。人生を振り返ったりしちゃったりね。

欠伸と関心と共感と羨望と。
スッキリ腑に落ちすぎて直後の感想に困る部分は多々ありつつ、席が前過ぎて見上げるような体勢だったのも手伝って途中カメラ酔いしてしまったけど、ゲロは事務所NGなのでよろしくで~す。

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