松江を訪れる全てのクラフトビール好きに勧めたい3つのお店

島根への長期出張が終わった。年明け早々に、縁もゆかりもないこの地に足を踏み入れてから半年間。ホテル暮らし、かつ度々東京に帰っていたため、「そこでの生活」と呼ぶのは少々さしでがましいが、私が過ごした松江は、これまで訪れたどの街よりも居心地がよく、離れたくないと思わせてくれるだけの魅力に溢れていた。

ここまで名残惜しく思うのはなぜだろうか。そう考えたときに私の頭に浮かぶのは、仕事終わりや週末に、夜な夜な(昼な昼な)一人で訪れた飲み屋で出会った人たちの顔である。今日は、誰一人知り合いのいなかった私に楽しい時間とご縁を与えてくれた3つの飲み屋を紹介したい。

・フレンチ酒場せるぽわ
・ラブユアネイバー
・エスパーク

どこも松江駅から徒歩5分圏内。国産のクラフトビール(地ビール)を樽生で飲むことができ、カウンターもあるのでふらっと気軽に立ち寄れるお店だ。願わくば松江を訪れる全てのビール好きに巡って欲しい3件である。

フレンチ酒場せるぽわ

JR松江駅から北西に徒歩5分、松江の二大歓楽街の一つ、伊勢宮町。私がここに足繁く通ったのは、何もスナックのひしめく夜の街を楽しむためだけではない。そこに「せるぽわ」があるからだ。

店名のとおり、ここはフレンチの店である。店内は10席ほどのカウンターと、テーブルが2つ。お酒好きのご夫婦で切り盛りしており、ワインに限らず、島根の地酒や各地のクラフトビールも飲むことができる。

樽生のtap数は6つ。ワインがメインのフレンチのお店にしては、ビールの種類が多い。西日本のブルワリーを中心に、様々なスタイルの洗練されたラインナップが並んでいる。何が置いてあるかは行ってからのお楽しみ。そんな出会いも悪くない。

そしてビールだけではなく、せるぽわは料理が絶品だ。私はお任せでアテを頼むことが多かったが、ビールに限らず、お酒と料理のマリアージュを楽しむことができる。松江にきたら和食を食べたい気持ちも分かるが、旬の魚やシェフこだわりの食材を使ったフレンチを食べに行くのもいかがだろうか。

ラブユアネイバー

伊勢宮から道路を一本挟んで西へ。2019年3月末にオープンした、ハンバーガーとクラフトビールを提供する「ラブユアーネイバー」も、お世話になったお店の一つだ。

ここでは、島根県西部の江津市で2018年から醸造を開始した石見麦酒の樽生を2tap提供しているほか、Tap Marché(2tap)を導入しており、さらにボトルで山陰地方の松江ビアへるん大山Gビールや、茨城の常陸野ネスト、和歌山の平和クラフト等を中心に数十種類のビールを楽しむことが出来る。

メイン料理のハンバーガーも外せない。ソースやトッピングのバリエーションが豊富で、ハンドチョップの生み出すジューシーな食感はIPAとの抜群が最高だ。昼から営業している(要facebook確認)ので、我慢ができる人はハンバーガーだけ食べに行くのもいい。

店内はカウンター4席のみ。少ないと思うかもしれないが、このこじんまりさが店主や他のお客さんとのコミュニケーションを生み、楽しいひと時をもたらしてくれる。まずは外から店内を覗いてみよう。そして満席でもそうじゃなくても扉を開けてみよう。

エスパーク

松江駅北口を出てそのまま西へ真っ直ぐ進んでいくと、「エスパーク」へ辿り着く。スタンディングでサクっとでも、テーブルに座ってゆっくりでも、過ごし方は人それぞれ。

エスパークでは、松江ビアへるんが常時4tap、その他のブルワリーが2tap提供されている。直営の地ビール堀川館以外で松江ビアへるんの樽生を飲むならここだろう。私が行ったときは宇宙Two Rabbitsも繋がっており、山陰地方では珍しいビールも飲むことができた。

つまみは、鯛わた塩辛やカニ味噌等のスピードメニューのほか、馬刺や馬肉スモーク、パスタ、ピザ等がっつりしたメニューも置いている。あごの焼きや赤天等の山陰名物もおすすめだ。

実はここに初めて訪れたのは、松江を去る約2週間前のこと。もっと早くから行っていればよかったと後悔が尽きない。冒頭でスタンディングでサクッとと書いたが、また松江に訪れることがあればスタンディングでゆっくり過ごしたい。

おわりに

島根での半年間は、ご縁と出会いの連続だった。最初に「せるぽわ」に訪れて、シェフや隣に座っていた常連さん(日本に20年近く住んでいるアメリカ人)におススメの店や観光地を教えてもらい、「せるぽわ」のイベント(大山Gビール会)で「ラブユアネイバー」の店主と出会い、「ラブユアネイバー」で遅くまで飲んでいたら「エスパーク」の店主と出会い…。飲みに行く度にたまたまそこにいたお客さんと談笑し、段々と「また会いましたね」の人が増えていき...。

改めてビールという飲み物には、人と人を繋ぐ素晴らしい力が秘められていることを実感した。その力を強めてくれた、出雲大社の主祭神、オオクニヌシノオオカミにも感謝せねばなるまい。

またいつか、帰りたいものである。

★おまけ
日本酒と一緒にゆっくり蕎麦を楽しむなら「遊山」、他の地域には中々ない釜揚げそばを試してみたければ「東風」、出雲大社に立ち寄ったらシンプルな割子そばで「かねや」、上品な小料理と地酒をしっぽり「谷屋」、松江の郷土料理・宍道湖の珍味を堪能したいなら「川京」、お洒落な個室で海の幸を楽しみたければ「さんいんSAKABA」、和食を食べすぎてイタリアンが食べたくなったら「アルソーレ」、ガッツリ串焼きを食べたければ「スタミナ串焼き内田」、頬っぺたが零れ落ちるほど甘くて美味しいケーキ(お菓子)をご所望であれば「cii stand」

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