小数回試行のゲームで運の不平等は生じうる

ゲームを小数回繰り返すような場合において、演繹的には運の強さは同じでも帰納的には人によって運の強さは不平等になりうるという話。youtubeでツヴァイさんの動画が流れてきて、運の不平等を嘆く人をたしなめているように見えた。実力があって強い人に対して運の強さを僻むのはその人の努力に対しての冒涜だし、慎むべきものだと思う。しかし、そういった発言って、注目している人の数回の試合結果のみを切り出して評価しているものだとも思われ、ほんの数回の試行回数では運が不平等に思えるような事態は起こりうる気もする。運の大小が無いという大前提のもと、試合が数回(<10回とか)の条件下で見かけ上の運の不平等は生じうるのかというのは万人が気になること間違いないので検証します。「あの人ばっか引き強くて俺弱くね」がどれだけ生じうるのでしょうか?

・便宜上40枚のカードのうち序盤に引いたら強い順で5段階(①>②>③>④>⑤)を設定。それぞれ8枚ずつとかにしてみます。

・二人のプレイヤーが初めの5枚のカードを引いたときにどれだけ序盤に強いカードを引けているのかを比較。

・試行を2人がそれぞれ10回繰り返した場合に、トータルで手札の序盤の強さ(≒引きが強いか、弱いか)に差があるかを検定。①から⑤は順序尺度なのでノンパラのBrunner-Munzel検定を使用。より正確らしいので並び替え検定を使います。

・CSが休日のたびに全国で30地点で開催されるとして、1年間の休日が100日程あるとして合計3000回/年くらいだとしてみます。

install.packages("brunnermunzel")
library(brunnermunzel)

deck <-   c(1,1,1,1,1,1,1,1,
            2,2,2,2,2,2,2,2,
		    3,3,3,3,3,3,3,3,
		    4,4,4,4,4,4,4,4,
		    5,5,5,5,5,5,5,5)

res<-function(n){
result <- 0
for(i in 1:n){
player1 <- data.frame()
player2 <- data.frame()

for(i in 1:10){
hands1 <-  sample(deck,5)
hands2 <-  sample(deck,5)
player1 <- rbind(player1,sum(hands1))
player2 <- rbind(player2,sum(hands2))
}
if(brunnermunzel.permutation.test(player1[,1],player2[,1],paired=T)$p.value<0.05){
result <- result + 1
}

}
return(result)
}

res(3000)
​[1134

「あの人ばっか引き強くて俺弱くね」が起きるのは1年で130回余り。そのうちの数回がもととなってツイッター上の話題に上がっても不思議じゃないかもしれません。裏を返せば、たくさん参加するだけで、実力がいま一つ足りなくても運が味方し続けてくれるCSも体験することが出来るかもしれません。

ミス等あれば修正します。

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