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赤黒ドルマゲドンのチャージャー枚数に関して

以前少しだけツイートにも載せたのですが、度々界隈で沸き上がるドルマゲドンのチャージャー論争に関してシミュレーションを行ってみたところ、少し言えることがありそうだったので記事として残しておこうと思います。

しかしこの話題はほとんど毎回穏便に終わることは無いため、敢えて記事として公表するのも躊躇われたのですが…。結論そのものはまあまあ穏便に終わらせられそうなので筆を執っています。

(なんで今?という感じですがひとえにインフルで時間できたからです)

そもそもなぜこの話題が毎回炎上するのかというと、僕の認識ではチャージャー減らして勝つ強い人と、チャージャーを最大枚数採用して勝つ強い人がいるからではないかと思っています。
いずれの立場とも事実としてCSで勝っているから、お互いに譲らない部分がある。すごく納得です。

しかしチャージャーを最大枚数(8枚)採用して勝てる構築と、減らしてても勝てる構築が同時に存在するのはなぜでしょうか?僕が一番疑問に思ったのはここでした。

確かに、構築だけで一意に勝敗が決するということは極めて少ないはずで、多分にプレイングの優劣が寄与することもあると思います(というか最近はそっちの方がでかそうだと思いつつあります)。

しかし極端な話で言えば、初手に
①終盤しか機能しないカードAが4枚来た場合

②序盤から終盤まで機能するカードA~Eが満遍なく来た場合
とで、動きの強さは後者の方が上だというのは直感的にも自明だと思います(初手にAが4枚あるならトップからA以外のカードを満遍なく引ける確率高くなるでしょ等の突っ込みもあると思いますが、前者と後者とでトップに求めるものが明らかに異なるはずです)。

構築からランダムに取り出したカードがハンドになっていく以上、構築自体も多少は勝敗に繋がるはず…と考えるのは素直な考え方に思えます。

ということは、チャージャーを増やした構築と減らした構築とで、なんらかの「構築としての強み」があるからこそ、お互いが譲らないくらいに勝てるようになっているのではないか。


それを調べるためにまずは簡単なシミュレーションをしてみて、チャージャーやドルーターの枚数を増減させたときにどれだけ引く確率が変動するのかを調べたいと思います。
(※私自身は赤黒ドルマゲについては疎いので恐縮ですが、とりあえずは4tニトロやドルハカバ等のキャストが重要だと仮定しておきます。環境的にこうでしょとか思われても、そこはどうか流してください)

ドルーターをk1枚、チャージャーをk2枚採用したとして、3t目までにチャージャーを引ける頻度を計算します。色事故などもあるので必ずしも正確なキャスト可能性とはならないのですが、参考として眺めてください。

以下がそのコードと結果になります。


注:##のついているものが各残り枠数の中で最も引ける確率が高かった配分です。

この結果、8枚採用と7枚採用とで3t目までにチャージャーが引けている確率は約5.5%の違いがありました。また、ドルーターを増やしてチャージャーを減らしたところで、チャージャー自体を引く確率の減少分を補うのは容易ではないのが分かります。したがって、3tチャージャーを決めやすくするにはチャージャーを抜いてドルーターを増やすよりも,素直に残り枠数分のチャージャーを採用するのが良いようです。

ただしドルーターには序盤に殴る役割もあるらしい?ので、一概には言えないのですが…。その代わりにどこまで3tチャージャーのキャスト可能性の減少に目を瞑るのか、ということですね。

よくツイッター上で散見されたのが「ドルマゲは5マナ以降が強いんだから、チャージャーを減らしてそれを遅らせるのはアカン」みたいな意見でした。確かに納得…。

それではチャージャーは8枚ですね、めでたし…。と思いますが、気になるのがチャージャーを減らしたことで1枠余ることでした。

チャージャー減らす派の意見として「序盤しか機能しないチャージャーは終盤腐って弱い」も見られました。

確かに、トリガーを増量したり特別なフィニッシャー(ザビミラ等?)なんかを積んだりする上では、チャージャーの1枠すら喉から手が出るほど欲しいのかもしれません。それならば他の枠を必要としながらチャージャーを採用する上で重要になってくるのは「採用枚数を可能なだけ減らして、一番効率的な枚数に絞る」というものになりそうです。

その効率的な枚数を特定する上で、今回は

チャージャーをx枚採用したときに3t目までに引ける確率÷消費枠数(=x)

の値を計算しました。便宜的にこれを「枠消費効率」と呼ぶことにします。
この枠消費効率に関して、以下の通りに計算を行いました。



この結果、驚くべきことにというかなんというか、チャージャーを減らせば減らすほど枠消費効率が高くなることが分かりました。

1枚あたりの引ける確率の値が大きくなる(≒効率的)なのはチャージャーを減らす方向性のようです。

ここまでで,減らすほど効率的になるというのは分かったけれど,かと言ってピン投にするわけにもいきません。じゃあ何枚採用までに抑えるべきなのでしょうか。

そこで次に,1枚ずつ採用枚数を変えていった場合の引ける確率の上がり幅の変動で何か見えて来ないかと思い,以下の計算を行いました。



2枚採用した時の引ける確率 / 1枚採用した時の確率 というように計算を行い,採用枚数を1枚ずつ増やしていったときにどれだけ引ける確率が変動するのかを調べました。グラフに起こしたのが以下になります。

その結果,6枚から7枚に変えたあたりから確率の上がり幅(傾き)は概ね頭打ちになっているらしいことが分かります。ある程度の引く確率を確保しながら効率的に枠を捻出する上で,チャージャーの6枚や7枚採用というのはその折衷案と言ったところでしょうか。

以上をまとめると、チャージャー8枚採用の構築は高い確率で自分の動きを押しつけられる強みがあり、チャージャー6〜7枚採用の構築は効率的に枠数を捻出しながらメタ札や他のフィニッシャーを積める強みがあるらしいということが言えそうです。

環境中にどれだけドルマゲドン側の動きを最速で決めるべきデッキが多いのか、それとも妨害してくるデッキが多いのか、攻め込んでくるデッキが多いのかに応じて、ドルーターやチャージャーの配分を決めるべきなのかもしれません。

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